底辺の朝
あ、どうもです。友人が楽しそうにここに色々書いてたんで、暇つぶしがてら真似して書いてみました。
凄く凄く初心者です。
なので、読みづらかったり、変なところばかりだと思います。どうぞお許し下さい。
午前9時規則的に目が覚める。いつもとなにも変わらない平凡な朝だ。締め切ったカーテンの隙間からうっとうしい程に眩い光が俺を照らしていた。
あっヤバい……また遅刻するっ!!
俺は急いで服を着替えてリビングにあった菓子パンを手にとり自転車を走らせた。
まぁ良くある光景だよな?このまま転校生の美少女とぶつかって運命的な出会いをしたり、はたまた空から女の子が降ってきて厄介な事に世界の運命を賭けた大冒険に巻き込まれたり……
結論から言えばまぁなんにも無いんだけどね?
そりゃそうだ。だって俺は学校に向かってないんだもの。今日は……とゆうか今日も学校はお休みさせていただきます!!
俺の家から10分ほど自転車を飛ばすとそれはそこにある。数多の人々が一喜一憂し、働かずにして稼げたりもする…… 大体は憂鬱な気持ちになって帰宅するんだけれども……行きはよいよい帰りはって言うあれ!日本のギャンブル!
そう、パチンコ屋が!!
今日の所はスロット専門だけど。
今日はこの近所のマイホールに朝から並びに来た。本日稼働開始の新台をどうしても打ちたかったのである。
好きなアニメ元が版権だったのとそこのメーカーが別に嫌いじゃなかったしね?
…え!?もちろん、ダメなのはわかってるよ? 自分なりに考えての行動なんで。 別に勉強にも付いていけてるし、友達もいるし……
一応、言わせてもらうと俺、遅咲 大輝は結構なレベルの廃人である。俗にゆうパチンカスと呼ばれている輩だ。
高校生で流石にこれは良くないのは理解しているし法律的にも完全にアウトだ。
もちろんいつかは止めないととは思ってるわけだしね?
……なんて事を考えてはみても、俺の自転車は進路を変えることは無かった。
そんなこんなで俺が店に着いた頃には既に5人程並んでいた。見知った顔ばかりだ。ジャージ姿のダラけた青年やおそらく無職の小太りのおじさんなどなど。見るに堪えない残念極まりない方達が朝からまぁ……暇なもんだ。
俺も認めたくはないがそのメンバーの1人なんだけどな……。
てゆうか、その群れの中に見知ったを通り越して見飽きたレベルの奴もいるじゃないか。
いるとは思ったけど……
『ザキ~~お前も来てたのかよ!!相変わらずだなぁww』
店の前で俺より早く開店待ちしてる奴よりはマシだろう。
このヘラヘラした口調で朝から無駄に高いテンションで話しかけてきたのは俺の同級生で同属性の底辺仲間 間藤 真里茂 略してまとまだった。
おまえもな?てゆうか、久々に会ったみたいな雰囲気醸し出してるけど昨日も一昨日もここで同じ時間に会ってるじゃねーか!!
『まぁまぁwそんな事気にすんなよw お互い学校サボってこんなとこに並んでる社会のゴミ仲間じゃないかw』
おいおい、勝手にゴミ扱いしてんじゃねーよ。まだ授業に出なくても余裕があるだけだからな!!後で本気出せば良いだけだから!!
まとまとは高校1年の時に出会った。それから仲良くなって、間も無い頃にあいつが『なんかさ~楽してお金増えたりしないかなw』なんてことを言うからパチンコ屋に連れて来てやったらビギナーズラック炸裂でもう羨ましいくらいにフィーバーしちゃってそれからというものこのザマである。
因みにこの頃から中々賢くて出来る奴だったまとまが俺のせいでダメになってしまったと言う話が広がり、苗字の遅咲とも相重なって俺には『ザキ』という後半になると全然使えない緑色の賢者の石係兼馬車乗組員の愛用する死の呪文みたいなあだ名が付けられてしまった。
別にこれこそ気にすることではない。あだ名の響きは割と気に入ってるし……
まぁとりあえず整理券配布に間にあって良かった。2番だったしな!!
新台にも無事に座れそうだ。
あ~~ワクワクしてきた!結構前から楽しみにしてたからな~~
…あっ!そういえば、まとまは何に座る予定なんだろう?
あいつは特に色々考えて座るようなタイプじゃないしな~~無難にマジリスク絆辺りかなぁ?
まとまに聞いてみると、決まってんだろと言わんばかりに『あぁ、俺?決まってんじゃんか〜I'm chekeIerだよ。サクッと出して帰って寝る!!』
何て奴だっ……!!
朝からブドウ農家になるらしい。しかもサクッと出して帰るんだったら学校行ったらいいのに!!
てゆうか、人の事はとやかく言いいたくないけど別に朝から並ばなくてもジャグラーくらい座れるじゃねえか!!!!
ここのホールは新台だけ最初の2、3日出したら後は鬼の吸い込み仕様に変わるボッタ店なんだぞ?
あの天下の南商事のChekelerがどれだけ爺婆の年金を狩ってきたか!!
ここの店は来るなら新台しか選択肢はないぞ? 知らないけど。自論だけど!!
……この待ち時間は何度来ても無性に長く感じるよなぁ。友人と話していても携帯でゲームをしていても俺の体感時間の速度は変わらない。それだけ開店までのこのソワソワとした緊張感と高揚感は拭うことは出来ない。
あと数分のはずなのに……。時間に近づけば近づくほど長く感じる……!!
そんな事を考えているとポケットの中で携帯が鳴っていた。
携帯を開いて見るとそこには一見のメッセージが受信されていた。
【煌:今日も来てないんだね 。】
うっ……煌から……。
面倒くさいものを見てしまった。返すか?いや、電話とかされたら余計に面倒だしな……。
とりあえず未読にして見なかった事にしよう……うん、そうしよう。
帰ったら適当に返事しとこう。
煌について話すのもきっと近い内に機会があるはずだ。
『ザキ~~2番呼ばれたぜ?』
まとまからの呼びかけでメッセージの件は一瞬にして俺の頭の中から消滅していた。切り替えは大切だからな?
あぁ!!さて、いよいよだな……
『只今、午前10時となりました 1番の方から順に入場して頂きます!!』
そして遂に扉は開かれた。文字どうり開店である。
薄暗い店内を静寂が包み混んでいて、中ではチカチカとスロットの液晶や下パネルが光っていた。
あとは、狙い台に座り、吹かせるだけだ!!
もう結果は自分次第、美味い昼飯を食うのも養分になるのも……。
『それでは本日はご来店ありがとうございます。1番の方からどうぞ!!』
さぁ、1番早く座れよ?お前も俺と同じだろ?分かってる……気持ち良く帰ろうぜ?
『次っ!番号札2番の方どうぞ!!』
はい…。
覚悟を決め店内に足を踏み入れる。さながら魔王の住む城に最後の戦いを挑む勇者のように……!!
『待っていたぞ…!!勇者とそのパチンカス達よ』……じゃなくて、『いらっしゃいませ!!おはようございます。』とまだ静かなホールにピシッとした店員達が整列し俺達を出迎える。
『いらっしゃいませ』か……
いや、今日も残念ながら利益をもたらすお客様にはならねぇよ?
その為には他の常連も狙っているであろう新台の魔法少女マジで☆マジかを獲るっ…!!
ミッションスタートだ…。俺は小走りで前日からチェックしていた新台の場所へと向かう、もちろん最短ルートを通って……そして島にたどり着き安堵する。流石2番だ……!!3台中2つ席に空きがあった。(まぁわかりきってた事なんだけどね。)通路側は1番の野郎(毎日同じジャージ兄さん)に抑えられていたが、むしろこれは好都合だぜ……
甘いんだよ!!ここの店の有名なジンクスである角2の台(角から2番目の台)を獲らないなんてよぉ!!獲らないなら頂くまでよ!!
ふぅ、ミッションコンプリート……。
ふふ…勝った……!!表情筋が勝手に緩みやがる。まだ始まってすらいないとゆうのに!!この時の俺は既に確信していた。勝利の2文字はこの手の中にあると…
俺はすぐさまサイフから1万円を取り出し、サンド(お札投入口)に挿れる。
大丈夫……もう何も怖くない!!
きっとまた会えるよ……。
ジャラジャラと出るメダルを下皿から4枚ほど指先で掴みそれをまた台の中に……そしてMAXベッドボタンを押す。クレジット音がまだしばらくは静かであろう店内の中鳴り響く。
そしてもう一度、自分の中で覚悟を決め、左手を軽く握り、肩の高さで構える……。
戦闘開始!!
同時に俺は左手を振り下ろした。