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赤い目のシンデレラ  作者: T.K=ユーマ
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プロローグ


貴方は、人を殺すことが簡単だと思いますか?


《キーン、コーン、カーン、コーン‥‥》


授業終了の合図が鳴る。やっと終わったか。私は一つ、大きなため息を吐き窓の外を眺める。そして、ここからが私の本当の日常‥‥。

「あ、いたいた。聖搗ちゃん、今暇?」

私に声をかけて来たのは隣のクラス、6組の坂神 芯殺(かがみ しんや)。頭がよく(私よりかは下だけど)、イケメン(らしい)で、背も高い。あと、女たらし。私は、彼の方へ体ごと向け、「なんだ?」と言う。彼の返事は。

「なんでもないよぉ♡」

わけがわからん。だったら君は私の元へなにしに来たんだ。疑問は口に出さず、さっさと終わらせようと態とらしく話を無理やり進めた。

「そうか、なんでもないのか。私も君には何の用もない。とっとと自分のクラスへ戻れ、バカ。」

私は、手に持っていた本の続きを読もうと机の下に本を隠しながらページをめくった。私が本を読んでいる間、彼は何か言っていたみたいだが、私にはなんの関係もない。どうせまた、「アイツ」の愚痴だろ。毎日毎日懲りない奴だな‥‥‥‥ん?

「‥‥‥‥なんだ?」

「なんだって、ちゃんと話し聞いてた?聞いてないよねぇ?」

彼は何処かと少し女々しい。まぁ、本当に少しだけで違和感ははとんどないんだけど‥‥‥。何か視線を感じると思ったら‥‥君か。視線を感じるとふと顔を上げて見ると彼が私を睨んでいることに気がついた。私は、彼にまた冷たい言葉をやる。

「凝りない奴だな。何度も何度も垢の他人の愚痴を聞かされる身にもなってみろ。嫌になるぞ?そろそろ別の人間に聞いてもらえばいいだろ、バカが。」

私の言葉の語尾には必ず「バカ」がついてくる。それの所為か、私の周りには親しく話会うことができる人間は気づいたらいなくなっていた。だけど、いつの間にかこうやって自分から話しかけてくる奴も、周りがいなくなったおかげか、こんなバカだが私は少し嬉しく思う。

「ふふ‥‥‥」

「ん?どうしたの?」

「バカな君を見ていたら笑えて来ただけだ。」

「はは。なにそれ、酷いなぁ」

「酷くないよ、バカ」

「え、あ。はい、すいません。」

本当に面白い人だ。だけど、私から見ればただの暇つぶしのおもちゃにしか過ぎない筈だった。私は、ごくまれにこう言うことを無意識に思うようになっていた。


私は、彼のことが好きなのではないのだろうかーー





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