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タブレット・ジュン  作者: 水嶋


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事件の匂い

「なんか…吉川さん変じゃ無い?」


「そうだな…」



前の夕飯の時、この間キレ散らかしていた吉川さんが大人しかった。


今日の食事も相変わらず…な内容だった

また吉川さんが騒いで今度こそ浪川に…と内心ヒヤヒヤしていたが


ただ大人しいだけならそれ程気にしないのだが、何と言うか…

目が虚で気がつくと口の端から涎が出ている



「お身体の具合が悪いですか?」



職員の武田くんが気づいて口元を拭いてあげていた



「あれかしら…遂に認知始まった?」


「うーん、どうだろうなあ。この間浪川に連れられて医務室に行ってたみたいだが…」


「そう…」



医務室の医師も経営者が代わって入れ替わっていた


前の医師は優しい人だったが、今の医師はどこか事務的と言うか、ちょっととっつきにくい感じの人だった。


まあ私は医務室に行く事も無かったので関わりは無かったが



「今日はお部屋で休みましょうか」



武田くんが付き添って部屋へ連れて行った



まあ、騒ぎもなく良かったっちゃ良かったが…

何となく気にはなっていた





○○○○○○○○○○




「武田くん、若いのに頑張ってるわね」


「あ、江波さん。有難うございます」



職員の武田くんが談話室の片付けをしていた


「武田くんはアルバイトよね?幾つだったっけ」


「17です」


「そっか!若いとは思ってたけどまだ高校生だったんだ」


「いえ…高校には通ってなくて…今は高卒資格を取る勉強してるんですよ」


「へえ!そうだったんだ」


武田くんもホッシーみたいに色々あるんだろう。まあ、引きこもりではないけど


「でも武田くん位の年頃ならもっと…カフェとか飲食店とかアパレルとかでバイトしそうだけど、こんな地味で大変なバイトで…」


「俺、今まで色々あって…中学にもまともに行けなかったから同年代の子とどう接して良いか分からなくて…」


「成る程ねえ。でも武田くんは経営者が変わっても残ってくれたし…優しくて良い子ね。お世話も上手だし」


「有難うございます」


「武田くんとお付き合い出来る人はきっと幸せね。好きな子とかいるのかしら」


つい野次馬根性が出てしまった

基本お喋り好きの噂好きなんだな私


「はい…一応…でも多分俺の事子供みたいに思ってます」


「へえ!じゃあ年上の人?」


「はい、11歳上なんですよ」


「あらまあ、でも私からしたら11歳差なんて大した事ないけどね」


「成る程…」


「で、どんな人?」


「うーん…綺麗で優しくて、頼りがいがあって親身になってくれて…お母さんみたいな所もあるけど結構可愛い所もあって息子みたいな所もあって、でも本当は恋人になれたら幸せだろうなって…」


「ふむふむ…なんか複雑だなあ…」


「そうですねえ」


「所でさ、この間の吉川さん、大丈夫だった?」


「うーん…ちょっと…」



そう言って武田くんは私を連れて部屋を出て建物から出た



「ちょっと中だと誰に聞かれてるか分からないんで、すみません」


「それは良いんだけど…どうしたの?」


「実は…あの時部屋へ連れて行って…吉川さんの部屋でこれを見つけたんです」


そう言ってビニール袋に入ったPTPシートに入っている薬の錠剤1列分をポケットから出した


「これは?」


「向精神薬でした」


「えっ!?」


「多分ここの医師から処方されたんだと思います。」


「なんでそんな物…」


「とりあえず大人しくさせる…が目的だと思うんですが…依存性が高くて健康な人が服用するのは危険です」


「吉川さんは精神疾患なんかじゃないわ」


「はい…あの感じ…身に覚えがあったんで薬をこっそり持ち出して調べてもらいました」


「身に覚え?」



「実は…俺は親の借金のカタにヤクザに売られていました」


「えっ!?」


「そこで薬漬けにされて仕込まれて…売春をさせられてたんです」


「そんな大変な目にあってたの…」


「でも、今は助け出されて、助けてくれた人に紹介された人…に引き取られてお世話になってます」


「そう…武田くんの好きな人はその人なのね」


「はい…で、その頃の俺に感じが近いなって思って…」


「成る程…」


「一応医師から処方された薬なんで違法性のある物ではないんですが…明らかに誤診と言うかわざとな感じがして…」


「やっぱり浪川と繋がってそうね。毎回足を折ったりは目立つものね…」


「ちょっと色々危ない感じですね、今の経営者…」


「そうね…」


「建物内は監視カメラも有りますし…下手に動けなくて」


「でも…やっぱりこのままにしておけないわ。私、何か探ってみるわ」


「そうですか…俺も助け出された時に縁が出来た人がいるんで…何か分かったらその人伝に警察に知らせてもらいます」


「分かったわ。じゃあ、また情報交換しましょう」



そう言って武田くんとライン交換をした






「くれぐれも…お互い危ない事には気をつけましょうね。」


「はい。恐らく堅気じゃない相手も関わってそうな気がしますから…江波さんも充分気をつけて下さいね」




「武田くんもね」


直樹はこの頃からバイトしてたみたいです。


ただの居候じゃ無かったみたいですね


武田くん(直樹)については「月光」参照下さい

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