永遠のお姉さん
現実世界の憂鬱な事を忘れられるの唯一の癒しだたったゲームの世界でも面倒な事が起きていたが…
「あら、野原さん。休憩ですか?」
「はい、昼食の片付けが終わったので夕食の準備が始まるまで…」
野原さんはこの施設のパートの給食職員だ。
経営者が変わってすぐ位に入って来ていた。
給食の職員も経営者が変わって給料カットになったので、そのタイミングて辞めた人も何人かいた。
その頃の募集で来たのだろう。
野原さんは主に昼食と夕食の時間帯に入っていた。
朝食はかなり簡素になったので最少人数でやっているのだろう。
昼だけ、夜だけのパートさんもいるが、野原さんは通しでやっているので、空いた時間は施設内で休憩をしていた。
話しかけてみたら明るくて楽しい人だったので、見かけたらお喋りしている。
野原さんは中年だが、私からしたら娘位の年頃になるので子供のいない私は娘と話すようで楽しかった。
基本ゲームでもよくチャットをするので私はお喋り好きなんだろう。
野原さんは旦那さんと別れて子供も居ない人だった。
多分…
私が話しかけても迷惑には思ってない…
と思いたい。
隣に座ってお喋りを始めた
「すみませんねえ…お食事、もう少し何とかしたいんですけどね。栄養士さんも献立考えるの苦労してるみたいで」
「いえいえ、野原さん始め給食職員さんのせいじゃないわ」
「有難うございます」
「でも…以前に比べるとどうしてもねえ…吉川さんがキレるのも分からないでも無いのよねえ」
「みたいですね、食材なんかももっと色々使えたら良いんですが…今の組まれてる予算でギリギリ頑張ってるみたいですが」
「そうよねえ。味付けは老人向けだから基本薄味なのは分かるのよ。でも以前だと…すだちや生ワサビなんか使ってくれてたり、出汁も昆布や鰹節からちゃんと作ってくれてたり…工夫してくれてたわねえ」
「わあ!豪華ですね!今からは考えられない」
「生い先短い老人には食事は唯一と言っていい位の楽しみだったりするからねえ。歯や内蔵が悪くなって介護食になる前に楽しみたいわよねやっぱり」
「そうですよねえ。他にも以前と変わった事とかありますか?」
「そうねえ…大浴場の入浴が週3から2に減ったとか…居室の清掃が週3から1になったとか…挙げればキリがないかもね」
「そうですか…」
「まあ…その手厚いサービスのせいで経営難になったんだろうから仕方ないとしても…ここ結構高いからね…ちょっと腑に落ちない気持ちはあるかしらね。後は…」
「例の職員ですか?」
「そうね…知ってる?」
「まあ…噂では」
「私も詳細までは分からないんだけど…その点は武蔵が詳しいかもね。初めに教えてくれたの武蔵だったから」
「武蔵って青山さん?仲良いんですね?」
「そうよ、まあ友達ね。話しやすいし」
「へえ!何だか気難しそうで話しかけ辛かったですが…意外です」
「あはは、武蔵はねえ、シャイボーイだから野原さんみたいな若い子にはそうなっちゃうのね」
「若い子…この歳になって初めて言われましたよ。世間一般ではおばさんですよ」
「あらあら、私達からしたら娘位の歳だもの。武蔵は永遠の厨二少年よ」
「へえ」
「スマホの待ち受けなんてドラゴンや剣や髑髏の画像よ。異世界転生モノとか大好きで読み漁ってるわ。お色気シーンにブクマ付けてるわよ」
「あはは!若いですね」
「そうね。だから少し心配なの。変な正義感や好奇心で危ない事しそうで…」
「そうですか…江波さんはやっぱりお姉さんですねえ。永遠の」
「そうかもね、やっぱりほっとけないもの。色々と…」
「まあ…良かったら武蔵さんから教えて貰った事とかおかしな事とか新たに出て来たら私にも教えて下さい。私も微力ながら力になりたいです」
「有難う。そうね、私も一人で抱え込むのはしんどいから…娘にも愚痴を聞いてもらいましょうかね」
「そうですよ、お母さん。まあ…悪い事は長続きしませんよ…その内良い事も起こりますよきっと」
「そうね。それは私が生きてる内に起こって欲しいわね」
あれ?野原さん…なんかやる気かな?
野原さんについては「7つ星」「吸血鬼と仕事人」を参照下さい




