パーソナルスペース【12月初旬】
「史ってさぁ・・三枝との距離近いよね?」
作業をしながら丸は急に史に話しを振った。
それは恐らく編集部の全員が気になっていた事でもあった。
「??近くないですよ?」
史は丸に対してまるで何を言ってるんだ?とばかりに真顔で返す。
「いやいや、マジ近いから!てか何で私が史のパーソナルスペースの1メートル以内に入ろうとするとナチュラルに避けるのに、三枝との距離はいつも50センチくらいとめちゃくちゃ近いわけ???」
「はぁ?・・・・・・いや、同じですよ?丸さんとも寿々さんとも同じ距離です」
「いやいやいやいや、マジ違うから!皆んなそう思ってるよ???」
「皆さんがですか??何言ってるんです?暇ですか?」
そんな会話をしてると寿々が打ち合わせから戻ってきて机に鞄を置くと丸と史の視線に気づき何事かと2人を交互に見比べた。
「へ?・・・何です?俺何かやらかしてる??」
史と丸は暫く睨み合うと同時に席を立ち寿々の隣に並んだ。
「いやマジなんなん?これ??怖いんだが?」
丸は史を睨みつけながら半歩史に歩み寄るとそのまますーっと近づかれた分だけ反対方向に逸れた。
「だから!やっぱり違うっつーの!」
「同じです!」
「本当何やってんのこの人達???助けて篠田さん!」
その様子を見ていた篠田は
「仲良いな~~!!!」
とニコニコと微笑むだけだった。
「本当何してんのこの2人!!怖いが!?」
その後も暫く史のバグったパーソナルスペースについて編集部内では話題になったと言う。