初雪に想いを託せば
『ゆうちゃん、好きだよ』
振り返ればそこにいたはずの彼女は、もうどこにもいなくて。今日も僕は、あの日の正解を探し続けている。
数年前、妹のように思っていた幼馴染みの瀬戸燐華からの告白を拒んだ寺川優斗は、大学生になった今でも時折それを悔やむ日々を送っていた。
心の中に刺さって抜けない小さなトゲは、初雪のちらつく時期になると寒さと共に痛み出す。
そんなある日、優斗は大学内で「ゆうちゃん?」と聞き覚えのある声で呼び止められて……。
※ 本作は軽微な性描写を含みます
『ゆうちゃん、好きだよ』
鈍色の空から初雪がちらつくと、そんな声が聞こえるような気がして。
咄嗟に振り返っても、当然のようにそこには誰もいない。僕になんて関心のない雑踏と、年末商戦に向けてかき鳴らされる陽気な音楽ばかりだった。
そうだ。
彼女は──燐華はもう僕の傍にはいない。
あの日々は、もう終わったんだ。
思い出すのは、遠い日の思い出。
燐華は、いつだって僕の傍にいた。
僕の背中越しに世界を見つめるその瞳は、いつだって不安そうで。だから僕も、いつしかそんな彼女を放っておけなくなっていて。
僕と彼女は、同い年の兄妹のように育ってきた。小学校で知り合ってから、引っ込み思案でクラスの女子はおろか、近所で見かける小さな子にも怯えてしまうような燐華を背中に庇いながら過ごしてきた。
『優斗くん、燐華ちゃんのお兄ちゃんみたい』
『じゃあ優斗くん燐華ちゃん係ね』
『ほら優斗、妹が呼んでるぞ』
そんな風に茶化されることもあったけど、それでも僕は平気だった。それよりも燐華がホッとした顔で笑うのが好きだった。
今にして思えば、両親が仕事で家を空けがちだった僕にとって、燐華が本当に妹のように思えて、家族に求めていた温もりを得られていたのかも知れない。傍目には僕が燐華を助けていても、きっと僕の方がそんな関係を築けていることに救われていたのかも知れない。
だからこそ、中学卒業を控えた冬に燐華から告白されたとき、僕は答えることができなかった。彼女への好意がないわけではなかったけど、それが恋愛としての好意かわからなかったし、何よりもそれまで築き上げてきた心地いい関係が変わってしまうのが怖くて仕方なかった。
だから僕はあの日、燐華の告白を拒んだ。
『ゆうちゃん、好きだよ』
『あぁ、僕もだよ。なんか燐華のこと、ほんとの妹みたいに思えててさ……ずっと、こんな風にいたいよ』
最低だ。
燐華の『好き』の意味が、僕の言ったような意味ではないなんて、あの緊張した顔を見ればわかったことなのに。
僕は、それを真正面から受け止めることすらしなかった。自分の気持ちを主張することの苦手な燐華が、あんなに身体を震わせながら振り絞った勇気だったのに。
答えを聞いた燐華の顔が、みるみる曇っていくのもわかっていた。赤く染まっていた顔から色味が失われて、何か取り繕おうとした口から何の声も出なかったのも、今でも覚えている。
『そっか……、うん。ありがと、ゆうちゃん』
燐華の涙を見たのは、それが最後だった。
それ以降、僕たちはすっかり疎遠になった。進路が分かれることがわかっていた中学の卒業式でも、喉元まで出かかっていた言葉はひとつもかけられなかった。
早めに咲いた桜の花が風に散らされる卒業式の帰り道、ひとりで静かに去っていく燐華の背中に、何か言えたのではないだろうか。後からいくら思っても、それは空しい思考遊びにしかならなくて。
そう、わかっているのに。
もう何年も、僕はそんな思考遊びばかり繰り返している。
「ゆうちゃん?」
だから、大学のキャンパス内で聞こえたこれも記憶のリフレインに違いないと思った。ありもしない幻聴、尽きぬ後悔が呼び起こされただけだ、と。
だから、振り返った先にいた彼女を見たときは本当に驚いたし、それ以上にその変貌ぶりに驚くことになった。
「燐華……だよな?」
思わず、そう尋ねてしまうほどに。
* * * * * * *
「ずいぶん久しぶりだよね」
「あぁ。……元気にしてたか?」
「うん」
「そっか……。…………」
学食に来てから、ずっとこんな調子だった。
どちらかが口を開いては、少し会話が繋がったところでお互いが黙ってしまう──その繰り返しだ。僕も、たぶん燐華も、もしもまた会えたら話したいことは山ほどあっただろうに、いざ対面すると何も話せない。
燐華は、この数年ですっかり変わっていた。
いつもオドオドして小さい子どもみたいだと思っていたけど、今では見た目だけならすっかり垢抜けて、向こうから話しかけられなければこうして同じ席に座るのに気後れしてしまうくらい。
だけどとても綺麗で可愛く、人に尋ねてみたら8、9割は美少女だと言うだろう今の燐華は、あの頃よりも更に深く周囲に怯えているような、何かを窺っているような様子だった。
そんな姿を見たからだろう、つい口走っていた。
「そういや、同じ大学だったんだな。今までよく会わなかったなぁ、ここそんな広いとこでもないのにさ」
「…………、うん」
「もし何かの講義被ったら、一緒に受けるか?」
「やめなよ、そういうの」
え、と声をあげる間もなく。
燐華は勢いよく席を立って、そのまま立ち去ってしまう。すぐに自分の無神経さに気付いて謝ろうとしたが、そこを「ちょいちょいちょい!」という声で止められてしまう。
「……っ、なんだよ秀司、いま大事なとこで、」
「やめとけやめとけ! あの娘はちょっとヤバいんだ」
事情通を気取った口調で僕を押し止めたのは、谷本秀司。大学に入ってすぐ、新歓コンパをふたりで抜け出して近くの祠を壊して回ってから意気投合した、気のいいやつ。
今もそういう口振りで話しているが、確かに秀司は何かと詳しい。同期生が教授を寝取ってその奥さんに報告しただの、別の教授の愛人になっていたOBがその娘に手を出して去勢されただの、どこで聞き付けるんだという話を面白おかしく話してくる。
そんな秀司のいうことだから、まさかと思いながらも訊かずにはいられなかった。
「ヤバいって、何が」
「ったく……ものを知らないやつだな。そんなんじゃこの情報社会に取り残されるぞ? そもそもな、情報を制すものは情報戦を制するって……」
「いいから。頼むから、教えてくれ。何がどうヤバいんだ?」
燐華が『ヤバい』って何だ?
僕の記憶にある燐華は大人しくて、引っ込み思案で、誰かに手を引かれないと寂しそうに立ち止まっているような子で、秀司が聞き付けるような噂なんて立つはずがなかった。
「真剣な目しやがって。ま、そんな優斗だから、俺も一緒に新歓抜け出したんだけどさ」
……気色悪いウィンクと共に、秀司は燐華の『ヤバい』噂に言及した。
「ここってさ、4号棟あるだろ? そうそう、なんか事務室みたいのが集まってるとこ。そこの地下……てかちょい地下?みたいなとこにトイレあるじゃんか。火曜日の夕方……、5時だったかな。それくらいになると、そのトイレにさ……、いるんだよ」
「は?」
今、燐華の話をしてたんだぞ? なんで急に学校の七不思議みたいな話を──
「あんまハッキリ言わせんなって」
なんとなく気まずそうな秀司の態度に、心臓が嫌な跳ね方をする。
そもそも、秀司が耳聡く聞き付ける噂なんていうのは大概が学部生の色恋の話だ。眉唾ものではあるがどこそこのサークルは爛れてるなんていうのも秀司の守備範囲で、確かにそういうサークルにはいい噂がないのも事実で。
……そんな秀司が話す噂に、燐華のものがある?
いや、考えすぎだ。
だって、あの燐華だぞ?
いつも僕の後ろをついてきて、僕の背中越しじゃないと誰かと話すのも四苦八苦していた燐華が秀司の話すような……怪しい噂になるようなことをしているわけない。
それを確かめるために、やめた方がいいという秀司を振り切って噂のトイレにやって来た、次の火曜日。
多目的トイレでしゃがみ込んで、口許にペーパーを当てていた燐華は、僕を見つけて「ゆうちゃんもこういうの興味あったんだ」と暗い笑顔を浮かべていた。その口許は、暖色の仄暗い証明の中で胸騒ぎのするツヤを帯びていて。
「こんなとこで何してんだよ、燐華。ここ、トイレだぞ」
「うん、知ってる。……なに、その顔。ゆうちゃんも何か聞いてここに来たんでしょ? いいよ、今更そんな取り繕わなくても。私わかってるよ、みんなそうだって、わかってる」
「…………っ、」
目眩がした。
いったい何を言ってるんだ、燐華は?
混乱する僕なんて何でもないように「どうするの?」と尋ねてくる燐華の姿が信じられなくて、思わず詰め寄ってしまっていた。
「なぁ燐華、どうしちゃったんだよ? 燐華そんな……だって、本当なのか? 本当に、噂になってるようなこと……」
「はっきり言ってあげようか、毎週いろんな人が来るんだよって? 学生だけじゃなくて教授とかも来るんだよって、言った方がいい? けっこう人気なんだよ、私じゃなくて私のベロとか口がって意味だけど」
そう言いながら、見せつけるように舌を出してみせる燐華の姿に、胸が苦しくなった。
「昔はひとりぼっちだったのに、今じゃみんな血走った目で一生懸命私を見てくれるの。気持ち悪いし、苦くてまずくて喉までヒリヒリするけど、やっぱり拒絶されないのっていいよね」
「やめろよ……」
「別にそんなのいいのに、お金まで置いてく人もいるんだよ。ああ、教授とかだと口止め料も兼ねてるのかな? さっきもどこだっけ……法学部の、」
「やめてくれよ、もういいから!」
自分の『人気ぶり』を語り出す燐華の姿が、昔の燐華を塗り替えていくのに耐えられなくて、僕は彼女の声を遮っていた。
信じたくなかった。
本人の口から語られても、信じられなかった。
「燐華、なぁ、燐華! 違うだろ、燐華そんなやつじゃなかったろ!? 大人しくて、怖がりで、いつも僕の背中にくっ付いてて、」
「その私を引き剥がしたのは、ゆうちゃんだよ」
「……っ」
ずっと悔やんでいたことを、突きつけられる。
胸の奥に刺さった棘で、傷口を広げるように。
「ゆうちゃん、あの日から私の“お兄ちゃん”ですらなくなっちゃったよね。ゆうちゃんに嫌われてからひとりで、それでも必死で頑張ったの、誰かに好きになってもらえる私になろうって頑張ったの! そうしたら彰くんと出会えて!」
誰なんだ、彰って?
それに僕は、嫌いになったんじゃない。
どうしたらいいか、わからなかっただけなんだ。
言いたいことだらけなのに、声が出なかった。
「でもね、わかんなくなっちゃった。彰くんが好きなのはほんとに私なのかなって。だって彰くんと会えたの彰くんがしたくなったときだけだし、それもどんどん減って今じゃ全然だし、それで……もうね、わかんないんだ」
心細そうな声は、昔のままなのに。
「だからね、彰くん以外の『好き』があるのか探してるの。みんな、おんなじだったけど」
自嘲気味な笑顔はあの頃よりもずっと暗く、見ていて胸を締め付けられて。
「ゆうちゃんなら、違うのかな」
その暗く淀んだ目が、僕へと向けられる。居竦まって動けない僕に少しずつにじり寄る燐華の目は、秒刻みで暗く濁っていくようだった。
「ねぇ、ゆうちゃん。ゆうちゃんなら彰くんと違う『好き』がわかるの? それとも、また離ればなれになっちゃう?」
「僕は……」
胸に、ドロドロとした熱いものが芽生えていく。それは、あの日見た燐華の残影と同じ輪郭をしながらヒリつく熱を帯びて、喉奥に焼けた鉄を流し込まれたような感覚で。
息苦しさが頭まで回ってくる。記憶の燐華と重なる、暗い艶を宿した少女を、僕は────
「あァ、その人が『ゆうちゃん』?」
面白がるような声が聞こえたのは、その時だった。
振り返った先には、頑強な骨格を覆うようによく鍛えられた浅黒い体を惜しげもなく晒す薄い──しかし下品にならない程度に整った服装に、自信の張り付いた笑顔、脱色したツーブロックの髪に、見るものの心を奥底まで射抜く一等星の瞳。
胸がざわめくのを感じた。
こいつが……こいつが……!
「彰くん!」
燐華が男に駆け寄り、その岩盤の胸板にしがみつき、そのまま叫びだした……耳を塞ぎたくなるような内容で。
「私っ、私いっぱい練習したよ? いろんな人でいっぱい……! 頑張ったのっ! 今ならきっと他の人たちより彰くんのこと満足させられるから、だから……っ!」
「燐華ちゃんさすがァ♪ でもさ」
彰はそんな燐華を力任せに振りほどき、その勢いで床に倒れた燐華に言い放った。
「前から言ってッけどさ。俺、その『ゆうちゃん』に未練たらたらな燐華ちゃんがよかったのよ。言ったよね、俺他人の女抱くのにしか興味ないって」
「でも、そんなのって……」
「だから俺に惚れた燐華ちゃんは……そう、蛙化ッつーのかな、蛙化。完全ナシなんだわ」
なに笑ってんだよ。
目に涙を浮かべて呆然とする燐華と、それを嘲笑う彰。目の前で起きていることに頭が追い付くのと同時に、焼けるような怒りが芽生えるのがわかった。
自然と、口が開く。
「やめろよ、お前」
「ん?」
「燐華を傷付けること言うな。もう離れろよ、お前がいると燐華はどんどん傷付く」
「あれ、先に傷付けたのは『ゆうちゃん』だった気がしたけどなァ?」
「…………っ!」
「高校ン時知り合ったんけど、燐華ちゃんよく言ってたなァ、大好きだった人から拒絶されて、生きる気がしなくなったって」
「拒絶なんか! 違うんだ、急にあんなこと言われて、どうしたらいいかわからなくて……! 僕だって、僕だってひょっとしたらあの頃から燐華のこと……」
「急なもんかよ、ねェ、燐華ちゃん?」
突然話を振られた燐華が、無言で僕を見つめる。その目は、さっきまでの暗いものではなくて、道を見失って迷っているような、そんな目で。
やはり僕の知っている燐華なのだと、ここにきて確信を持てたような気がした。
「『ひょっとしたら』とか『どうしたらいいか』とかさァ、ずりィね『ゆうちゃん』? ったく、参っちまうな……」
呆れたように僕を笑った後、彰は燐華の前で威圧するように勢いよくしゃがむ。そしてビクッと身を震わせた燐華の頭を掴み、「そんなに言うならさァ」と低い声で囁く。
「手元に置いてやってもいいよ? でも、そしたら道具確定な。だからダチが手荒く使ってもほっとくし、状態よけりゃ希望者募って貸出もしちゃおうかな。いいよね、しつこく付きまとってンのは燐華ちゃんだもんね?」
「え、え……? え、っと……」
「もうやめろよ!」
気付けば僕は、彰から燐華を引き離して、昔そうしていたように背中に庇っていた。戸惑うような声が聞こえたが、構わなかった。
もうたくさんだ。
燐華は僕のことを好きでいたはずなのに、なんでこんなやつに……燐華のことを大事にする気なんて更々ないやつに、なんで好き放題されなきゃいけないんだ!!
「ゆうちゃん……?」
「あの日からずっと考えてたんだ。どう答えるべきだったのか、僕は……、燐華とあんな形で終わりたかったのかって……。でも違う、違うんだよ! 僕は……っ、僕は燐華に側にいてほしかったんだ。でも、僕は……、僕が、臆病だったから……っ」
「ゆうちゃん、泣いてるの?」
僕に触れた手は冷たくて、柔らかくて。
そういえば、昔もこんなことがあったような気がする──もうずっと前の、忘れてしまうような昔にも。そんな前から、一緒だったのに。そんな前から、燐華は僕に手を伸ばしてくれていたのに。僕の方が燐華に救われていたのに。
僕が、離したんだ。
それを思うと、涙が止まらなくて。
「ごめん……ごめんな、燐華。ずっと、僕は……」
「へェ、熱いじゃん」
そんな僕らを嘲るように、彰が口を開く。
どうにかそちらを向くと、彰は軽薄な笑みを浮かべながら悠然とこっちを見ていた。
「いいね、なんか本気って感じ? よかったね燐華ちゃん、『ゆうちゃん』なら本気で燐華ちゃんのこと想ってくれんじゃないかなァ」
どんな意図で言っているかはわからない。
いったい何が目的なんだ、こいつ……?
「俺はさ? 俺は、他人の女にしか興味ないから、もし燐華ちゃんがこっち来たって全然大事にしてやれない。燐華ちゃんが望むような恋人とか無理だけど……ねェ?」
「なんだよ……何なんだよ!」
苛立ちが口から漏れる。
僕らの間に入ってきて、何度も何度も燐華の想いを踏みにじるようなことを言って……!
背中に燐華のしがみつく感触が強くなる。それはそうだ、こんなやつでも燐華は本気で好きだったはずなのに、彰は何度もそれを否定した。面白がるように、嘲笑うように。
僕なら……僕なら、もっと。
自分の中に芽生えた──ようやくそのことに気付いた気持ちのままに、言葉を発する。
「燐華、こんなやつにもう構うな。僕が、……いるから」
「え……、っと、」
「ご挨拶~w ま、『こんなやつ』が全身隈無く調教したから、恋人にすンならもう最高だと思うよ、これ生産者の声ね」
「お前、少し黙れ」
「やだね。だってさァ、選ぶのは『ゆうちゃん』じゃなくて燐華ちゃんだからよォ! だろ、燐華ちゃん!?」
「ひっ──、」
怒鳴り散らす声に、燐華が身を震わせる。
「どっちにするよ、俺か、『ゆうちゃん』か?」
「私……、私……は、」
心細そうな声が、僕の背中から聞こえる。痛いくらい強く背中を掴まれて、そして。
背中越しに、躊躇が伝わる。
早まる鼓動は僕のものなのか、燐華のものか。
一拍、二拍。
時間が凍ったような静寂の後。
か細い声で、聞こえた。
「ゆう……ちゃん」
何かを窺うような声。
しかしそれは確かに、燐華の声で。
少しの沈黙の後、「なるほどね……お幸せにな」と満足げな声とともに彰は立ち去っていった。
拍子抜けするような幕引き。
けど、彰の足音が聞こえなくなった後も、僕は多目的トイレの中で燐華を抱き締めていた。
今更になって、恐怖が込み上げてくる。
情けないな、震えて立てやしない。
そんな僕に「昔の私みたい」と笑う燐華の声こそ、昔のまま優しく聞こえて。
僕たちは、これから取り戻していく。
離れていた時間を、埋めていくんだ。
僕は、信じている。