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スポーツテスト

《人物ファイル》


・名前


 ティア・ルーン


 紅月 瑠璃

 あかつき るり



・誕生日


 10月4日



・血液型


 不明



・趣味


 姉の観賞、姉とのスキンシップ



・特技


 無音追尾(主にこっそり姉に近付く用)、幻術(戦闘用)



・容姿


 夜や純と同じ青い瞳に、肩ほどまでの真っ赤な髪を青いリボンで留めている。同じ歳の人と比べて少し発育不良なのがコンプレックスとなっている。



T 147

B 73

W 54

H 74




 夜、純と血の繋がった妹。あるきっかけで純と夜に恋してしまう。本人曰く、夜よりも純の方が数倍好きらしいが、夜が好きではないというわけでもなく、ましてや他の人には興味すら示さないらしい。

 また、夜や純と違って魔界で育ってきたので、魔力や魔族のことにも詳しく、両親から受け継いだ優れた能力から魔族の間でも有名である。ただ、その分人間界のことには疎い。


「百合?いいえ、私はお姉さまが好きなだけですわ!……シスコン?それを言うならブラコンでもありますわね。」

「一緒に甲子園を目指さないか!?」

「君の華麗なシュートでキーパーを翻弄してみないか?」

「ウチでダンクを量産してくれよ!」


 あ~、いつもの数倍もめんどくさいことになったな…



 さかのぼること、今日の朝。


(スポーツテストで最高点を取れば授業受けなくても済むか?)


『スポーツテストで最高点!?そんなことできるならやってみたら?だいたいそんなことしてどうなっても知らないわよ。』


 このときの俺にはコイツの言っている意味がわかっていなかった。




(スポーツテストって何をするんだ?)


『先生の話を聞いてなかったの?』


(…寝てた。)


『まったく…。種目は50m走、持久走、ハンドボール投げ、長座体前屈、上体起こし、立ち幅跳び、握力、反復横跳び。各種目、測定した数値によって10段階で得点化されて、最終的にその各種目の段階を足し合わせた数値によって今の技能がわかるってわけ。』


(へぇ~。色々とめんどくさいな。)


 うちの班はまず体育館で測定を行っている握力からやることになっていた。


 これって全力でやったら測定器ぶっこわれそうだな…


 とりあえず測定器の最大測定値を越えないよう、そして10段階に届くように調整した。


「紅月すげー!」

「左右両方70kg前後だぜ!」


 次は上体起こしか…


「紅月やろーぜ!」


 上体起こしか…。まぁ、30秒間に45回くらいできれば大丈夫か。


「よーい、はじめ!」


「紅月…おまえそんなに体育好きだったのか?」



 軽く45回できた。逆に最後の方は数あわせのためにゆっくりやる余裕も残せた。


「おーし!俺もおまえみたいに…」



「…30回。なんなんだこの差はあぁ~!」


 次は反復横跳びと…



 30秒間に80回やれば十分か…。床で滑らないように気を付けなきゃな…。



「紅月…おまえスポーツ選手になれ!」


 次は長座体前屈と…



 この種目は他の種目と違って、始める前に柔軟をしておけば記録がかなり伸びるんだよな。


「うわ~…紅月の体柔らかすぎだろ…」


 次はグラウンドで立ち幅跳びっと…



 これは余裕だろうな…。転ばない限り。


「なぁ…紅月。おまえだけ走り幅跳びってことはないよな。」


 次はハンドボール投げっと…



 このハンドボールってイマイチ手に合わないんだけど…。まぁ、力で投げるなら関係ないか。


「そのボールを投げたら記録が劇的に伸びたりするか!?」


 次は50m走っと…



 50mか…。スタートダッシュ苦手なんだよな…。


「あれ?紅月ってスタートダッシュ苦手じゃなかったっけ?」


「バカ!アイツの苦手と俺たちの言ってる苦手とは次元が違うんだよ!」

 ラストが持久走っと…



 何周走ったか覚えとかなきゃな。


「うわ!アイツ、スタート早々ダッシュしてるぜ!」

「あれじゃ絶対もたねーだろ!」




「俺らまだ3周残ってるのに…」

「…」


 よし!オール10段階!これで体育の授業受けなくてもOKかな?


「なぁ、君!野球部に入らないか!?」

「いや、ぜひともサッカー部に!」

「ここはバスケ部に!」


 各運動部の部長と思われる人たちの勧誘が始まった。


 さて、この状況をどうやって打開しようか…。コイツらは部活動の勧誘に来てるんだから…


「もう部活決めてるんで…」


「「「どこ!?」」」


 ヤバイ…。もっとめんどくさいことになってしまった。


 部に入る気なんてさらさらなかった。しかしこうなってしまった以上は入らなきゃダメだよなぁ…。


『どうするの?』


(…)


『だからどうなっても知らないって言ったのに。』


(あぁ~!あれはそういう意味だったのか!)


『今頃気付いたの!?』


(そういうのってハッキリ言ってくれよ。)


『で、どこにするの?』


(ん~…)


『はぁ…。どうせやるんだったら自分のためになるとこにすれば?』


(自分のためかぁ…)


 周りをぐるっと見回して自分のためになりそうな部を探した。


 部活で少しは魔族に襲われても対処できるようになるか…?


(なぁ…剣道ってどうかな?)


『やりたいものをやればいいじゃない。』


 あれ?この学校って剣道部あったっけ?


「この学校に剣道部ってある?」


「剣道部?確か剣道場で活動やってるらしいけど。あそこはあんまり部員いないし入るなら俺たちの部活の方がいいぜ!」


 剣道場ねぇ…。どこだ?


「それじゃ!」


 小さなすき間を通ってどうにか勧誘軍団を脱け出した。

純「だから、どうなっても知らないって言ったのに。」


夜「回りくどい言い方するなよ…」


純「そんなことにも気をかけないあんたが悪いの!」


ティア「お姉さま、お兄さまにそんな先のことを見通すことなんてできると思っていますの?」


純「…無理ね。」


ティア「でしたら、優しく教えて差し上げることも大切だと思いますわ。」


純「う~ん、そうね…」


夜「おまえらな…」


ティア「そして、私ももっとお姉さまに優しくしてもらいたいですわ!」


純「無理ね。」


ティア「おね~さまぁ~…」


夜「…俺がいる意味もなさそうだな…」

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