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平凡はチートと出会う  作者: 花詠 眠
8/8

吸血鬼VS神に近い者たち①


「セト。起きて。」

「・・・うん?」


僕は体を揺らされて目が覚める。

目をこすって声の主を見ると、アキの顔が見えた。

不思議に思いながら僕は起き上がる。


「アキ・・・どうしたの?まだ夜だよね?」

「うん・・・・・吸血鬼が来た。」

「えっ。」


アキはよっ、と言いながらハンモックから降りる。


「ここら辺は戦場にならないからそこにいても大丈夫だよ~。別についてきてもいいけど、どうする?興味はあるでしょ?」

「・・・僕がついていっても大丈夫なの?」

「うん。私が守るからね・・・・・・面白いものが見れるよ?」


アキがニヤッと笑う。

僕はその言葉を聞いて決心する。


「行く。」


僕もハンモックから降りてアキの隣に立つ。


「誘った私が言うのもアレだけど、本当にいいの?」

「うん。吸血鬼は見たことないからね。」

「セトって案外イカレてるよね。」


アキは迷わないようにと手を握って歩き出す。

・・・・・完全に子ども扱いだ。

真夜中の森はとても暗く、僕の視力ではアキの姿を捉えるだけで精一杯だ。

風も吹いていないのか無音だ。

しかしアキは、迷うことなく進んでいく。


「どこに向かってるの?」

「ん~?恐らく吸血鬼の中で一番強いやつのところ。」

「え゛」

「ほらアイツ。」


少し開けたところに出ると、黒いマントを着た背の高い男性がいた。

マントの中は柚葉色の服。できるだけ目立たないようにしているみたいだ。

ウェーブがかった黒髪に金色の目。口には牙。


(吸血鬼・・・!)


男は僕たちに警戒してこちらを見ている。


「はいは~い。お兄さん。こんなところでどうしたんですか?」


しかしアキはまるで友人のように話しかけた。

男は怪訝な顔をしながらも警戒を解かない。

僕はアキが何を考えているのか分からず困惑した。


「・・・・・君こそ、どうしたんだ。見たところ人間の子供のようだが。」

「私達捨てられたんですよ。この森に。で、そっからここで暮らしているんです。お兄さんは?」

「・・・・・そうか。私は用事がある。だからここに来た。これで失礼さ」

「させませんよ?」


アキがニッコリと笑う。

男が眉をひそめた。


「用事。それはこの森の''宝''にですよね?残念だけど・・・この森にそんなものはない。」

「・・・・・それは私の目で見て判断する。」

「頑固だねえ・・・仕方ないから。」


アキの手元に金色の粉のようなものが集まる。

それが段々と刀のような形を形成すると・・・・・刀となって顕現する。


「力で分かってもらいます。」

「・・・・・やはりただ者ではないな。」

「セト。下がってな。」

「・・・うん。分かった。」


僕は近くの木の後ろにまで下がる。

男をマントを取る。


「私は最高位吸血鬼。''五色の魔法使い''。ルクイ・・・・・ただのルクイだ。」

「そう。じゃあ、私は不思議な子供。そうだな・・・''永遠の自由人''。鳥山アキ。」

「押し通らせてもらう。」

「楽しませてくれることを期待するね。」


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