吸血鬼VS神に近い者たち①
「セト。起きて。」
「・・・うん?」
僕は体を揺らされて目が覚める。
目をこすって声の主を見ると、アキの顔が見えた。
不思議に思いながら僕は起き上がる。
「アキ・・・どうしたの?まだ夜だよね?」
「うん・・・・・吸血鬼が来た。」
「えっ。」
アキはよっ、と言いながらハンモックから降りる。
「ここら辺は戦場にならないからそこにいても大丈夫だよ~。別についてきてもいいけど、どうする?興味はあるでしょ?」
「・・・僕がついていっても大丈夫なの?」
「うん。私が守るからね・・・・・・面白いものが見れるよ?」
アキがニヤッと笑う。
僕はその言葉を聞いて決心する。
「行く。」
僕もハンモックから降りてアキの隣に立つ。
「誘った私が言うのもアレだけど、本当にいいの?」
「うん。吸血鬼は見たことないからね。」
「セトって案外イカレてるよね。」
アキは迷わないようにと手を握って歩き出す。
・・・・・完全に子ども扱いだ。
真夜中の森はとても暗く、僕の視力ではアキの姿を捉えるだけで精一杯だ。
風も吹いていないのか無音だ。
しかしアキは、迷うことなく進んでいく。
「どこに向かってるの?」
「ん~?恐らく吸血鬼の中で一番強いやつのところ。」
「え゛」
「ほらアイツ。」
少し開けたところに出ると、黒いマントを着た背の高い男性がいた。
マントの中は柚葉色の服。できるだけ目立たないようにしているみたいだ。
ウェーブがかった黒髪に金色の目。口には牙。
(吸血鬼・・・!)
男は僕たちに警戒してこちらを見ている。
「はいは~い。お兄さん。こんなところでどうしたんですか?」
しかしアキはまるで友人のように話しかけた。
男は怪訝な顔をしながらも警戒を解かない。
僕はアキが何を考えているのか分からず困惑した。
「・・・・・君こそ、どうしたんだ。見たところ人間の子供のようだが。」
「私達捨てられたんですよ。この森に。で、そっからここで暮らしているんです。お兄さんは?」
「・・・・・そうか。私は用事がある。だからここに来た。これで失礼さ」
「させませんよ?」
アキがニッコリと笑う。
男が眉をひそめた。
「用事。それはこの森の''宝''にですよね?残念だけど・・・この森にそんなものはない。」
「・・・・・それは私の目で見て判断する。」
「頑固だねえ・・・仕方ないから。」
アキの手元に金色の粉のようなものが集まる。
それが段々と刀のような形を形成すると・・・・・刀となって顕現する。
「力で分かってもらいます。」
「・・・・・やはりただ者ではないな。」
「セト。下がってな。」
「・・・うん。分かった。」
僕は近くの木の後ろにまで下がる。
男をマントを取る。
「私は最高位吸血鬼。''五色の魔法使い''。ルクイ・・・・・ただのルクイだ。」
「そう。じゃあ、私は不思議な子供。そうだな・・・''永遠の自由人''。鳥山アキ。」
「押し通らせてもらう。」
「楽しませてくれることを期待するね。」




