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平凡はチートと出会う  作者: 花詠 眠
6/8

グモールの森⑤


その後、まだ!!!と叫ぶアキを制してウサギを放し、寝るために解散となる。

僕はハンモックに乗ってみる。

ツルを編み込んだ簡単なものだが、寝転んでみると気持ちいい。

すぐに寝れそうで安心した。


「セト。全然落ち着いてないね。どうしたの?」


アキがハンモックから覗いてくる。

僕はそわそわしていたことがバレて、いたたまれない気持ちになった。


(アキが七芒星で一番強いって聞いただけなのに・・・・・なんだか落ち着かないな・・・・・)


「私が何も言わないから拗ねた?」

「・・・・・いや、そんなことじゃない・・・と思う。」

「・・・セトって人と接したことないからその感情が分かんないんだね。」

「そうなのかな?」


そう答えると、アキが苦笑いしながら頭を撫でてきた。


「セトは知識はあるけど、感情とかはまだ子供だね。アキは安心しましたよ・・・」


アキが涙を拭うように右手を動かすが、アキの頬に涙は流れていない。

僕は自分が子ども扱いされてると分かると、恥ずかしくなってアキの手を払う。

アキはその様子見てニヤニヤ笑う。


(こういうところは質が悪いんだよなあ・・・・・・)


「そんなセトに私が教えてあげましょう。その感情は''不安''と''恐怖''です。」

「不安と恐怖?」

「私という、動きや考えの分からないジョーカーが手元にいることが怖い・・・あ、自分で言ってて悲しくなってきた・・・コホン。ま、簡単に言えばそうなる。」

「そうなの?」

「多分ね。」

「たぶん・・・・・」

「あと、吸血鬼との戦争になるかもしれないっていう不安。」


僕は改めて思う。

なんで吸血鬼との戦争に巻き込まれているんだろう。


「安心しなって。どんな奴が来ても大丈夫だから!」

「本当に?」

「ホント・・・・・あ、でも私は本気出さないからな~」

「え。」

「最高位とは楽しい戦いができそう。」


ニヤリと笑うアキに僕は面食らった。

アキは自分のハンモックに戻り空を見る。

僕も釣られて空を見ると、


「わあ・・・・・」


満天の星空が見えた。


「話を戻すけど、私を怖がるのも無理ないよ。初めて包丁を握ったときと同じだ。その包丁に怯えるのが普通。その包丁を扱えるようにするには、慣れるか包丁のことをよく知らないとね。」


アキが笑う。

僕はその言葉の意味を理解して、笑う。


「これからよろしく。」

「こっちらこそ!」


握手をした。

今日、初めてアキという人物の整理がついた気がする。


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