第三十四話
あーもう! キリがない! 更にはハイオークにオークジェネラルなんて! 兎に角、急げ! ベイル、リコ、トール!
剣を構え、襲ってくるオークをバッタバッタと斬り倒す。
あっ、剣に刃こぼれが‥‥‥あっ、とうとう折れた。
「おい! まだか?!」
ベイル「も、もう少し! このもきゅもきゅ? で最後!」
リノ「怪我が酷いわ、このもきゅもきゅ。私が回復魔法をかけるわね。回復小しか使えないけど」
トール「頼むリノ、小でも必要だ。というか、使えるだけ凄い事だろ。よし、切れたぞ!」
「「「「「「もっきゅ、もっきゅ!!」」」」」
「わふーーーん!」
既に助けられた、他のもきゅもきゅ達に抱えられ、一番怪我の酷いもきゅもきゅが助けられた。
よし。後はここから脱出‥‥‥できるかな。
ベイル「って、リアン兄! か、囲まれてるーー!!」
リノ「きゃあーーー!!」
トール「死ぬ前に、リノとチューの一つでもしたかったぁーー!!」
ベイル・リノ「えっ??!!」
「「「「「「もきゅーーー!!」」」」」
「こら、あきらめんな!」と言いつつも、マジでヤバイ状況だ。
これは‥‥どうしよう。残念な事に、俺は、異世界転生ものの、俺TUeeeじゃないんだよねぇー。弱くはない。だけど、無双みたいな強さは無い。残念ながら‥‥‥。一対一なら、ハイオークにも、オークジェネラルにも負けないが、さすがにこの数は‥‥。
これ‥‥‥もしかして死んだ? ‥‥‥いや、こんな終わりは、
こんな終わり方、認めるか! だって‥‥だって、まだ。シスターと結婚してないんだ! 死ぬなら、シスターと結婚して、幸せな家庭を築いて、孫、ひ孫に看取られながら、ベッドの上で死にたい。
「‥‥‥‥‥こんな所で、死んでたまるかぁーーー!!!」
「「「「「ブヒッ??」」」」」
がむしゃらに斧を振り回して、オークの頭をかち割っていく。
返り血を浴び、鬼気迫る形相でオークを倒すその光景は、まるで『バーサーカー』狂戦士のようであった。
しかし、そんな無茶な闘い方が、長続きする訳もなく。
「はあ、はあ、はあ。くそっ、ここまでか」
数で圧倒するオークに、段々と追い詰められていく。
ベイル「リアン兄! どうすんのこれ?!」
リノ「‥‥‥ここまでなの」
トール「リノ、死ぬ前に言っておきたい。好きだぁーー!! 付き合ってくれーー!!」
リノ「トール‥‥‥ごめん。タイプじゃないの」
トール「ぐはっ!!」
「お前ら、こんな状況で以外と余裕だな」
ベイル「リアン兄こそ、落ち着いてないでどうかして!!」
「落ち着いてないっつうの!」半分、諦めかけてるだけだ。
くそっ。これで終わりなのか? 短い人生だった‥‥‥。
「グオォォォォァァァァァァア!!!」
「「「「「「?!」」」」」」
短い人生だったと、諦めかけたその時だった。突然、森に凄まじい鳴き声が響いた。それは、轟音とも言える程の規模で、空気が少し揺れるのを感じた程だった。
ベイル「なっ、何?! リアン兄!! 今の何?!」
「あの鳴き声は‥‥‥おいおい、まさか」
リノ「何?! 心辺りあるのリアン兄!!」
トール「オークだけじゃなく、さらなる怪物? 終わった」
「アホ! これはチャンスだ! 見ろ、オーク達がビビって動きが鈍ってる」
「「「つまり?」」」
「今が逃げ時って事だ! 走れ!」
オークに包囲されていたが、オークの少ない箇所を突き破り、全力で走って逃げた。兎に角、あの鳴き声の主はヤバイのだ。
「走れ! 兎に角走れ! もきゅもきゅ達も頑張れ! 黒丸、ちゃんと着いてこいよ!」
ベイル「い、い息が‥‥‥」
リノ「あ、あ足がもう‥‥‥」
トール「はあ、はあ、はあ、」
「わっふ、わっふ」
「「「「「もっ、もっ、もっ、もっ、もっ」」」」」」
後方からバキバキっと、木々が倒れる音と。オーク達の叫び声が聞こえた。鳴き声の主は、オーク達を襲っている様子で、俺達はそのおかげで振り切る事ができ、命拾いした。
「はあ、はあ、はあ。ちょ、ちょっと休もう」
ベイル「し、死ぬ」
リノ「もう、無理」
トール「いっそ、殺せ」
「わふーー」
「「「「「「もきゅう」」」」」
助かったのに、殺せってなんだ。それにしても、なんで奴が?
オークに刺激されて? いやいや、ここ最近は大人しく寝てばかりだった筈なんだが? 兎に角、考えるのは後だ。今は、息を整えよう。
木にもたれて、俺は一息いれる。黒丸も、さすがに息があがっている。もきゅもきゅ達も、かなりこたえたようだ。
ベイル「はあーー。‥‥‥リアン兄、さっきのアレ、なんなの?」
リノ「ふうーー。あんなのこの森に居るなんて聞いてないわよ」
トール「冒険者ギルドの方でも、あんな情報なかったと思うけど」
「‥‥‥あーーーっと、なーーー。あれは‥‥‥地竜だ」
「「「はいーーーーー??!!」」」




