第三十二話
「これは‥‥宴? の真っ最中だな」
黒丸と、チビもきゅもきゅ達の後を追いかけた結果。
オーク達が集う、宴らしき現場にたどり着いた。現在、その様子を隠れて見ている。
「宴というより、サバトだろコレ」
異様な薄気味悪い宴に、少し不安になる。この、チビもきゅもきゅ達の仲間‥‥或いは家族は無事だろうか?
「「もきゅきゅ」」と小さくチビもきゅもきゅ達が鳴き、指をさして何かを訴える。
「どうした? ‥‥ん? あ、あれは‥‥」
「「‥‥もきゅー」」
その指さす先には、もきゅもきゅくらいの大きさのもきゅもきゅ達が四人。張り付けにされていた。
「何て事を‥‥。はっ! 動いてる? まだ、生きてる!」
張り付けにされていたが、まだ生きてはいるようだ。時よりビクッと動き、オーク達に怯えていた。
「助けないとな‥‥。ただ、オークの数が多い」
確認出来るだけでも、二十体以上は居る。さすがに、一人ではキツイ。それに、チビ達と黒丸が一緒だし。それに、捕まってるもきゅもきゅ達を守りながらは大変だ。
いっそ、俺が囮になってここから引き離すか? その間に、チビ達に助けさせて‥‥さすがに無理か? なら‥‥うーーーーん。
作戦が決まらずに悩んでいると。何やら気配が‥‥。それも、何やら懐かしい。
「ん? ‥‥‥‥あれ? あれって‥‥」
気配がする方を見ると。其処には、三人の冒険者らしき者達がオークの様子を伺っていた。
???「おい。かなりの数だぞ」
???「何でこんなにオークがいんのよ。そもそも、この辺りはオークはあまり居ない筈でしょ? ねぇ、何で?」
???「知りませんよ。大体、この辺はリアン兄の家の近‥」
「動くな」
???「「「‥‥‥」」」
謎の少年少女三人組の背後から、突然現れた俺によって、口を塞がれ身動きを封じられる三人。
「よう、久しぶりだな三人共」
???「「「ふごご?!」」」(リアン兄?!)
この三人、俺の知り合いで‥‥つまり、同じ孤児院の出身者達なのだ。
「うっす! 久しぶり。何やってんだ? お前達?」
???「「「それはこっちのセリフだよ。リアン兄」」」
手を離すと、三人は同時に言った。うんうん。相変わらず、息はピッタリだな。仲が良くて大変結構! とは言えだ。
「お前らな、ちゃんと背後にも気を配れって教えただろ。
隙だらけだったぞ、ベイル、リノ、トール」
ベイル「いやいや。気配を消したリアン兄に気づくとか、かなり無理だから」
リノ「そうそう。隠れんぼしたら絶対見つからなかったし」
トール「うんうん。絶対無理」
「そうだったか?」と俺は頭をぽりぽり掻きながら、昔を思い出す。いや、そんな事はどうでもいいから、お前達は何でここにいんの?
ベイル「へっ? 何でって‥‥そりゃあー、勿論。冒険者の依頼で」
リコ「依頼内容は、ホーンラビット三匹の討伐だったんだけど。
こんな状況に遭遇しちゃって」
トール「どうしようか迷ってたと言うか」
ふむ。兎に角、冒険者としてちゃんと仕事してるってのが分かって、俺としては安心したが。ただ、オークの巣窟に何で居る?
危ないだろうが!
ベイル「いやー、情報を収集して帰ろうかと思ったんだけど‥」
リノ「帰るに帰れなくなったと言うか‥‥」
トール「囲まれて離脱出来なくなっちゃって」
「この、馬鹿たれ。俺じゃなかったら死んでたぞ」
「「「うーー、ごめんなさい」」」
はあーー。まだ、駆け出し冒険者だから仕方ないか。
ベイル「所でリアン兄」
「ん? なんだ」
「「「その、モコモコした毛玉は何?」」」
三人は、俺の後ろにいたチビもきゅもきゅ達に視線をやる。
三人が怖いのか、チビもきゅもきゅ達は俺の後ろから顔を覗かせていた。
「えーと、この子達はチビもきゅだ」
「「「チビもきゅ??」」」
「そう、チビもきゅ」
「「もきゅ?」」
リノ「かわいい! 超かわいい!」
「「もきゃ!」」
リノの声にびっくりして、チビもきゅ達はより一層隠れる。
「大丈夫。こいつらは何もしないよ」と声をかけて撫でやる。すると、チビもきゅ達は再び顔を出した。あっ、そうだ。三人が居るなら何とかなるな。
「お前達丁度よかった。オークを狩るから手伝え」
「「「はいはい。‥‥‥って、えぇーーー!!」」」




