第二十七話
五人がやって来た次の日。朝から忙しく働いている。
夏野菜に、夏の果物類の収穫の最盛期なのだ。
彼女達も、それなりに働いてくれている。
ロナ「‥‥よいしょっと」
メレーネ「へぇ、こんな果物まで‥‥」
エリシャ「ふぁーーあ。皆さん頑張りますわね」
リコナ「いや、貴女も頑張りなさいよエリシャ」
フィオナ「ロナこっちを手伝ってもらえる?」
五人共、それなりに農作業はしてくれる。一番驚いたのは、エリシャさ、エリシャも手伝っている事だ。見た目、お嬢様にしか見えないのに、以外と頑張って‥‥たまにサボってるな。まあ、程々にやってくれている。
リコナ「あら、リアン様。どうかしましたか? もしかして、汗を流しながら頑張る私に欲情でも?」
「してません! ‥‥以外とみんな、農作業出来るんだなと思って」
メレーネ「出来ますよ。いくら村長や大地主の孫だからって、何もせずに育った訳ではありませんから」
「そりゃ、そうか」
リコナ「一人そんな人も、居ない事もないですが」
エリシャ「あら、リコナ。それって私の事かしら? 私だって、多少なりともですね」
メレーネ「エリシャのお父さんって、貴族の庶子なんでしょう?
エリシャ自身、貴族の娘の様に躾けられた聞きましたが?」
エリシャ「あくまで、その様にです。私を貴族のお嫁にと、そう考えてもいたらしいですから。ですが、私はもうリアン様の所有物ですから」
いや、所有物って‥‥それに、様を付けるのやめてほしい。
何故か急に、朝から様付になった。何かあったのかな?
フィオナ「貴女達! 喋ってないで手を動かす!」
「「「はーーーい」」」
ロナ「フィー、はいこれ」
フィオナ「ロナ、ありがとう」
以外と上手くまとまっている? フィオナを筆頭に、テキパキとこなしていく五人。やはり人手が多いと楽だ。
イルゼさんは病み上がりで、まだ、そこまで動けない。
それ最近‥‥もきゅもきゅは、うちに来ていない。何故かと言うと、行き倒れのイルゼさんと、リルちゃんを助けた事が起因する。
目の前におっきな毛もじゃが現れたら‥‥さすがにビックリするだろう。なので、暫くもきゅもきゅには遠慮してもらっている。
作物はお裾分けしているので、問題は無い。無いが‥‥久しぶりに、もきゅもきゅに会いたいな。そう思っていた矢先、彼女達五人がやって来るし。
いずれは、もきゅもきゅを紹介するつもりではいるけど。もう少し先だろうな。
リル「くりょまりゅ、まちぇーー」
「ひゃんひゃん!」
リルちゃんと黒丸が、仲良く追いかけっこをして遊んでいる。
‥‥リルちゃんなら、直ぐにもきゅもきゅと仲良くなると思うけど。イルゼさんや他の子達はなぁー。驚くよな絶対。
リル「くりょろまりゅ、どこゆきゅのー?」
「ひゃんひゃん!」
黒丸が走って何処かへ行ってしまう。リルちゃんは追いつけず、立ち尽くしていた。
リル「うー、くりょまりゅ‥‥ひっく、ひん、うわーーん」
置いてけぼりにされて、リルちゃんは泣きだしてしまった。
イルゼ「もう、リルったら。大丈夫よ、黒丸ちゃんは直ぐ戻ってくるわよ」
リル「うーーん、ひっく、ひん、くりょ‥まりゅ」
よしよしと、イルゼさんが抱っこしてリルちゃんを慰める。
ロナ、メレーネ、エリシャ、リコナ、フィオナの五人も、リルちゃんをあやして慰めようとする。
ロナ「だ、大丈夫だよリルちゃん」
メレーネ「えぇ、直ぐ戻ってくるわ」
エリシャ「ほら、お鼻ちーんして」
リコナ「泣きべそリルちゃんもかわいい」
フィオナ「泣きべそ言わないのリコナ。リルちゃんは強い子よね。
だから、もう泣かないてね」
「‥‥ゔん」と、鼻水を垂らしながら、力強く頷くリルちゃん。
うん。リルちゃんは強い子だ。それにしても、黒丸の奴‥何処に? あっ、あっちって確か、もきゅもきゅが最初に来た所だよな? もしかして、もきゅもきゅが来たのか?
気になった俺は、畑仕事を一旦中断して、黒丸の後を追ってみることにした。
「まさか、良くない事が起きたりしないよな?」と一抹の不安がよぎりつつ、黒丸の元へ急いだ。




