17 帰還
『システマ』転送で、一気にエルサニア王都へ。
着いたのは、ミスキさんの家の『システマ』着陸用広場、
つまりは、モノカ邸の真ん前。
「おかえりっ」
飛びついてきたモノカから、ぎゅっと、ハグ。
みんなが見てるけど、それもまた、うれしいのです。
「皆さん、ご無事で何よりでした」
えーと、フナエさんの優しいまなざしだけは、保護者目線チックなので、なんと言いますか、照れるのです……
「はい、みんな、おじゃま虫禁止、ですよ」
「「「ハイッ」」」
チームミスキの皆さん、本当にお世話になりました。
「私たちも、おじゃま虫、ですねっ」
「しょうがないって。 『恋する乙女モード』のモノカは無敵なんだからっ」
「妹ちゃんは準備万端なので、ご自由に、なの」
「ハルシャちゃん、またねっ」
チームモノカの皆さん、すみません。
ちょっとだけ、モノカを借りていきますね。
「 『恋する乙女モード』のモノカ、尊いっ」
「いや、ネルコくんだって、眼鏡ガードの運用次第でよりどりみどりだろうに」
「まあ、はしたないですよ、クロ。 ネルコさんは、よりどりみどりよりも、ひとりの運命の人、ですよね」
えーと、ネルコさんたちも、ありがとうございました。
あと、ハルシャちゃんやマクラちゃんの前で、あまりその手の話題は……
「置いていくぞ、カミス!」
待ってよ、シスカ。
って、みんなが乗っているのは、
あれがシジミさんの新しい妹で僕たちの幌馬車、
スマキ3号!
僕たちがジオーネに行っているあいだにアリシエラさんが用意してくれていた、
チームカミス専用幌馬車、スマキ3号。
元気で優しそうな魔導馬さんが二頭、
そして、ほれぼれするような幌馬車っぷり。
幌にはもちろんネコさんマーク!
は、まだ描かれてなかったです。
「それぞれのチームが、自分たちで描くんだよ」
モノカも、うれしそう。
「じゃ、マークは後でみんなと相談しながら、かな」
「カミスパパもモノカママも、早くっ、行こっ」
ハルシャちゃんだけじゃない、みんなが待ちきれない様子。
それじゃ、御者席に乗り込んでっと。
ごめんねモノカ、隣でいろいろ教えてください。
「それじゃ、チームカミス、スマキ3号、発進!」




