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クリスが通信魔導具でモノカに連絡したのは、ササエさんがお茶の準備をしてくれていた時だから、本当についさっき。
襲撃のことを聞いて大慌て状態のモノカを、ミスキさんたちが『システマ』超特急で連れてきてくれたそうです。
お礼を言いたかったけど、今回の残党関連で急ぎの仕事が入ったとかで、『システマ』はモノカを置いてトンボ返りで帰還、とのこと。
チームミスキの皆さん、本当にありがとうございました。
泣きじゃくっていたモノカが、ようやく落ち着いてくれたみたい。
って、抱きついて立ったまま寝ちゃってるんだけどっ、
「特使勇者としても、乙女としても、いつも全力で一生懸命」
「本当に素敵な方なのですね」
本当にそうだよね、エルミナ。
って、起きてたのっ。
「あの安心しきった寝顔を守ることこそ、騎士の務め、だな」
守れるよう僕も頑張るよ、シスカ。
って、できればモノカを運ぶのに手を貸してほしいな。
「モノカお姉さまをお姫さま抱っこ出来るまたとない好機、今回は涙を飲んでカミスに譲りましょう」
僕にできるかな、クリス。
って、お姫さま抱っこなんて僕にはまだ無理だって。
「カミスパパ、頑張れっ」
ありがと、ハルシャちゃん。
って、子供は見ちゃいけませんっ。
「なぜか朝のご挨拶がおはようではなくてごちそうさま、なのですよ、クロ」
「カミス君のセリフはいただきます、で良いと思うよ、ササエ」
ぴたりと寄り添うおふたりこそ、本当にごちそうさまです。
って、ハルシャちゃんの前なんだから自重してくださいよぅ。
「特使勇者モノカさん、流石は噂に違わぬ『可憐なる闘神』」
「やはり乙女のお目覚めには、王子様の口づけが」
もしもしシェルカさん、なんだかキャラが変わってきていますよ。
分かりました。
任せてくださいっ。
みんなの期待に応えることこそ、
チームカミスのリーダーの務め。
僕だって、ちゃんと鍛えてきたんだからねっ。
せーの、




