11 秘密
僕の覚悟が試される前に、
緊急事態は無事収拾。
我が家の無双乙女三人が、完全制圧してくれました。
侵入者の覆面男三人は、かろうじて、生存。
容赦なし、だけど、今回ばかりは、ね。
無双乙女三人、一同、怪我はなし。
みんな無事で、本当に良かった。
ギルドへの通報後、すぐに『転送』で駆けつけて来てくれたのは、巡回司法官のルシェリさんたち。
「皆さま、お怪我が無くてなによりでした」
本当にありがとうございます、ルシェリさん。
「いいえ、こちらの不手際で残党を見逃してしまったこと、真に申し訳なく……」
残党?
「あの覆面たちは、先だっての戦争屋とか言う悪漢一味の残党でした」
うわっ。
「先ほど『深層自白剤』にて確認致しましたので、残る残党たちもすぐに捕縛されることでしょう」
ちらっとクロ先生を見たら、目をそらされちゃいました。
……ありがとう、クロ先生。
「実はこの館の地下には、戦争屋を取り仕切っていた幹部の中でもごく一部の者しか知らない極秘の部屋があったそうなのです」
極秘部屋……
「部屋には特殊な転送装置が用意されていて、いざという時の脱出用だったそうです」
もしかして、そこから侵入……
「ところが、あの討伐戦の際、なぜか装置が作動しなかったそうなのです」
そういえば、アリシエラさんから聞いたことがあるかも。
転送魔導車『システマ』は、稼働中は超強力でかなり広範囲な『転送』阻害結界を張っているとか。
複数ある転送事故防止策のひとつで、『システマ』以外の転送物体との衝突事故を避けるため、だったかな。
それで館の脱出装置が作動しなかった、と。
「残党たちは、どうしても回収したいものがあったそうなのです」
回収?
「これまでの悪事で溜め込んでいた財宝で、組織を復活させる活動資金にしようとしていたとか」
復活……
「移動不可能な特別製『収納』金庫に、一度では運び出せない量の財宝が入っていて、カミスさんたちに気付かれないようにこっそりと運び出そうとしたそうなのです」
もともと館に備え付けられていた『転送』阻害結界はスルーできたけど、
アリシエラさんの高感度探査魔導具に、まんまと引っかかった、と。
「隠し部屋にあった特殊な転送装置は現在技術班が解析中ですので、処理作業が終了次第撤去いたします」
他にも秘密の部屋とか無いか、念入りな確認、お願いします。
「本当にご迷惑をおかけしてしまって……」
いえ、いつも本当に、お仕事ご苦労さまです。
「なにかお気付きの点がございましたら、いつでもご連絡ください」
そういえば、今日はリシェルさんは?
「……妹は、その、具合が思わしくなく……」
大変だっ、すぐにクロ先生に診察を、
「いえ、その、それについてなのですが、後ほどカミスさんのお力をお借りしたく……」
僕の?
「出来れば、妹の件については、御内密に……」
分かりました。
みんなには内緒にしておきますので、僕にできることなら何なりと。
「ありがとうございます」
「それでは、失礼致します」
お大事に。




