聖刃7 新たなる町へ 鍛冶師の楽園べリアル ③
百話記念は地獄の全キャラステータス載せ。
………へっ、へへ…俺、どうかしちまったのかな。
だって、これをここに書いちまったら…逃げられねえのによ…へへっ(血涙流しながら)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
とある荒野。
相対す剣士が2人。
とは言っても、戦いにならないほど一方的だったが。
「甘い甘い。その程度で俺に挑んだのかよ?」
「ぐっ、おおあっ!?」
一人は、全身を竜鱗で出来た深紅の鎧につつみ、金髪、赤い目をした男。
もう一人は、青髪金眼で目立った汚れのない新品の革鎧を装備した男。
「まだ、だぁっ!」
「お?根性だけはあるようだな。でも、無駄無駄。お前なんか、――スラッシュ。これだけで十分さ」
「がっ…は…!?」
不意を突いて立ち上がり、片手剣を金髪男の腹に突き刺そうとした青髪だったが、初歩である剣術スキルであっさりと打ち破られる。
「くっそ…がぁ…!」
「はん!俺に一撃受けさせる事すら出来なかった正真正銘の糞が何をほざきやがる」
「ちく…しょう…!」
意識の途切れる寸前、地面を強く殴り…そのまま気絶した。
「ケッ、これしか持ってねえのかよ。湿気てんなぁ…」
有り金だけ抜いて奪い、金髪の男は荒野を去った。
何事もなかったかのように。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「フレア・ドライブ――――!」
「蒼壁」
「チッ!!!」
空中で突如、道のように発火したそれに沿った軌道で聖剣が剣豪男の首を狙うが、蒼壁に阻まれる。
「トリプル・スラストォッ―――!」
「くっ、聖光!」
「蒼壁ッ!」
「なあぁッ!?」
「――――チッ」
「………あっぶねぇ」
突き技の三連撃をホーリー・ライトで目眩ましと直撃のダメージを与えたかったが防がれてしまった。
まさか、スキル発動中に間に合わせるとは。
しかし、聖壁を事前に発動させて置いたおかげで助かった。
ホッと息をつく暇もなく、距離を開けるどころかもっと詰めて刺突を放つ剣豪男。
(………ジリ貧、どころか時間かけるとマジで死ぬ…っ!)
ここまで死を意識させられたのは…あの、始祖の血を引く吸血鬼だけだ。
あの吸血鬼、噂じゃワイバーンの群れも討伐隊も退けたらしい。
いや、正確には騎士団長はやられたが副団長が取り逃がした…んだったか?
しかも、最近まで失われていると思われていた転移魔法まで使えるらしい。
それが本当なら、かなりヤバイ。
(話が逸れた…っ!?)
刺突は聖壁と相殺。
つまり破壊された。
そして、何故か唐突に距離をとる剣豪男。
(何を……まさかっ!?)
「ドラゴン・スクラッチッッッ!」
「ホーリー・スラッシュゥゥ――――!」
竜の爪撃。
三本の剣の衝撃を地面に沿って飛ばす技。
その名の通り素人が使えたとしたら、それでも鉄の塊すら切り刻むほどの威力。
ジャンプすりゃ良いじゃんって?
めちゃ早いから足が地面から少し離れただけで普通に切り刻まれるよ。
三本の衝撃波と青白い剣撃が交差し、爆発する。
「うおおおおおおおおおおッ!」
「―――――悪い。そりゃ、囮だな。ガハハ!」
「っっっぐあ」
豪快な笑い声が、意識の途切れる寸前に聞こえた。
◇◆◇ アイシャ視点
「スラッシュ!」
「ウォーター・ウォール!」
「フローズン!」
「なにっ「アイス・スピア!」ぐああ!?」
古びた革鎧を着た剣豪の男。
『蒼の剣士団』を名乗る山賊団の団長はこちらの妨害の“ついで”で私たちの氷塊を切り刻んで破壊していった。
そのせいで、防ぎ切れていたもう半分の山賊たちの勢いを抑えるだけでも難しい。
強剣撃をミィリスちゃんと一緒に防ぎ、アイス・スピアを男の太腿に命中させて戦闘不能にする。
「アイシャちゃん、伏せて!」
「分かった!」
「「「スラッ――」」」
「―――フローズン・ブリザードッッッ!」
「「「………ぁぇ?」」」
言われた通りに伏せる。
と、予想通りの吹雪が山賊たちの残りの半分を氷漬けにする。
さすが、ミィリスちゃんだ。
残りの山賊は6人。
かなり、削れた。
戦いが終わったら全員ギルドに引きずってやるんだから!
「――――ぐあ」
………?
それは、苦痛の声。
それは、聞き慣れた声。
思わず振り返ると―――
「―――――ジー、ク?」
「隙ありッ――!」
「……かふっ」
私の意識はそこで途切れた。
◇◆◇ アリス・アルフォンド視点
「………」
私は、ジークさんが倒されるとすぐに動いた。
(今の私じゃ絶対に勝てない…っ!)
少なくとも、一人では!
駆け出す。
ミィリスさんとアイシャさん…は、背後からの奇襲で気絶してしまいましたか。
あの数を、単なる雑兵ではない実力を持つ相手を距離もないのに相手なんて出来るはずがない。
「チャージ・アックス!」
「うぎゃあ!?」
「助かるわッ!なるだけ急いで頂戴!」
「勿論です!」
「「ぐああッ!?」」
話しながらも制御の難しい氷属性魔法を操り、飛びかかってくる山賊の利き腕を凍結させるミィリスさん。
――――残りは2人
恐らく、あの山賊さんは私の事を先に片付けるでしょう。
(間に合ってくれると嬉しいのですが…ッ!)
「ダブル・スラッシュ!」
「チャージ・アックス!」
結果は相殺。
凄まじいですね…!
「しかし、甘いです!」
「がふぅっ!?」
戦斧の柄で横腹を殴る。
距離を取ればスキル発動後の隙を稼げると思ったのでしょうが、これをすれば射程は稼げます。
――――最後!
背後からは強大な威圧感。
「――――はぁああッ!!!」
「――――中々、やるじゃねえか。嬢ちゃん。」
戦斧を真上に投げ、気絶させられた後の奇襲を測ったが…それも、防がれてしまったようですね♪
◇◆◇ ミィリス・クリス視点
アイシャちゃんは気絶した。
ジークはやられた。
団長以外の山賊は壊滅させた。
しかし、アリスは背後からの峰打ちで気絶してしまった。
かなり、不味いわね…!
「フローズン・ブリザード!」
「蒼壁」
「チッ、アイシクル・ランス!」
「……見切り」
「! セレシアァッ」「はいぃ!プロテクト、バイタリティブースト!」
「カウンター」
「ごふぅっ、――――ブリザード・ストーム」
「ぐおおああっ!?」
私の十八番は防がれた。
氷の鋭槍は見切りを使われた。
ので、セレシアに指示を出す。
(っ痛…支援されて、これ…!)
己の貧弱な身体が嫌になる。
これだから…
しかし、奥の手の一つを切って吹き飛ばし凍りつかせる。
「トリプル・アイシクル・ランスッッッ!」
「蒼壁!」
「ハッタリなら辞める事ね!」
「…チッ」
「フローズン!」
「ちくしょうが!」
一流の剣士は足場の悪さを物ともせずに立ち向かう。
しかし、別に意味がない訳ではない。
いくら一流でも、魔法が常に飛んでくる元々足場の悪い道でさらに吹雪で視界の悪い状態でゴツゴツした足場を滑るように凍りつかせれば…どうなのかしらね?
蒼壁とやらが一部の魔法がに効果ない事くらい理解している。
「大氷塊!」
「クソが!見切りッ―――ごばぁっっ!?」
「どうやら運は私に味方しているらしいわね!!」
ここに来て、山賊は見切りを失敗した!!!
色々な条件が噛み合ってのモノだが、確実についている!
「さぁ、最終ラウンドよ!!!」
「負けられるかよおおおお!!!」
山賊は、私二人分はある巨大な氷塊を受けて尚、帝国の森に住むと伝わる鬼神の如き闘志を燃やした瞳で、私を睨みつけた。
そうか、本編をつければ時間を稼げるぞ!!!
本編百話記念ね!えへ…あれ、もうすぐジーク君編終わっちゃう…いやあああああ!?




