聖刃6 新たなる町へ 鍛冶師の楽園べリアル ②
ストックはたまらない。
しかし、モチベーションは高度な剣術バトルという形で上がっている…。
いきなり何言ってんだって?
つまり、更新頑張ります!って事さ
俺はジーク、残念だが今は自己紹介してる暇ないからいつものはお預けだ!
現在は『蒼の剣士団』を名乗る山賊団と戦闘中!
共通点は全員が片手剣を使っていること!
そして山賊の親玉はかなりの実力者らしい…。
商人さんは戦闘開始と共にミィリスがアイス・ケージで氷の牢獄に隔離した結果なんとかなってるが破られるかもしれないな。
状況としてはかなり不味い。
「マルチ・ウォーター・スピア!」
「フローズン!」
「殺すまではするなよッッッ!!!」
ウォーター・スピアが凍りつく。
まあ実質マルチ・アイス・スピアなのでアイススピアモドキと呼称しよう。
アイススピアモドキが囚われた山賊たちの身体を穿ちぬく…寸前。
「仲間はやらせねえっ!!!見切り、カウンター!スラッシュ!」
「「なぁっ…!?」」
まぐれじゃない…。
見切りカウンターを連発させやがった!
流れを説明すると、見切りで一発目の氷礫を受け切り、二発目の氷礫をカウンターで破壊し、スラッシュで最後の氷礫を真っ二つだ。
ヤバすぎる…!
強い、今のでまぐれじゃない事が再確認できた。
というか、俺は何時俺たちの包囲から抜け出してアイシャ達のところに現れたのかも分からなかった。
「どうやったんだ?!」
「多分だけど、暗殺術の忍び足と体術の大跳躍を掻き合せたんじゃないかしら…私も早すぎて捉えきれず、自信はありませんが…」
「それでも、少しは目で追えたのかよ…」
どちらも規格外だ。
でも、聖剣開放したらなんとかなるか?
切り札だから、なるべく取って置くか。
最も、ピンチになったら迷わず使うがな!
「おっ、正解だぜ嬢ちゃん?中々やるようだな。もっとも、威圧感てきに闘気まではまだ使ってねえだろ?」
「………それは、貴方もでは?」
「ガッハッハ!バレてたか!」
「私、闘気を視る事が出来ますの」
「おお!益々売り値が上がりそうだねぇ!」
「………山賊でなければ、魅力的な殿方でしたのに」
「お?中々嬉しい事言ってくれるじゃぁないの。」
凄い会話弾んでるねぇ………。
ちょっと俺、悲しいよ。
「喜んで下さるなら、闘気も使って全力で相手をしてくださるっ?!」
「……いいぜ、多分だが嬢ちゃんなら耐えられるだろう。その代わり、嬢ちゃんも本気でやれよ?じゃなきゃ―――。」
そこまで言って、瞬間。
凄まじい威圧感が一瞬放たれ、更に次の瞬きの間には姿も威圧感も視界から完全に消え失せていた。
冷や汗をかきながら周囲を首をふって確認する。
(居ないっ――!?)
「――――死んじまうぜ?」
「!!! 後ろだっ―――!」
「T・A・S・S!」
「残念、見切りだ。」
「がっ――はぁっっ!?!?」
一瞬の間にアリスの背後に立っていた親玉…いや、剣豪の姿を見て直感的に不味いと悟った俺がアリスにその事を短く伝える。
アリスは俺よりほんの少し前に気付いていたようで、既に戦斧を振りかぶっていた。
剣豪男が使い込まれている事が見てすぐに分かる片手剣を横に振るう、が、予想していた速度とはかけ離れて遅く、同時に見ていた俺はまたも見切りを発動させるつもりなのが分かった。
しかし、今更気付いてももう手遅れ。
アリスのゴブリンの攻撃程度であれば逆に弾き返すほどの濃く纏われた闘気が流石の一言に限る反射神経で腹を守るように纏われた――にもかかわらず。
「ぐぅあああっ!?」
「おっと、ちょいと力を込め過ぎたかな?」
アリスの闘気を剣豪男の闘気で跳ね飛ばし、その僅かな隙間に300%カウンターを叩き込んだ。
「………っぐ、なんだ?目が、痛い…?」
目が痛い。
何故?
…あ、どうやら無意識の内に聖剣の聖属性魔力を眼球に纏っていたようだ。
そして、同時に―――。
――――どうやら、闘気を視る事が出来るようになったらしい。
ただ、それだけで肉体のスペックがかなり上がったのが分かる
何故なら、剣豪の動きを完全に理解出来ていたから。
それと、闘気が可視化された事で現状対抗策の無かった不可視の攻撃を防ぐ検討が付けられる。
これは…かなり、凄い進歩だぞ。
しかし、今は喜んでいる暇はない。
早くアリスを助けなければ!
「早いとこ、聖剣開放使わないと最悪視力不味い事になりそうだが…今は無視だ!」
「止めは刺せねえから安心しろ嬢ちゃん。――――ファイヤ・スラッシュ」
「間に合ぇッ――――ふぐぅっ、カウンター!」
「っっぐおお!?」
一応なんかヤバそうだが眼に聖属性魔力は纏わせてある。
目を抑える手を離し、視界に仰向けに倒れるアリスの姿を捉えた瞬間、足は既に動いていた。
炎を纏った片手剣が“突き”ではなく“横薙ぎの斬撃”であった事に感謝しなければならない。
突きだったら庇うのが間に合わなかった。
血反吐を吐き捨てながらカウンターで突きを放つ。
このタイミングなら当たるだろ!
「っっっ―――み、きりいぃっ!」
「―――っ、はあぁっ!?」
「カウンター」
「護りなさぃっ!」
?
世界が遅くみえる。
斜めしたっかわには300%カウンターの突き。
おかしいな、さっきまでは捉えきる事すら出来なかったのに。
こんなにも、ノロマに感じるだなんて。
アリスが自身の闘気を操って俺を護ろうとするが、闘気は自分の肉体から離せる距離は決まっているので恐らく届かないだろう。
……あれ?俺は今、前を見ているはず。
なら、なんで…全方位が視えるんだ?
……やる事は一つ。
「聖剣ッ、開放ォ――――!」
「ッ!?」
今の俺なら扱える、いや扱えているのだろう。
何故なら、聖剣の怯みすら無視して放たれた突きを無効化しているのだから。
そう、聖剣開放の、俺が今会得した新たなる能力。
聖剣開放から数秒間の無敵状態。
今は、一秒だけだったみたいだがな。
素の身体能力強化さえ大幅効果上昇している。
――――負ける気がしない。
「チッ、運の悪い、いやむしろ良い!ダブル・スラッシュ!――見切りッ!」
「――――聖光」
暖かな光が周囲を覆い尽くす。
聖光とは、味方を癒やし敵を滅ぼす殲滅の光だ。
あ、ちなみにアリスは回復と同時に剣豪男の背後に鬼気迫る表情で斧を振りかぶっている。
怖っ!
怖すぎっ!
「ぐおおっ!?見切りは発動したが…こりゃ、まずったな」
「――はぁあああッ、チャージ・アックス!」
「仕方ねえ、奥の手だ。蒼壁」
300%カウンターを連続発動の聖光で当たり判定を誤魔化して解除させる。
奇襲の成功確率が今ので間違いなく上がった。
せめて俺に命中さえすりゃ体勢はなんとかなったかもだが…。
これで、チェックメイトだろ。
そう思ったとき、凄まじい魔力の奔放が俺の消えかけ聖光を吹き飛ばし、両腕を組んで顔だけは護ったがこれ、ヤバ過ぎるだろ。
巨大な蒼壁がダメージ500%フルチャージ攻撃を物ともせず、どころか逆に戦斧を粉々に破壊された。
(……、不味い!?)
状況把握に手間取った!
クソ、最悪だ!
「おっと、蒼壁変形」
「っ、ぬうおおおおお!」
「無駄無駄。それ、物理効かねえし」
全力の剣撃はあえなく衝撃を丸ごと弾き返されたようでやはり聖剣にダメージが入る…が。
聖剣は〘不壊〙という名前の通りどんな事があっても絶対に壊れないエンチャントが付与されているのだ。
ので、問題はない。
強いて言うなら制限時間が短くなった。
ほんの少しだが。
「…聖域」
「ちっくしょうが!無効化されやがった、いや相殺か?」
「――――余所見してていいのか?」
「見切り」
「ッ!」
「カウン「聖壁ッ」ター」
ギャリギャリギャリィィィッ!!!
嫌な音が響き渡り、聖壁が破壊された。
しかし、予想内。
わずかに稼いだ時間でバーニアと近接戦メインのこの戦いでは不利と悟り商人と一緒に、ギリギリ仲間に支援魔法の届く位置に居たクロエの使ったプロテクトでダメージ軽減させられた。
「がはぁっ…クリーンヒット」
「う゛っ゛…ぐ…中々、やるじゃねえの…っ!」
カウンターがキマると同時に俺は剣豪男の腕を掴み、無防備な鳩尾に引っ張る勢いを利用しながら聖属性の蹴りを入れた。
へへっ…いてえだろ?
「初めて攻撃通ったって事で…第2ラウンドだ!!!」
「へんっ!上等ッ!!!」
あぁ、厳しい戦いだ。




