第83話 渾身の一撃(2回)
〜負けたら優勝者の命令をなんでも聞くスマブラ〜
紅坂:どーもコウサカヒイロで〜す!
虹色:どーもニジイロでーす!
私緑:どうもワタシミドリでーす、あとこの話しには全くもって無関係でーす!
三バカ:3人揃ってカラフルヤローどもでーす!
虹色:まあそれは置いといてスマブラやろうや。
紅坂:ワイは手加減してガ○ンやのうてファ○コンつこうたるわ
私緑:エセ関西弁やめろ…あれ、どちらかと言えば俺等関西人じゃね???
◇◆◇ カットォ!
緑&紅:どおおおしてだよおおおお!?
虹色:ウェーイ俺の勝ち!なんで負けたか明日までに考えといてくださいって言うのは置いといて。
結論から言うと緑は単純にヘタ。紅は…お前、ファ○コンのコンボ一切知らんだろ
紅坂:それがなにか???
虹色:………ま、それはそうと、バニラモナカジャンボ奢れよな。
私緑:この真冬に堂々とアイス宣言、俺でなきゃ見逃しちゃうね!
虹&紅:言いたいだけだろ
「………」
溜める、溜める。
一瞬のチャンスを逃さない為に。
精神を研ぎ澄ます。集中する。
一撃の威力をより高める為に。
闘気の量をなるだけ増やす。纏う。
反動を減らす為に、負荷を軽減する為に。
火魔法を使う、魔法陣を造る。
攻撃の瞬間を逃さない為に。
『ソルガレアァァァッ!!!』
「――――まだだ」
耐える、堪える。
今はまだ隙がない。反撃でほぼ確実に殺される。
吸血再生を使う、修復する。
怪我をした状態で最善の一撃など出せるはずがないと思っているから。
「――――」
弾き飛ばされた闘気を纏い直す。
攻撃の機会は、未だ訪れない。
『ドラゴン・ブレスッッッ!』
「――――チッ」
スカーレットは上手く龍炎を全方位に放っている。
それも、攻撃の瞬間はより勢いを強めて。
集中は既に半ば途切れかかっている。
思わず、舌打ちをしてしまった。
極炎の息吹を受け流す。
結界魔法で反射しながら。
『………っ』
「――っ…!!!」
こんにゃろ、今、フェイントかけやがった!!!
………すぅーっ、はぁーっ。
落ち着け、駄目だ。
冷静になるんだ赤島チノリ。
………思わずさっきは簡単なフェイント如きに引っ掛かりそうになった。
不味いな、本当に“飽き”が来ている。
まるで我慢比べ…いや、まあそんなんだろうけど。
物理障壁を10枚、展開する。
物理障壁は魔法をすり抜けるのだが、代わり?に耐久も減らない。
故に、物理障壁を選んだ。
そう、攻撃用なのだ。
物理障壁は魔法を素通りして攻撃を直にぶつける事ができる。
これでスカーレットの種族固有結界を打ち破る訳だな。
殴るとき地味に毎回バリア張ってたのも同様の理由だ。
『………ガルルル…』
向こうも苛立ってそうだな。
なんとなく、嫌な予感がしたんだかで気付いてるんだろう。
俺の方も下手したら死ぬから結構精神的にクる。
エグいわー、クソ暑いのもあってもっとキツイわー!
『ドラゴン・ブレ「――――今ッ、だァァァ!!!」…す!?』
締めはパンチに限るってね!
――――障壁により、蒼く輝いて見える拳が炎龍王の顎を打ち据え、完璧に砕いた。
「………へっ、へへ…勝ったァァァ!!!」
「ガハァァァァッッ!?『…見事、やるな…レイアン』
「?……あ、念話だから喋れるのか。」
それはそうと、さっき俺が出来なかった事を当て付けのようにやってくるじゃないか。
炎龍王スカーレット・リンドヴルムは地に伏せ、静かにこちらを観ている。
「………っ」
『どうした?なんだ、寂しそうだな』
煽りよる…っ…
「………なんだ、その…俺の眷属にならないか?」
『…何故? 先に言って置くが、生半可な理由では龍王の一柱として断らせて貰うが』
舐めるなよ、俺は『絶対に言い合いには持っていったら駄目な男』だとか『ヤツが煽る雰囲気を出した瞬間殴れ』だとか言われるくらいには口に自信があるんだぜ?
………あれ、目から汗が。(二重の意味)
「………メリットから、話そうか。先ず一つ、出来る限り丁重に扱ってやる。無人島にはねえ美味いもんあるぜ?」
「それから、理由だったな…個人的に、好感度高いんだよ…お前は知らねえだろうけど」
……あれ、上手く言葉がまとまらねえ。
おっかしいなぁ…
『………残念だが、そのような理由では話に乗る事は出来ない。』
「……っ!」
『…………もっと、他にないのか?』
っ!!!
クソ、クソ!大バカが!
もっと、もっとあったじゃねえか!
本当に気分の悪い!いつもの俺なら真っ先に思いついただろうが!!!
「………あぁ、そうだな。悪かったよ。」
「俺と、一緒に来てくれないか?」
「俺は、お前との戦い、かなり楽しめた。個人的には…おかしな話だけど、友達みたいに思ってる。」
「俺はお前と一緒に冒険してえよ」
「こんなところでお別れは…流石に、嫌だな…って」
「お前は…スカーレット、お前はどう思うよ…?」
………自分でも驚くレベルでか細い声でた。
恥ずっ…
俺なりの、渾身の口撃だ。説得ともいう。
それに対する、スカーレットの返答は――――。
『――――あぁ、私も同じ気持ちだ。ん゛っんん!じゃぁ…初めてくれ。』
「!!! う、うん…じゃなくて、おう!……我、ここに炎龍王スカーレット・リンドヴルムと主従の契約を交わす」
『……同意する!』
白光が俺とスカーレットを覆う。
そして…
《個体名:スカーレット・リンドヴルムが個体名:レイアンの眷属契約に応じました、眷属契約を完了します。》
…正式に、俺の眷属になったのだった。
「………なんか、告白みたいだったな。」
『………』
締まらねえー…
はっはぁー!!!
俺は確かに、確かにスカーレットちゃんとチノリくんの掛け合いは(個人的に)ラブシーンだと言ったはずだぁー!!!
……何気に初めての恋愛的なシーンだなぁと思う作者2号なのであります…




