第78話 無人島制圧−−龍王墜とし
あの、すみませんでした。
ホント、別に調子乗った訳じゃないんですが新作にハマって書いてたら遅れちゃって…
あと強いていうならストックも切れてて…
………が、頑張ります!!!
極炎のブレスをしゃがむだけであっさりと回避しながら。
そういえば、無人島で戦ったな、と思い出す。
なんで忘れてたんだろ。
『な!?避けた…?』
「次のモーションも覚えてる。よし、衝撃波」
『ふん、その様な攻撃で我が龍王結界は破れんわ』
龍王結界は耐久値があるからねえ。
本当に運がないよキミ。
『ブレスッ!!!』
「次のモーションも覚えてる」
その後ろに仰け反りながらのブレスは2回横に転がれば躱せる。
うん、変わってない。
『――――なぁっ!?』
「よそ見してんじゃねええええ!」
転移で未だブレスを続けるノロマな龍王の横っ面を殴り飛ばす。
…お前は、そんなんじゃなかっただろ。
『ぐうっ、小癪なぁあああ!』
「だから、言ってるだろ。覚えてるんだよ」
竜を真似た火球型ブレス。
光線型を細かく途切っての速射ができるため強い。
でも、それは反射障壁で打ち返せる。
『なああああっ!?』
「苦し紛れの尻尾薙ぎ払いは上への転移で避けられる。ジークくんを操って分かるけどお前相当体力あるよな。」
弱点は知り尽くしている。
であるからして、吾に負け筋などなし。
『消え失せろ下郎がぁああああ!』
「怒り時の超広範囲高威力龍炎魔法は俺には対抗出来ないので大海で相殺」
淡々と、独り言で解説しながら昔は使うのに苦労した絶技を使いその中に潜って更に魔法障壁を展開する事で万が一にも破られる威力はない。
『っ!!! …焼き尽くせ龍炎、この星を埋め尽くすほどの熱量で。竜星滅焼砲!』
「残念だ。本当に」
最初に水魔法10発。
次に固定で時間稼ぎ。
更に闇魔法を50発(主に束縛、射撃系)
止めに反射障壁を三枚、全方位に展開する。
『――――っ! やはり、か。』
「………?」
おかしい。
15秒後には隙を晒すモーションを行うはず。
『どうやら、我は貴様を見誤っていた…いや、我が傲慢だったようだ。』
「……っ!?」
心の奥底から『期待』が湧き上がり、爆発する寸前だ。
もしかして、もしかして!もしかしてっ!!!
『ここからは我は本気…いや、全力でやる。故に、貴様も―――』
「言われなくてもッ―――!!!」
嗚呼、神様。
私から格別の感謝を。
◇◆◇ レイアン視点
私から、何かが抜け出る…奪い取られる嫌な感触。
私に何かが混ざる…いや。混ざり合う不快な感触。
人間としての、否。
別世界の人間としての価値観、常識のようなものを覚えさせられる感覚。
吸血鬼としての、積み上げてきた小さな価値観、常識が共有される感覚。
特に意識せずとも、自然とわかった。
チノリの…魂が吸血鬼の器に適合している事を。
しかし、何故このタイミングなのか?
………そういえば、今日はちょうど9年目か。
この世界と似た、ほぼ一致した仮想の世界。
ゲーム、だったか。
愛称は異世9だったな。相変わらず変な名だ。
いくら移動しようと抜け出せない。終わりもないこの白い空間。
その1つの“面”には外の世界の景色、正確にはチノリの見ている今が映し出されている。
――――楽しそうだな。
思えば、最近はストレスの溜まっている様子だった。
まあ、あの可愛らしい蝙蝠がいないのだから、当たり前か。
なにせ寝ているときは殆ど一緒だったからな。
枕としても一流だった。
それにしても、炎龍王か。
一撃でも受ければ即死…対応できたら瀕死が良いところだろう。
どうにかして、チノリを愉しませてやれよ?
何と言ったか。嗚呼、思い出した。
――――スカーレット
炎龍王スカーレットちゃんです。
あ、この娘こう見えても女のコです。




