第77話 無人島制圧作戦 其の二
書きたかった場面
・絶技大海
・ウサギ耳vs
・炎龍王vs
・???vs
・????再会と一目?惚れ
・残りの異世界人と再会。
などなどがあるぞ!!!
ネタバレはなるべく控えたぞ!
「ヒヒッ、それで、こそ。それでこそ、魔物ってモンだよなァァァァ!!!」
「ギュビィィィッ!?」
先程と同じく四方八方を塞がれ、囲まれた陣形。
その中心部でチノリが凶悪に笑いながら背中に小さな翼の生えたウサギを数千の魔弾の嵐をぶつけて吹き飛ばす。
「「「ギャアアアアアアアッ!?」」」
「どうしたんだよ!俺に、俺に一撃でも加えてみやがれ!!!つまんねえだろ?!」
そのまま制御を放棄される千を超える魔弾だが、魔法陣に設定されていた『命令が一定時間下されない場合付近にある魔石に向かっていく』という効果により周囲の魔物の弱点に自動でぶつかっていく。
「…よし、永続魔法のバリアは消した!いくらでも来れるぜ?はやく、来いよ!」
「ブモァァァォォオオオオオオオオッ!!!」
本心からの言葉を挑発と受け取った一際大きく、強い魔物が“咆哮”と共に邪魔な別の魔物を薙ぎ払いながらチノリに接近する。
魔物の名はジャイアント・ホワイトライノ。
ただでさえデカいシロサイに第三の目を追加したらあとはそのまま大きくしたような容姿をしている。
「イイねえ!勇気あんじゃん!そんな君にご褒美だ♪ダークネス・ジャイアント・ランス!」
「ブモォォオオオオオッ!」
「ッ! 防いだ…しかも、生身で。気に入ったよ。だから、取り敢えず重力魔法!」
「|ブモォォォオオオオッ《超加速&滑走&突撃》!」
すっかり得意分野になった重力魔法でシロサイモドキを吹き飛ばそうとしたチノリ。
だが、シロサイモドキには第三の目がある。
赤い瞳は魔法の術式を読み解き、射程と威力を教えてくれる。
その効果を活かして上手く射程外に走り出た。
「ますます気に入った!じゃぁ、そんなキミにプレゼント♡」
「ブモァァァォォオオオオオッ!?!?!?」
爆炎を纏った拳がシロサイモドキの第三の目にめり込み、命中と共に炸裂した爆炎が顔面を焼き尽くす。
悲鳴をあげながら、前とは違い闘気まで纏ったせいで吹き飛ばす単純な威力まで底上げされた爆裂拳で巨体を宙に浮かし、着地地点にいた魔物を体重で潰すシロサイモドキ。
「美味しっ。流石俺の認めた魔物ちゃん達の血だぁ。」
飛んできた血が偶々チノリの頬に付着。
それを舐め取って感激しながら最近覚えた無魔法を行使する。
「アハハ!ショックウェーブ、発動!」
血のおかげ(?)で更にテンションの上がったチノリが数百のショックウェーブを撤退を視野に入れ始めた『つまらない』魔物達にぶつける。
すぐにモザイク必須のグロ死体になったそれらに炎魔法最上位の『スモール・サン』を放ち、蒸発させる。
「ヒヒッ、アハハハハ!邪魔者は消えたよ?もっと愉しもうぜぇ!」
「カロロロロ!」「ギィ゛ィェ゛ェ゛ーーッ!!」「ガオオオオオオオオオオオオオ!」
3体の、他とは一線を画す強さを有した魔物が仲間の死に怒り狂い顕現する。
一体は『ベノム・スネーク』。
魔毒という魔法による治癒を無効化する毒を使う蛇の魔物。
もう一体は『大白鷲』。
上陸時空にいた白鷲の上司である。
最後の一体は『グランド・リザード』。
見た目完全にT-レックスである。
あ、毛はないほうだよ?
「ハァーハハハハッ!!!それでこそだよなぁ!!もう一発極小太陽ッ!!!」
「ガァアアアアアアアアアアッ!!!」
スモール・サンに対抗してティラノモドキが放ったのは、ライトニング・ブラスター。
雷鳴魔法であり、威力と範囲はバケモノだ。
上陸しようとする船に向かって放てば、もれなく全員感電死だ。
むしろ風圧で吹き飛ばされる可能性まで。
結果はやはり相殺。
魔法陣を使って行使された魔法でなければ少しは違っていただろう。
「アハハハハ!最高!最ッ高だよ!テンション上がる魔法使ってくれんじゃん!お返しだ!星墜としッッッ!!!」
「「「「「………っ!?」」」」」
重力操れんならさ。
お決まりじゃん。
――――星墜とし。
これも、カッケェ技だろ?
「防げるなら防いで見せろ!我が最強の魔法を受け、生き延びて見せよッ!!」
「「「――――グオオオオオオオオオオオッ!!!」」」
実はこの世界。
結構夜になると近い位置にある星みたいなのが沢山あるんだよね。
みたいなのって言うのは、ほら、地球のと同じとはわからんじゃん?
しかも、隕石じゃないんだよ。
近々メテオも使ってみたいけどね〜。
原理は簡単!重力魔法と召喚魔法を使えば誰でもできちゃう!
…さぁ、どうする?
「ガァアアアアアアアッ!!!」
最初はティラノモドキ。
雷ブレスをうってやがる。
――――でも、それじゃぁ穿てない。
「足掻け!凶暴な魔物ども!!!」
「ギジャ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァァァッ!!!」
次は毒蛇。
尻尾の先から毒と酸を混ぜましたみたいなのを発射したがそれで溶かせるほど甘くはない。
あ。ちなみに言っとくけどこれ、もし島に直撃したら俺の船ごとぶっ壊されるよ?
「ハハハハハッ!好きなだけ抗え!私ごときで絶望するな!たかが星墜とし、誰にでも出来るッ!!!」
「グェ゛ェ゛エ゛エエエァァァッ!!!」
続いてデカワシ。
降下を続ける星に真っ向から突撃して壊れた。
「イイねえ!そういうの嫌いじゃないぜ?でもよぉ、蛮勇ってやつじゃないの?それは。」
「「「グオオオオオオオオオオオッ!!!」」」
「力を合わせてみんなで、か!やるじゃん!」
ざっと数えて100匹くらいの魔物が力を合わせて魔法を放った。
なんと、その一撃は堕ちる星に着弾と同時に巨大な傷を作ったのだ。
「んー…三分の1破壊された、か。――――ハハハハ!期待以上!早速超えてくれた!」
テンション爆上がりだよ。
「じゃあさ、こうしたら、どう?」
魔法障壁を三枚、星に展開する。
物理障壁は温情で造らない。
「―――――はぁ。もう駄目か。ちょい殘念」
あれから30分。
結局魔物は星を破壊する事ができなかった。
非常に残念である。
船は一応いつでも転移させられるよ?
下を向き、ため息をつく。その時。
――――大きな翼を羽ばたかせる音が聞こえた。
「――――え?」
『我が巣を荒らす者は、誰だ』
星が溶ける。圧倒的熱に焼かれて。
思えばこんな何もない無人島にここまで沢山の魔物がいる事自体可怪しかったのかも知れない。
そう、よっぽど強大な魔物、例えるならそう。竜王のような。
急な念話に思わず上を見上げると、ムートとは比べ物にならないほどの巨躯を持った竜がいた。
深紅の鱗。固く鋭い牙。長く太い尾。捻れ曲がった赤黒い色が混じった邪悪な角。俺を睨みつける爬虫類の目。
思い当たる魔物は、竜種は原作にも出て来た。
「――――炎龍王」
『ほぅ?我を知っているか、始祖の吸血鬼よ』
「あぁ、誰よりもお前の事を知っているとも。」
炎龍王。
それは、炎を司る最強龍。
戦闘モードに入ると身体、具体的に言えば鱗の隙間から極炎を吹き出しその身に纏う正真正銘のバケモノ。
「なにせ、初めてお前を倒したのが俺なんだから」
小声で呟く。
嗚呼、本当にお前は強かった。
だから、だからこそ。
「残念だよ、俺はお前を知り過ぎている。」
なんの面白みもないただの作業になる未来しか俺には見えないよ。
例え現実だとしても、基本モーションが変わらない事は知っているんだ。
『何処を見ている愚かな吸血鬼よ。』
「――――最初のモーションは初見殺しのブレス」
嗚呼、変わってないじゃないか。
視界一面の炎が広がる。
だが。
「しゃがむだけで回避できる。」
なにせ、原作のフィールドと同じ地形なのだから。




