第75話 対龍砲作成に向けて 其の二
こっからだ!
こっから俺の大好きな展開が始まるッ!!!
皆さん、待たせたなァ!!!
対龍砲製作作戦始動から三日後。
「よっしゃああああ!人?力加速部屋を作り終わったぞおおおお!!!」
いやぁ、カスウサギと同じくらいの強敵だった!
途中なんど俺を睡眠不足と酸素枯渇の溺死で殺す策略だと錯覚したことか!
これで…っ、これでやっと寝れる…っ!
「ドアを蹴破る!からのベッドにダイビーングッ!!」
ばたんきゅー。
最後に説明(赤い人からの邪念)…じゃなくて振り返りを…。
初めに船底を広げ、人が入れる昇降口を作成。ここまで5時間
次に木の椅子を人数分作成&設置。オール?も人数分作成&配布。ここまで4時間強。
更に、ちょい高さが足りない事に気付き全体を改良。これに25時間。
深夜テンションで もうどうせならクッソ豪華にしてやれ!ってなって装飾(宝石類)を部屋全体に施し、やる必要ないのに態々光魔法で部屋を照らす機能をゴブリンに使わせて永続魔法の“契約”をした。
はは!俺は阿呆だったんだ、頭がイカれていたんだ!
なんで…あんな無駄な作業に19時間も掛けたんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?
ぜぇ…はぁ…す、すまん。(下の階のゴブリンに向けて)
少し取り乱した。
さ、最後にやった事は緊急時に使う瞬間加速用のスクリューってやつだ。アレを作った。
ゆーてバカでけえ風車みたいなのを作ったあと、船の最後尾の外側に取り付け、無魔法の固定を永続魔法で使用しただけだが。
えーと、無魔法の固定は止まってる間受けたダメージを蓄積するっていう新事実が明らかになったんだけど。
まあ、明らかになった理由は省くね?
だから、思いっきり回転させまくるように力を加えたり本来のやり方である水流を受けたりして回って…ていうのをやるために水魔法使ったり。
それをやって定期的にダメージ蓄積したあとで永続魔法を一時停止させると、あら不思議(?)
めちゃめちゃ進むじゃありませんか!
っていうの。制作時間12時間強。
は、はは…。
「もう、やだ………」ガクッ(力尽きた音)
◇◆◇ 30時間後
「ぐっすり寝れたね!(白目)」
やべえって、流石に1日以上寝るのは不味いって。
ゴブリンたちなんかまだ寝てるし。
…まあ、今回一番労働したのはコイツラだから見逃すけどさぁ。
「ふぅー、ッッッ起きろお前等ァァァッ!!!」
「「「ギャアァァァッ!?」」」
悲鳴うるせえ。
俺もうるさい声だしたけど。
「えー、明日から一旦対龍砲作成を休止する!次やるのは、素潜りでやる海の幸集めだ!!!」
「「「…グ、グギャァァァッ!!!」」」
歓声があがる。
だろうな、俺も上司にそう言われたらイェーイッ!って叫ぶ自信がある。
あ、こっちの世界での話だよ?
「そのため、今日、まあ昼なわけだが。今からやるのは素潜りに必要な銛の作成と濡れても大丈夫な鞄など、だ!救援を呼ぶ場合各々が使える魔法を空に放て!俺が必ず助けてやる!」
「「「グギャァァァ!」」」
やる気あんなぁ…。
「――――お?」
…あれ、島か?
指示を終え、分かりやすいように持ってきて乗ってた椅子を運ぼうとしたとき、進んでいる方向の右っかわに島があることに気づく。
「予定変更、その前に初上陸だぁー!!!」
「「「ゲギャー!!!」」」
進路を変える。
舵はないので人力で。
「作らないとな…」
呟いた独り言のあと、前回の作業を思い出して顔面蒼白状態になる。
さぁ、島に上陸しようじゃないの!!!




