第74話 対龍砲作成に向けて 其の一
初仕事とイカダ改造から約一週間経過。
現在、俺達は船の一番上の甲板、例えるなら麦わらの某海賊団が乗ってる船で言えば芝生とかがある部位にあつまっていた。
(こんな例え方しか出来なくてすみません、出来れば感想欄とかで正式名称?みたいなのを教えてくれると嬉しいです!)
「えー、まあ今日まで釣り&捌きをしてきました。そして、生活も許容できる範囲の不便しかありません。」
あれ以来船とは遭遇していないが、常識としてあの船はかなり小柄な事がわかった。
船員が約30名、護衛は普通3組(約18人)ほど雇うところを少し多めの8人1組だったし。
ていうか、あの船なんの目的で使ってたんだろ。
もしかしたら、あのパーティーの面々が海渡って遠くに移動するためだったり?
有り得る。有り得るぞ!
まあ、そんな話は置いといて。
「ので、今回、対龍砲を作成したいと思います!!!」
「「「グギャァァァ!」」」
歓声と拍手があがる。
この一週間でなんとなくゴブリン達がなんて言ってるのか分かるようになった。
凄くね?
「先ず具体的に何をするかと言えば、
初めに設計図の作成。
次に、必要な素材に検討をつけます。そしてその素材を大至急集め、その間に物作り及び造船などのスキルを強化した後に作製に取り掛かる、という順番です!」
「「「グギャー…!」」」
納得&理解を終えたようだな。
ふふふ、流石に掛け算を全員マスターした知力補正のあるレアなゴブリンと船長なゴブリンだ。
あ、因むと今は割り算と3桁の足し算引き算を覚えさせてる。
自分でも分かり難いなぁって思う説明しか出来なくても文句1つ言わずに頑張るんだよね、コイツラ。
俺の中の好感度爆上がりだよ!
「そして…実は、設計図は既にあらかた作製が終わっている!」
「「「ゲギャー!」」」
製作者は俺とカイゼルだ。
魔道具鑑定士のゴブリンこと、最近名付けたバルバロト。アイツも手伝ってくれてる。
…アイツは、強敵だった。
「材料は――――。この部分はこうして―――。ん、ああ、質問は?――――。」
材料に関しての説明、設計図の噛み砕いた説明、最後に質問タイム。全員が製作に関わるからちゃんと教えないとな。
◇◆◇ 30分後
「はぁ、喉乾いた。では、今回は対龍砲作製のための素材回収にはどうしても時間がかかる。それを、少しでも減らす為に船底に複数人が漕げる場所を作る!」
いずれは燃料とガスとかで動けるようにして…は、駄目だな。
折角魔法があるんだから魔法陣と魔石と永続魔法を組み合わせて自動で動けるようにしたいな。
「ああ、手が空いてる者はいるか?イカリを造る。」
「グギャ!」「ゴギャギャ!」
「と言っても、重りさえあれば良いんだから槍を造るだけなんだがな。」
付与術士ゴブリンも無事見つけたし、そいつに貫通のエンチャントをして貰えば完璧だな。
「忙しいなぁ…」
『ホントにな。その上近々海底遺跡にも行くんだろう?』
「おう。そうだよ」
レイアンは俺の予想通り初仕事の翌日には復活した。
あとラグ会話でいいから念話やめて?
余計な魔力食うんだよ、それ。
――――すまん
おう。それで良いんだよ。
「っし!鍛冶部屋行くぞお前等!」
「「グギャ!」」
◇◆◇
「――――うん、これで形だけだが槍は作れたな!」
「「グッギャ!」」
ついでに俺達は鍛冶Lv1のスキルも手に入れた。
ふふふ…順調、とは行かないな。
鉄の塊(3kg)を4つも消費してしまった。
近いうちに鉄資源回収したいな…。
あと、ゴブリンが気づいたら12人から15人になってた。
子供らしい。ちゃんとゴブリンとゴブリンの間で生まれた子だ。安心しろ(?)。
「じゃ、付与術士ゴブリンのところに行くか!お前等は釣りに戻れ!」
「「グギャギャ!」」
◇◆◇
付与術士ゴブリンの部屋、それは武器や防具などが沢山おいてあり、バルバロトの寝室でもある。
まあ、バルバロトが護衛っていう意味もあるんだけどな。
コンコン
「おーい、今いいか?」
「ゲギャー」(いいよー)
「早速なんだが、この槍モドキに貫通の付与をしてくれ」
「グッギャ」(わかりましたー)
翻訳は俺。
大まかになんて言ってるか分かるだけだからね。
結構ガバいのが難点。
「終わったか?」
「グギャ!」(できた!)
「よし、これで重し作りは終わり、だな!」
一仕事終えた感がやばい。
今日はよく眠れそうだな。
「ふわぁ…寝よっと」
まだ夕方だけどね。




