第71話 初仕事 其の二
新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
………だった気がする。(うろ覚えの挨拶)
「まあ、俺は堂々と行くかな」
道具集めはゴブリン達に任せたし。
戦闘じゃあ滅多な事がないかぎり負けねえだろ。
場所は左の突き当り。
そこに階段があった。
「余計な体力使いたくないし飛んでくか。」
ぶっちゃけると飛行EXになってから歩くのより飛ぶのが体力消費少ない気がする。
でもまあゆっくり飛んだり少し上に上がるだけなら、の話ね。
「? な、何者だ!」
「うお、早速見つかったか。――無魔法、衝撃波」
「がっ…」
俺を見て怪訝な顔をしたあと、腰に下げた鞘から片手剣を引き抜き、構える男。
そういや使ってなかった魔法を鳩尾に当てると気絶した。
「お、これ案外便秘かも。」
しばらくはこれを使いそうだな。
MP消費もそこそこ少ないし。
「あ。一応身動きとれないようにしとくか。無魔法、固定」
周囲の空気を縄の形に固定する。
改めて無魔法は便利だ。
「…さっさと一番上いくか。屋上?なんて言うんだっけ。あんまり船乗ることなかったから覚えてねえや。」
無属性の魔弾で天井に風穴を空ける。
暇だし解説するか。誰にやってんだか知らねえけどさ。
まあいいや。魔弾には特徴があってだな。
無属性は見え難くて耐久が高い。
風属性は薄緑色で速度が速い。
土属性は茶色で攻撃力が高い。
火属性は命中したとき温度がクソ高くて火傷を与える。
水属性は魔力消費が少ない。
どれも便利だから魔弾は無魔法の中でも屈指に使ってる。
ちなみに弱点属性だったりすると弱くなる。
更に因みます!スキルがあると威力あがるよ!
「あれ、なんだ?」「イケメン…」「てか、翼あるぞ!」
「魔族か?」「蝙蝠の翼…吸血鬼だ!」
「あ。見つかった。――――ん゛っんん!」
『あー、聞こえる、よな。大人しく降伏しろ。抵抗しても悪いようにはしないから安心しろな。』
「魔族の言うことが信じられるかよ!」「そうよ!いくらイケメンだからって…!」
…だってよ、レイアン。
金髪の女の人に何回も褒められてるぜ。
羨ましいなぁおいっ!(頭ん中ではニヤケ面)
「そっかー。じゃ、水魔法“マルチ・アクアエッジ”」
えっとねー。暇だから解説すると、
マルチは発射してからも操れるし数も増える、が、魔力消費が多い。
トライだとかツヴァイだとかは、魔力消費は少ないが操れない。直線にしか進まない。けど威力は少し高い。
っていう特徴があるよ!
別に覚えなくてもいいよ!
「…さっきから誰に解説してるんだ俺は。」
しかも脳内で。
お、一人残ったみたいだな。
「水魔法、ウォーターボール。アクアエッジ。アクアスピア、ウォーターキャノン」
「ぜあああああああああああああああああああ!!!」
うるっっっせええ!
なんだテメェこんなパチモンみたいな威力の水魔法で喚き散らしやがって!
「船員は殺させんぞ!邪悪な魔族m「よく見たらイケメンじゃねえか殺す。フレイム・ビーム!」ぐあああっ!?」
「…うん。見事に鎧を貫いてる。」
まあ、威力軽減してるから。何を貫いたかって?
そりゃあ…やつの尊厳よ。
ご愁傷様。お前は全裸にひん剥かれて魔族に情けをかけられるくらいに粗末なちっせえナニを見せつけた雑魚金髪だよ。
「へっ、イケメン死すべし慈悲はねえ。それは変わってないんだよ」
俺?
俺はメンズじゃねえ。鬼だ。
「取り敢えず殲滅完了。おーい。隠れてるのバレてるぞ。出てこい船員ども」
「……………………バレてた、らしいな。」
お。やっと出てきたか。
じっと視線を叩きつけてやったぜ。
「俺が船長だ。船員は…見逃せ。」
「はなからそのつもりだって言ってんだろーが。取り敢えずいらない木材寄越せ。」
「? は?え?」
「何ボサっとしてんださっさとしろ!」
「…マジかよ。」
『ほれそこの影に隠れてるお前等もだ急ぎやがれバーカ』
「「「っ!?」」」
隠れてる側の荷物だのなんだのを疾風魔法で弾き飛ばす。
明らかに動揺してやがんな。
「あー。あと、帰ったら俺達のことはこう伝えんだな。『大人しく降伏したら俺が欲しいって言った荷物の半分で済ませてやるから面倒なことすんな』って。」
「……わかった。」
「へい。」
制圧完了…か?
わからんな。
「ふぅ。あとはゴブリン達を待つだけか。」
「……へへっ」
?
なんだ、こいつ。
笑った…のか?
「お前の負けだ!魔族が!」
「うわ耳元で大声出すなよ。ムカついたから死ね。社会的に。」
「いぎゃあああっ!?!?!?」
全力の威圧と殺気を向ける。
そして、最近少し増えた闘気で叩き落とす。
こいつ、多分魔道具で気配消してやがったな。
「あーあ。勝手なことするから…」
「ヒッ、ヒイィィィ!?」
おおふ…汚え。
お前、小学校行ってたら今日からあだ名ウン○マンとかになってるぞ。
汚え…
「おいそこの汚物。自分の汚物掃除しやがれ汚物野郎。」
「そこまでにしてやってくれ…おい、立てるか?」
む。船長さん。
そういやイケオジやな。
イケメンは嫌いだけどイケオジは好きなんだよね。
許そう、汚物野郎。
「さて、俺は何すっかな…」
取り敢えず、コイツラが余計なことしないか見張ってる、か。
それはそうと、総合評価?ポイント200Pt、評価ポイントも120くらいで3桁行きました!
皆さま応援ありがとうございます!!!
(こういう時くらい真剣にやりたいなぁという気持ちの現れ)




