第67話 視界一面の海、イカダでゴブリンと。
間に合えええええ!(日が変わる前に)
「………っぐ…こ、こは…、てか、身体痛え…」
意識が覚醒する。
……身体いてえ。
どんな所で寝てたんだよって、そりゃあ霧の森だよな。
そりゃ、野宿したら…は?
「う、み…?!」
俺は…俺はっ、確か…クソカス女に雷でビリビリされて、クソカスが!って事実を認めさせようとして…えっと…そういや、最後にプルーが何か叫んだはずなんだ。
「――――!」
「――、―――!」
「騒がしいな…なんだこれ、イカダ?」
木の幹をテキトーに切り倒して…なんだ、これ。
…ああ。多分これ木の皮を剥いで無理矢理紐にした、みたいなやつだな。
なんで繋がってんだ?見た感じだが結構海流は強いぞ。
「うん?あ、魔力親和性が高い木を使ったのか。それなら、魔力流すだけで持ち堪えられるよな。…あれ、これ俺の漏れ出た魔力で強化されてねえか?」
うっそだろ。
俺はまさか寝ている間にレイアンに助けられたりしたのか?
おーい、レイアーン!
―――― す…m、な…、shi、べ…、い、…だ
うーん?
なんだって?
……そういや雑音酷かったな。
もしかして、てか確実にこの感じからして念話使える余力ないんだろーな。
偶にこう言うことあったし、まあ今更驚かねえよな。
なにより、いきなり海に来て驚いてない時点で俺のメンタルはかなり強化されてるよね。
いきなりどっか知らん場所にいるって状況のみ耐性がだいぶ上がってると思うけど…は、はは(乾いた笑み)
「ってか、さっきからうるせえな。」
…え?
イカダで、うるさい…?
そういや、レイアン動けない、よな…。
「………ええい男は度胸!」
ばっ! と振り返ってみると、そこには霧の森にもいた緑の肌、醜悪な顔つき、耳と鼻は妙に伸びている腰布以外装備、衣服をつけていない魔物。
そう、ゴブリンがいた。
「よし、消すか。」
「「「グギャア!?」」」
「? なん、なんだテメェやる気か?おん?」
「「「ゲギャ!」」」 ブンブン!
やべえ最悪海に落ちるかも、とか考えて若干ビビリながら語りかける?と高速で首を横にふるゴブリンたち。
「…おまえら、俺の言葉わかんの?あ、わかるならてあげろ。」
「グギャ」 ノ
「ゲギャ」 ノ
「…まじか。ん?てか襲いかかってこねえのか?」
「「グギャ!?」」 ブンブンブン!
んな訳ねえだろバッカじゃねえの!?
とでも言いたげだ。
「なんでだ…あ!凄え!進化できるぞ!とりま進化だ!」
一旦難しい話しは終わりだ!
だって寝起きだもん。冬に朝シャッキリ起きるタイプの人間じゃないの俺は。
=== 進化先候補 ===
・鬼人
・上位悪魔
・真祖吸血鬼(最終進化)
===================
「鬼人で!」
「グギャ?」
ぺかー!!!
「すげえ。身体が軽いぞ。若干だけど。」
なんか力持ちになった気分だ。(ガチ)
「「「グギャ」」」
「うおっ…なんだお前等。」
いきなり、総勢14匹のゴブリンが俺に向かって跪く。
「………取り敢えず、俺達ナカーマって事でいいんだな?」
「「「グギャア!」」」
こうして、やけに緑な仲間たちができたのであった。




