第56話 近衛騎士団vs獣人村 ②
ハウリルくんは世界屈指レベルで強いです。
マジで。これからレベル上げしていったら本気で世界最強も目指せるくらいに才能があります。
＼(^o^)／
と、取り敢えずレイアンさん代わってちょーだい！
――――任せろチノリ
「………獣人村に何の用だ？人間ども」
「っ？！ レイアン…でも、なんで…」
「何者だ！我々はアースガルズ王国近衛騎士団、王よりこの森の調査に参った！」
ああーやっぱりそうなのね。
まあ、やる事は変わらないんですけど。
「そうか。ならば、何故いきなり非戦闘員を襲った？」
「なに？あれで非戦闘員だと？」「ハッタリ…だよな？」「嘘ついてるようには見えねえぞ」「てか誰だよ」
うるせえな。
こっちは団長っぽいのと会話してるの。
「済まないな。だが、我々からしたら密入国者と対応は変わらない。多少の怪我は見逃せ。」
「………」
「さて、こちらの立場は明かした。次はお前が名乗るといい」
ええー。
めんどくせー。
…レイアン君がやるんですけどもね。
どうする？素直に話しちゃう？
それとも『ワイ、ニンゲンっす。敵意ないっす。』って言っちゃう？
―――その気もない癖によく言うわ
あ、バレてた？
「私は…霧の森の支配者、現在は最近発見した獣人村の守護者をしている。レイアンだ。」
「っ！ ………そうか。お前が、貴様がそうか。」
おおー、堂々と宣言しましたなーレイアン。
でもそれって宣戦布告なのしってる？
――――チノリではないのだから当たり前だ。
おいテメェそりゃどう言う意味だやんのかコラァ。
そうなると自分で自分の身体をボコボコにぶん殴る訳だが。
「………命令を改めて聞かせてくれ、副団長」
「…ハッ！？ ………省略しますね〜、『あわよくば霧の森に住む吸血鬼を討伐せよ』…これが聞きたいんでしょ〜？団長殿〜」
「ああ、そうだ。――――遠慮する事はない。やれ」
「“吸血鬼の重圧”」
新技かよ。
どんなの？
――――説明している暇はない
ですよねー。
まあでもなんとなく分かるぞ。
多分重力魔法だ。
周囲のヤツラの動きが遅くなった…というか、例えるなら…そう。
ちょっと思い出して欲しい。
強風の注意報だかなんだかがあるけど休みじゃないよ〜って時に登校するとさ。
風が強すぎてマトモに学校の方角に進めないこと、あったでしょ？
あれに近い。……うわ。厄介すぎ？
挙句の果てには傘がひん曲がって次に使ったときさ。
傘開いた瞬間弾丸なみの速さで俺の友達に突っ込んで行って危うく殺めるところだったって話しがあるんだよね。
※作者の実体験、アレまじで危なかった。
やべぇ脱線しまくった。
まあ兎に角ヤツラはそういう状況な訳だ。
「……騎士たちにはまだ荷が重いか。聞け！騎士たちよ！ここは私と副団長で足止めする！先に村へ迎え！」
「っ！？ させるか。ストロング・ウィンド！」
「ごめんねぇ〜―――『吸魔の小盾』」
え？嘘だろ。
なんで、は？
重力魔法を風魔法のついでで打ち消しやがった…いや、吸い込まれた…のか？
恐らく異世界人であろうソイツの姿を観察する。
レイアンにその暇は無いだろうと考えての事だ。
限りなく白に近い銀髪に、ウサギ耳。
獣人だな。そしてグローブ。
万能鑑定欲しい〜！！！
これじゃ、装備の詳細がわからないじゃまいか！
両拳にグローブを付けてるから多分それで戦うんだろうな。
そして、何故か小盾…吸魔の小盾だっけか？
まあ名前とさっきの現象から察するに魔力を吸い込む的なアレだろうな。
服は他と違ってやたら豪華な鎧とかじゃなくて軽戦士のそれだった。余計な装飾もされてないな。
情報はすかさずレイアンに送る。
「………そうか。――――念話」
「「っ？！」」
『推定危険度クソ竜以上。死ぬ気で守れハウリルッッッ！！！』
手加減する程余裕はない。
全力で魔力を乗せて森中に念話を響き渡らせる。
え？ハウリル一人で大丈夫かって？
村人達と我が家は眷属と戦士に守らせている。
なあに心配する事はない。
俺相手でも本気を出していなかったあの男なら、あの人狼ならなんとかしてくれるはずだ。
「これで一先ず安心…だが、貴様等は決して通さない。舐めるなよ、始祖の吸血鬼を。」
「でも〜魔法主体の君に〜これ以上なにができるのかしら〜？」
「………副団長、君は吸魔に専念してくれ。コイツの相手は私が。」
「う〜ん…まっ、いいよ〜。」
「感謝する」
光属性の宿った大盾と…何処かで見たな。
レイアン？
――――チノリの8年以上前の記憶によると『光と生命の女神』の紋章、だな。
まじかー。
てか、お前のその俺の記憶見れるやつ本当に便利な。
まあかなり苦手になるのかな。
「かかってこい霧の森の支配者よ。始祖の吸血鬼の力とやら、見せてもらう！」
「いいだろう。この私を侮った事、後悔させてやる！」
近衛騎士団長『生命のバルバロト』vs自称始祖吸血鬼『紅き大海のレイアン』
その戦いの合図とほぼ同時に、ハウリルは一人で騎士を相手にしていた。
魔法は吸われる。
最悪MPまで回復されてるかも。
体術はレイアンならできる。俺は無理かも。
結構きちぃけど、これ実際2vs1.5だから。
負けてたまるかよ！
実はこの戦いでとある条件をクリアしてなければ詰みます。
