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第51話 吸血鬼城に帰ろう ①

DA+空N+(不確定)空前


これ当たると大抵勝てるんですよね。



 目が覚めると、最早見慣れたチェシャの家の天井が。

 そして、目が覚めて一番最初に考える事は。


 (ああ…負けた、のか。)


 善戦したんだけど、なぁ。

 惜しいぜ。そして、悔しいぜ。


 あのバカに負けるのは。

 軽くショックだ。


 「にゃ、ようやく起きた。」

 「心配かけてすまん。」

 「分かればよいのだ。」


 改めて、ていうか、傷がないな。

 あ。そういや、前に治癒魔法習得したってドヤってたっけ?


 感謝感激、チェシャ先輩チッスチッス。


 そういや、何日くらい経ってんだろ。


 まあ、寝てたっていうか、気絶してた時間だとしても精々7時間とか、あったとしても1日くらいだろ。


 「俺、何日くらい寝てた?」

 「3日。」

 「…ちょっと聞こえなかった。何日くらいだって?」

 「3日。」

 「おおう…空耳じゃなかったのか。」


 まじかー。

 3日も寝てたんだ。


 そういや、あれだけ詳細に指定したと言っても、やっぱり重力魔法。言うなれば世界の法則を操るような魔法だ。


 しかも押し負けたとは言えあれだけの威力と規模の魔法だ。

 相当なMPを使ったんだろう。もしかしたら、前にも大量に使ってたし全部無くなってより、とか?


 ありえるな。


 グラビティ・ビーム。


 改めてカックイイ名前だぜ。

 なんていうかこう、俺の中のナニカ(中二病)をくすぶるような。


 「それはそうと…」


 そろそろ、うん、3日、いや4日か?

 も、過ごしたんだし一旦いい加減に自分()に帰らないとな。


 「一旦帰るか。吸血鬼城に。」

 「あ、それなら私も行く。」

 「え?なんで?」

 「村人たちの間で『レイアンがいないと勝てなかった』で結論が一致したから。おれいに誰かレイアンの家広くて掃除たいへんって聞いたからどうせなら家事とくいな私が手伝いに行こうと思って。」

 「おお。あのチェシャ先輩が長文を。」

 「む。」


 それにしても、そっかー。

 まあ、消耗戦になったら分が悪いわな。

 勝てないとは言わないけど。


 村人は自分たちが如何にチートな魔法を使えるか分かってない節があるからな。


 俺は俺で「絶技、大海イケボ」なんて技使ってたし。

 あれ、今思い出したけど原作のハーレムルートでのみレイアンが使う必殺技だよな。


 「ふーん、そっかー。……って、あれ?もしかしなくても、これ、“メイド”ってやつでは?」

 「そうなる…?」


 ふむ。

 チェシャ。猫耳。美少女。メイド。猫耳メイド。美少女猫耳メイド。


 「ふむ。美少女猫耳メイドか…。」

 「うん」

 「………最高か?」

 「うん。」

 「いや、うん。じゃないのよ。」

 「へい。」

 「いや、なにメンドクセーって顔してんだよ。」

 「めんどくせー」

 「だ、だって猫耳メイドだよ!?男たちの、そう!憧れだよ!?大半が夢見るもんだよ!?」

 「めんどくせー」

 「ぐぬぬ。わからぬか。いくらチェシャ先輩でも。」



 いくら理解力まじぱねー美少女ケモミミっ子であるチェシャ先輩でも理解できぬか。


 ぐぬぬ。


 なんか、負けた感があるような。


 「まあでも、取り敢えず皆に一週間くらい実家に帰りますって挨拶しないとな。」

 「そぅだにゃ。」

 「さて、じゃ、行ってくるか!」

 「行ってこよ〜」




 ◇◆◇




 「ふへ〜、ようやく終わったぜ!獣人村人総勢103名(どこぞの狼獣人を除く為本来104名)に挨拶するなんて!」

 「?あとひとr「いやー!終わった終わった!終わったよね?」……にゃん。」


 うん。

 可愛くていい返事だ。


 さて、荷物まとめも事前に終わらせて置いたしさっさと出発だ!


 「出発だー!」

 「しゅっぱーつ!」



 こうして、吸血鬼、じゃなくて鬼一人と猫獣人一人が吸血鬼城に向けて出発した。

唐突に書きたくなったので新連載始めるかもしれません

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