番外編 はじめてのお酒 〜ゼノスと共に〜
ガァアアアアアノオオオオオオオン!
どおおーして君は崖外で『ちょん』って小突かれただけで死んでしまうんだぁあああ!?
人口100人の獣人村に一つだけある中心部の酒場。
そこに2体の吸血鬼が酒を飲んで酔っ払っていた。
「なぁ〜そういやさぁ、ゼノスぅ。おまえって何歳なん?」
「む?264歳だが?」
「ふ〜ん。で、――――DT、卒業してんの?」
「ぶっっ!?ちょ、吸血鬼にそれを聞くのは禁忌と決まっているのだぞ!?」
吸血鬼そのものが希少な上、女性となると更に希少性が増す。
その上吸血鬼なだけあって全員が全員「私より強い人が好き」だなんだとほざきやがる。
…ちなみに吸血鬼は男性より女性の方がステータスは強い。
「…………で?」
(こ、コイツ……!?)
「……、………!? ………………まだ、だ。」
「ブッフォwwwww2百歳超えて未だにDTとかマ!?」
「う、うるさいうるさい!そういうお前はどうなのだ!?」
酒のせいでやたらと押しが強いレイアンの眼力に仕方なく沈黙の後答えたゼノス。
反撃代わりにレイアンに聞くのだが、もうこの話辞めたろうが良かったのではなかろうか?
「え?勿論DTですけど?」
「それだけ煽って貴様も人の事言えんではないか!?」
「え?何言ってんすかwwこちとらアンタと違ってまだ8歳。子供っすよ?www」
「くっそ正論なだけに何にも言えない!?」
悪びれもせずに言ったレイアンに反撃…しようとするが煽りで返される。
学生時代『言い訳マスター』『開き直り揚げ足取りを平然とやってのける男』などの異名を授かった彼の口撃力は伊達ではない。
「っぷは〜!苦いな。やっぱりおれお酒の味苦手だわ」
「なら飲むなこのDT」
「特大ブーメラン乙www」
「ぐぬぬ」
煽ると更に特大の煽りで返される。
地獄のような口撃である。
「…レイアンよ、少し聞きたいのだがあの、我相手に恐れもせずに戯れてくるミケとシルとは何者なのだ?」
「んー?強いて言うならワイバーン戦で進化した俺の弟子兼部下。」
「何があったと言うのだ…?!」
ちなみにミケとシルはそれぞれ獅子人・獣人と白虎人・獣人に進化した。
二人ともある程度の魔法と多重身体強化も使える。
ただし獣化はやっぱりできない。
それくらい難しいのである。
ハウリルもミケとシルを弟子にしているので体術もできるぞ!
「なぁ〜、他の…そう、バッティと、あとクロウは何処にいるか知らねえの〜?」
「我に聞かれてもなぁ…」
「チッ、つっかえ!」
「? ……待て、お前レイアンそれはもしかして、使えない、という意味か?」
「………」
「答えろ!」
沈黙を貫くレイアンを見て自分の解釈が正解である事を半ば確信する。
「あ!そうだ。あの…そう、聖剣使い…ジークだったか?が、先週『聖なる刃』というCランクの冒険者パーティーを作ったらしいぞ!」
「……あー、マジか。」
冒険者ランクは、
G:見習い
F:駆け出し
E:熟練
D:パーティーの立ち上げ権限を持つ
C:10人集まれば竜も倒せる
B:化け物
A:人外
S:この世に15人しかいない
SS:この世に3人しかいない。
に、分けられている。
例外はある、というか実力だけでランクが上がる訳ではないので普通にランクより強いヤツはいる。
しかし大抵そういうヤツはすぐにランクが上がるのでそこまで多い訳ではない。
まあ要するに上手くできているのだ。
「てか、もうC?……まさか、あのツンデレ斥候は多分まだだろうけど、もしかして学園編の斧振り回す口調だけ乙女のやべぇ奴口説き落としたのかよ。」
「む?………そう言えば戦斧を背中に担いだ女ならいたな!」
「やっぱりか〜!」
頭を抱えるレイアンの察し力はカンストしていた。
「クソ!折角順調だったのに!……まあ、ハーレムルート入ったのはなんとなく分かってたからある意味計画通り…なのか?」
「お、おi「もう!うぉえ、気持ち悪…クソ!もう寝る!」
ドタドタドタ
「………なんだったのだ?」
取り残されたゼノスは金だけ払ってさっさと魔王城に帰ったという。
ヤベえ、前回のは手が滑った。
けど、なんか一気に100pt突破したりブクマも20件超えたからいっか!
評価、ブクマありがとうございます!!!m(_ _)m




