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第45話 大海

魔法一覧


・火魔法→火炎魔法→獄炎魔法

・水魔法→氷魔法(派生)→大海魔法

・風魔法→疾風魔法→斬嵐魔法

・光魔法→聖魔法→神聖魔法

・影魔法→闇魔法→深淵魔法

・空属性魔法→天空魔法

・身体強化魔法→獣化→部分獣化

・無魔法→重力魔法→虚無魔法



以上、現状思いついている魔法一覧でした!


 力が漲り、やがて身体が不安になる音を立てて目線が高くなることで元に戻った事を知らせる。


 オーバーしたであろう吸血値が身体を元に戻しそれでも耐えきれないので負荷を減らす為に魔力をMAXに回復する。





 吸血値:1250(オーバー)


 ……やけに、多いな。

 あれだけやったと言うのに。



 オーバーしたそれを1000、迷いなく使用してできた大量の血を〘血染め〙を使って凝縮、水圧を苦手な水魔法のように使って上げる。

 限界まで圧縮した球体のそれを魔力で覆い尽くし、血液活性の応用で魔力を取り込ませる。

 更に、回復した魔力を再び0にしながらも最上位水魔法と似た術式で、術式を展開して赤い“魔法陣”が現れる。


 「――――ふぅっっー」


 息を吸い込み全神経を研ぎ澄ましてそれを注ぎ込む。


 最近、チノリを見て習得した無魔法の上位魔法、重力魔法。風魔法との混合魔法は紛い物でありホンモノである重力魔法の威力は比べ物にならない。



 掌の上に浮かぶ赤い球体に付与して、完成させる。


 動かす度に文字通り爆弾を抱えているようなものなので額に汗を掻きながら慎重に操作し


 「――――絶技、“大海”ッッッ!!!」

 「「「〜〜〜〜〜ッッッ!?」」」


 レイアンからある程度離れたところで名称を叫び、血の凝縮された大海を開放する。


 圧倒的“死”を放つそれに戦場の味方全てがそちらをゆっくりと振り向き、緊張の表情を浮かべる。


 最初に、全てのワイバーンが血に叩きつけられ、“大海”に引き寄せられる。


 次にろくに防御もできない姿勢で血に叩きつけられ気絶しかけの三色含めたワイバーン達が血の海に飲み込まれ、圧倒的質量に押し潰されてその血の量をほんの少し増やしながら飲み込まれ、押し潰され、吹き飛ばされては引き寄せられる地獄絵図。


 最後に重力の結界が三色の奴等を飲み込むと…


 「「「「「「「……………」」」」」」」



 静寂が戦場を覆い尽くした。


 やがて――――。



 「…わたし達の、かち?」

 「「「「「…か、勝ったぞぉおおおおおおおおお!!!」」」」」

 「はぁ、はぁ、ぐっ…久しぶりの外だと言うのに…まあいいか。チノリ、代わるぞ。―――約束は守れたようだ。」



 勝利の雄叫びが霧の森()()()()()()。いや、届いてしまった。



 ◇◆◇



 地獄みたいな場所だった。

 最悪な、場所だった。


 延々と自分を塗り替えるようなナニカが襲いかかって来る最悪の白い景色。


 それが、より一層白く光って――――。


 「ぅ、あ。…こ、こは?」

 「あ。おきた。レイアン」

 「………チェシャの家か。」


 気付くと、そこに居た。


 嗚呼、俺はなんて幸せ者なんだろうか。


 -----



 ワイバーンを討伐するべく組まれた霧の森を行軍中のアースガルド王国の兵達。


 群れがいるにしては不気味なほどに静かな森を歩いていると突如、雄叫びが、それも人間のモノが聞こえてくる。


 「うわ…うるさいな〜!もうっ!」

 「気持ちは分かるが落ち着け副隊長」

 「ハイハ〜イ、隊長さん」


 「なんだ今の声は…?」「人間、か…?」「こんなところで?」「幻聴かナニカか?」「にしてもうるさいな。」「何人いるんだろうか。」


 「騒ぐな。仮にも行軍中だぞ。落ち着け…はぁ。」


 兎耳のある副隊長と呼ばれた女性が不機嫌そうに、しかし命令をちゃんと聞く。


 兵士達も有り得ない状況に驚いているようだ。


 隊長と呼ばれた魔銀製の鎧を全身に着込む男性が疲れたようにため息をもらして頭を抱える。


 「…副隊長、ワイバーンはどうなってる?」

 「ええーと〜、あ〜全員もれなく死んでるネ〜あはは♪」

 「笑い事じゃないのだが…はぁ。報告だ。目標が全滅した以上引き返して報告するぞ…」


 「「「「「はい!」」」」」



 副隊長の金色の瞳が、妖しく光り報告した瞬間、兵士…というか近衛騎士達が疲れ気味で若干不機嫌な声で返事しながら王都に引き返す。


 皆一様に(俺等何しに来たんだろ…)などと思いながら帰っていった。





 戦いは、続く。

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