第44話 はじめての吸血
吸血鬼裏話:
特徴①バトルジャンキー:戦っていると気分が高揚するため。
特徴②人間の血が好き:飲むと美味しいから。身体強化が施されるから、その他状態異常。
特徴③大半が悪魔王の部下:まあ魔族の亜種みたいなもんだしね。
「………あの、火球はどうやって防いだん?」
「マジックバリア〜」
「猫型ロボット風に言うなよ…」
てかなんで知ってるのさ。
え?なんとなく?……まあ、どこの世界も愛されてると言う事で、取り敢えず置いておくか。
「…魔法は使えるか?」
「むり。今ので魔力を使い尽くした。」
だよな。あのレベルの火球を防ぐならそれ相応のMP使うもんな。
……どうするか。
―――― …今なら代われる気がする
お?レイアンか?ハジメマシテの時くらい声が聞こえやすいぜ。どうした?
――――恐らく、チノリが生命の危機に瀕した事で私の封印のようなものが弱まった、のではないか?
うーむ。そうかぁ…。
…え?それって代われるって事か?
―――― ………はぁ。
お、おいおい、なんだよ。
そのため息は。まるで俺を馬鹿にしてるみたい、だぜ?
む、無視すんなよ!
………ところでさ。
お前なら、なんとかできるか?
三色とも黒煙のおかげで黙りこくってるようだが。
それも長くは続かない。
どうにか、できないか?
―――― ……できない、事はない。
!そ、そうか!
まあ、それはわかったがどうするつもりだ?
あと、そのなんか返答にラグがあるんだがそれも。
『……あ、あー、あー…聞こえてるか?』
(?! 念話できたのね。)
『粘体のを真似た。ぶっつけ本番だったがな。』
(そうか…で、どうやるんだよ)
『チノリ、お前の記憶にあった私が使っている絶技を使う。恐らく、アレは大海魔法の最上位の模倣だ。』
(ふーん?へぇー、そうなんだ〜(震え声))
わかんねえなぁ!
まっっったくわかんねえ!!!
大海魔法ってなに?!
んなカックイイ魔法知ってたら覚えるさ!
例えただでさえ苦手な属性の更に上位属性だとしても!
『この8年、ずっと練習してきたが、一度も成功できていない。なんとなく聖剣使いと戦っている時は出来そうだったが。』
(…まあ、それは多分主人公がハーレムルート入ったからだろうな。)
そういや原作も…あんま覚えてないけどなんとなくレイアンが必殺技使ったとき呆けた顔してたような?
『…今回、念話すら使える程に私の調子が良い。もしかしたら、できるかも知れない。どうか代わってくれないだろうか、頼む、チノリ』
(へっ!わかったよ。一回代わるくらいでそんな、に…言うてそこまででもないか。まあ、兎に角代わってやる)
『!感謝する…!』
いっつも偉そうな割に珍しく下手に出てるからちょっとビビったぜ。
…さぁ、交代の時間だ。
−−−−−
そこは、暗く、されど白く、光のないのに周囲が見える壁のない空間で。
自分以外の音がしなくて。
自分を保てなくなるほど恐ろしい場所だった。
何もない筈なのに、前まで8年もここに居たアイツの記憶は覗けて、今何してるかも分かる。
(んな所に8年も…やっぱ、お前すげえよ。)
ついでに、なるべく早く終わらせてくれよな。
−−−−−
しばらく黙り込んでいたレイアンは、突如呼吸出来なくなる程の“威圧”を一瞬だけ放ってこちらに振り向く。
「…貴様が、いや、貴女がチェシャか。……血を、吸わせて貰えないだろうか。頼む」
最近、頼んでばっかりだな。と、考えながら。
プライドの高い始祖の吸血鬼が頭を下げる。
「………ん、いいよ。」
「では、いただく。」
やけに余所余所しい態度のレイアンに少し驚いて、若干返事に時間をかけたチェシャが頷く。
首筋に鋭い犬歯を突き立てて吸い出す。
「んむ、ふぁ、んっく、ごくごく」
「いつつ、……それ、普通わたしの方が言うんじゃ?」
「ぷはっ、美味しい…♡」
「やめにゃさい。」
初めて飲む人の血は他の吸血鬼が魔物や家畜ではなく人間を選ぶ理由が良くわかる甘美なモノだった。
※詳しくは言わないけどチェシャの血は果汁100%りんごジュースみたいな味ですよ!まあそれをレイアンが飲んだらって話です(他にも色々あって普通のより美味しい)
恍惚とした表情を直したレイアンが妙に漲る力に少し驚きつつも警戒してこちらを覗き込む三色の奴等を見て。
「随分と苦労させてくれたな。少しの間待っていろ。地獄に叩き落としてやる。」
堂々と宣戦布告した。
今度の番外編はチノリくんがゼノスと酒を飲みます!
いやぁ、まさか40話以上ストックあるからスマ○ラSPやってても大丈夫っしょ!
とか思ってたらいつの間にかストックが…!?
クソ!なんで某厄災の魔王は復帰力がこんなにもないんだぁあ!? (強いガ○ンはしぶとい:作者も最近Gといい勝負なくらいしぶとい)




