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第5話 vsゼノス①

ネムイ(´・ωゞ)


 戦闘開始の掛け声と共にゼノスとレイアンはそれぞれ動く。


 「エアガン!」

 「それはもう見た!」


 牽制用の魔法あっさり打ち消すとか…

 ※1第二シナリオ中盤 のボス努めただけはあるぜ。


 「バーニア!るぅおおお!」

 「む?――――火魔法か。しかし、その程度の身体強化に意味はないぞ。」

 「ブラックアウト!」


 突如、ゼノスの視界が消え失せ、闇だけが映る。


 (む?…暗視が効かないあたり、闇魔法か。)


 「確かに見えん。だが、甘いわっ!!」

 「なに!?」


 視覚を確実に失ったにも拘らず、ゼノスは魔剣ハートシーカーで心臓を貫こうとしたレイアンの頭をあっさりと蹴り飛ばした。

 それも寸分のズレもなく的確に。


 「ぐあっ…なぜだ…!」

 「簡単な事だ。貴様の気配と魔力。息遣いに空気の揺れを“見た”だけの事。」

 「化け物め…!」


 忌々しげにゼノスの顔を睨みつけながら魔法の準備を一瞬にして整える。

 これも自身の探知結界内だからこそできる技だ。


 「クロウ!補助を頼むぞ!」

 「カァー!」

 「…?貴様の眷属か?それは。」


 クロウが愚直に突進する。

 大した速度も威力もなさそうだった為にゼノスは無意識にクロウの事を馬鹿にしながら蹴り飛ばし、クロウはあまりの速さと威力の豪脚に息絶える…はずだった。


 「な!?」

 「カァー!」

 「ふんっ。バカめ。」


 ゼノスは確かにクロウの顎を蹴り砕いたはずだった。

 が、それはクロウの幻影魔法によるほんの少し位置を逸らした幻であり、狙った位置が正確で、且つ顎だった為になんの妨害も受けずクロウは鋭い嘴でゼノスの二の腕を啄んだ。


 魔力を全身に意識して循環させると、指定した部位が強化される。

 それを利用した嘴での啄みは容易にゼノスの右の二の腕を出血させた。


 「ぐ…!…クククっ!なかなかやるではないか!クロウとやら!」

 「私を忘れるなよ。エアガンっ!」


 豪快に笑うゼノスを無視して今までの3倍のMPを込めたエアガンを飛ばし、それによりゼノスは咄嗟に左腕を前に突き出したが、ほんの少し遅く左腕があらぬ方向に曲がった。…が、すぐさまそれが再生した。


 「なあっ!?」

 「この程度で私に傷をつけられると思うなよ。下等吸血鬼が!」


 よくよく見ると啄まれて出来た傷も既に癒えて傷跡すらのこっていない。


 「…少しばかり私の本気を見せてやる。」

 「フハハハハッ!本気も出さずろくなダメージを残せると思うなよ!」


 ゼノスの挑発を受け流しつつ、レイアンは物理障壁と魔法障壁を同時展開した。


 結界魔法の代名詞とも言える有名な魔法だ。


 風と無の2属性さえ習得すれば容易に使えるとはいえ、同時展開となるとかなり複雑で困難だ。

 2属性魔法に加え同時展開、更に理論の全く異なる物理を防ぐ物理障壁と魔法を防ぐ魔法障壁を使いながら戦闘まで行うのだ。


 一瞬でも成功させられれば天才と言って差し支えないだろう。


 「…ほう。ハッキリ言って予想以上だ。全く貴様と言うヤツはつくづく我を楽しませてくれる!」

 「貴様の為に習得した訳ではないのだがな。まあいい。」


 そう言って、突っ込んできたゼノスは物理障壁に弾かれる。が、神速で放たれる100連撃の前に物理障壁は砕け散った。

 魔法障壁は物理は弾かないので意味はない…かに思われた。


 「変換、物理障壁。」


 キィイイン!


 「変換まで行えるだと!?貴様…本当に何者だッッッ!?」

 「知らん。そんな事はどうでもいい。」


 変換により、魔法障壁は物理障壁へと性質を変え、見事にゼノスの渾身の一撃を防いだ。


 レイアンは内心成功するかどうかは運任せだったため冷や汗をかいていた。心の中だけで。全くもって器用なものである。


 「バッティ!やれ!」

 「キィイイイ!」

 「ジャイアントブラッディバットか。珍しいな。」


 飛び掛ってくるバッティを今度は油断なく長い爪で切り裂く。

 出血し、悲鳴をあげて落ちていくバッティだったが、その後方から突如クロウが飛び出してくる。

 襲いかかるクロウに驚きはしたようだったが、結局クロウは蹴り落とされてしまった。


 しかし、時間と注意は稼げた。


 「背中ががら空きだっ!」

 「ぐがぁっ!?」


 魔剣ハートシーカーに肩から腰にかけて決して浅くはない切り傷をつけた。

 それでも再生はしている様だが連続で全身別々の部位を切り裂く事で再生を著しく遅くさせる事に成功した。


 「ぜああああっ!」

 「ぬぁあああ!?」


 突き技で腹を貫き、そのまま力任せに上に肉を斬り伏せる。


 悲鳴?のようなものをあげながらもどこか笑っている彼はドMなのか疑ってしまっても仕方ないだろう。


 まあ、実際はそうされてもなんとかなるという余裕からくるものだったのだが。


 「ククク、フハハハハっ!面白い!実に愉快だ!良かろう。我も少しだけ本気を出してやる!!」


 笑いの二段構えを盛大に披露しながらハートシーカーごとレイアンを投げ飛ばし


 「レイアン!第2ラウンドの始まりだあっ!」


 そう、高らかに宣言した。


 ※1:第一シナリオは訓練編…つまりチュートリアルと幼馴染みの女の子、アイシャと遊ぶアイシャ編。それにアイシャを虐めている豹変した領主の息子、グノスと決闘するグノス編の3つにわかれている。

 第二シナリオは修行編、入学試験編、学園編、霧の森編、実験施設編、ゼノス編…etc

 と続いていく。

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