第38話 前衛の戦闘
裏話番外編:作者はネーメングセンスがないので毎度名付けのシーンでめちゃめちゃ時間をかけているとかいないとか。
「うおおおおおお!死ねっ、クソワイバーンがぁあ!」
「ギャオオオ!」
翼を射抜かれ多少の麻痺効果で飛べなくなったレッサーワイバーンを爪で引っ掻き、肩を噛まれてその生意気な口を脇で挟んで掴み上げ、何発もぶん殴り続けて気絶させ、持ってきたグローブを血に染めながら短剣で胸元を刺し絶命させる。
「いでっ!?ぐぁあっ!?だ、だれか!掩護たのむっ!?」
「ギャオオオオオ!」
「任せろっ!おりゃああああ!」
身体強化した拳でブレスを吐こうと後ろ足だけで立ったところを腹に叩きつける。
そしてブレスのコントロールがなくなったのを横目で確認し口を両手で抑え口の中で爆発させる。
弱っていたのか即死したようだ。
「あ、ありがとう…助かったよ。」
「気にすんな、それより次に行くぞ!後衛のヤツラ俺達の事も考えずに次々撃ち落としてきやがる!」
「ああ!負けっかよ!」
鰐人の村人と共に目の前にタイミング良く落ちてきたレッサーワイバーンを立つ間もあたえずにボコボコにぶん殴って殺す。
「うおおおおお!次だ次ぃ!雑魚竜どもぶっ殺してやるぅう!」
「「おりゃあ!」」
返事代わりに打撃音が聞こえてくる。
全く血気盛んな奴等ばっかり揃っているな。
「ま!俺も人の事言えねえけど、よぉっ!!」
「ギャオオオオオオオ!?」
左手の鉄の爪を眼球に突き刺し、右の鉄爪で喉肉を掻っ攫う。
この数時間で慣れた作業だ。
「――――おっ?これ、麻痺矢か。」
「ギャオオオオオ!」
「…へへっ、丁度いい。借りるぜ!」
「ギャオオオオオオオ!?」
麻痺矢を振り下ろされた右前足に合わせて突き刺し、鉄爪で全身を引き裂く。
火球が当たってスムーズには行かなかったがワイバーンの相手はこの一日で何十匹もしてきたので最初に比べれば時間をかけずに討伐できた。
ハウリルが突っ走ってワイバーンを掃討してくれるおかげで俺達は大分助かっている。
あとで貴重な酒でも奢ってやるか!
「……レッサーじゃない方の…ワイバーン、か。」
これは苦戦しそうだ。
しかし鰐人のアリガーと俺の2人なら…ギリギリ、行けるか?
「とにかく、やるぞ!」
「了解!――――身体強化っ!」
右と左に別れてすすみ、ワイバーンに迫る。
「ギャァオオオオオオ!」
「避けろぉっ!?」
「う、おおおお!」
飛んできた火球をジャンプして避け、鉄爪でワイバーンの翼を更にズタズタにしようとする…が、
「ギャァオオオオオオ!」
「っらぁ! ぐぇあっ!?」
「隙ありぃっ!」
顎を前足で殴られて吹っ飛ばされる、が。
代わりにアリガーが槍でワイバーンの横っ腹を突き刺した。
「ギャァオオオオオオ!?」
「余所見、してんじゃあねえええ!」
「今度は、俺かよぉっ!?」
火球を連続で3発放ちその全てが掠めたり直撃したりとアリガーを吹き飛ばした。
が、今度は俺が片目を切り裂きバク宙して距離をとる。
「ギャオ…ギャァオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
「「うぎゃああああ!?」」
雄叫びと共に放たれた5つの火球が俺達の身体を焼き、吹き飛ばして別のレッサーワイバーンの死体に叩きつけられる。
「ぐあっ!?………クソ、動け…動けよぉ、俺の脚ぃ!?クソ!クソクソクソクソクソ!?こんな、所で!死んでたまるかぁっ――――!」
――――多重身体強化!
「「うおおおおおおおおお!!!!!死ねっ!クソ竜がぁあ!」」
「ギャァオオ!?ギャァ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
鉄爪がワイバーンの腕と腹の肉を抉り取り、パンチの衝撃が相手の骨を複数折った事を伝えてくれる。
「はぁ、ぜぇ、はぁー、………勝った、のか?」
「ふぅー、すぅーっ、………らしい、な?」
「「すーっ、――――よっしゃあああああああ!!!」」
◇◆◇
「大物落ちてきたぞォオオオ!」
「んなっ!?あれは――――ビッグワイバーン、だと!?」
怯まずに突っ込んでいくハウリルが理解できない。
あれから2時間。
もう心身共に疲れ切っているはずなのに。
「……クソ!聞け!俺達は周囲のワイバーンどもをハウリルに近づけさせないようにするんだ!」
「「「…ハッ!わ、わかった!」」」
ハウリルとビッグワイバーンを囲むような陣形をとる。
死闘が始まった。




