第25話 獣人村
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………ん?
「こ、こは…」
「だいじょうぶ?」
「…!?」
目が覚めると、俺の目の前には猫耳美少女が濡れた布を持っていた。
「だれ―いだっ…」
「まだ、うごいちゃだめ。」
(……看病してくれていたのか。それにしても、妙に視線が低いような…!?)
子供の、姿だと…!?
しかも、髪の色が青くなっていた。
(なんで…?)
ステータスを確認してみると、各種身体能力が低くなった代わりにMPが少し高くなっていた。
身体能力が低くなったのは一時的なものらしい。
MPの方は永続らしい。
(…多分、子供の姿だから助けて貰えたのか。それにしても、ゲームだと獣人なんて滅多に出てこなかったのに普通に居るんだな。)
ゲームで最初に出てきた時は街で武器屋に色々装備買いに行ったら3000コインも掛けてナイフ買ってたから「え!?そんなすんの!?まだ早かったかな…?」ってなったけど結局同じの1000コインで買えたんだよな。
バグかなんかだろーか?
とも思ったけど…わからんな…。
「ここはどこだ。」
「ぬ?…ここは、獣人村。――――奴隷商から逃げるための獣人たちがつくった、秘境。」
「?!」
……………
ゲームにも、なかった。
やはりここは現実らしい。
◇◆◇
数日後、俺は相変わらず小さいままだが元気にはなった。
「こっち。」
「ああ。」
俺を助けてくれたのはチェシャという少女だ。
ぶっちゃけ何考えてるかわからん。
ちなみにオンモードで喋ってるぜ。
「おばちゃん、ナバナ一つ。」
「はいよ。150コインね。」
ナバナ…?oh…banana(久々)
冗談抜きにbananaじゃねえか。
とりまステみとくか。チェシャの。
−−−−− チェシャ −−−−−
種族:獣人・猫人(13歳) 職業:弓使い
Lv:4/30 状態:通常 空腹度:100(115)
HP:120/120
MP:45/45
筋力:40
魔力:35
敏捷:45(+100)
防御:35
知力:50
精神力:55/55
得意属性:運、闇、付与、火、探知
弱点属性:水、氷、風、光
スキル:気配察知Lv2、隠密Lv1、探知魔術、弓術Lv1、裁縫Lv6、付与術Lv1、俊足Lv1、遠見Lv1、鍛冶Lv3、掃除Lv2
耐性:痛覚、麻痺(小)、呪(小)
称号:『始祖吸血鬼の恩人』『防具職人』『鍛冶師』
装備
木弓 品質:2 レア度:0
矢筒 品質:1 レア度:0
木の矢 ×5 品質:1 レア度0
−−−−−−−
ふむふむ。強いのか弱いのか分かんねえな。
まあ俺の中では弱い、かな。敏捷値はそこそこ上がってるっぽいね。
(進化したてのレッサーワイバーンと同じくらいか)
確実に2百匹は削ったけど、アイツラどんだけいんだ?
千年樹に5百、はぐれがだいたい百。
勝てる気がしないな…。
「たべる。」
「む?」
「たべる。」
「私が、か?」
「そう。たべる。」
「………」
…………
「…美味しい」
「ふふん」
…………
「行こ。案内する」
「…ふん」
仕方ないな。
暫く後をついていくとあらかた構造がわかった。
冒険者ギルドはないし商人ギルドもない。
代わりにそこら中に家兼店がある。
確認したのは果物屋、服屋、鍛冶屋、雑貨屋だ。
ちなみにチェシャの家は鍛冶屋兼服屋だ。
「……あそこの、森はなんていうんだ」
「? 知らない?霧の森。」
「!!!」
やっぱりか…霧の森想像以上に広いからな。
………仕方ない。考えたくなかったが霧の森内部の様子を見てみるか。
………最悪だ。探知結界によるとワイバーンどもが3百匹以上城を占拠しようとしてる。
プルーは…いない。ムートは…? !ボロボロじゃねえか。城から結構離れた所で気絶してる。
バッティは…いない。クロウは…影の中だな。
クソ!たかが下等竜の分際で私の森を乗っ取ろうなどと…!
……、それにしても、本当に村人全員獣人だったな。
アイツラだけで街一つ落とせるくらいには強い。
(まあ多分だけど。獣人と人間だと獣人の方が強いしね。)
「状況は思った以上に最悪だな…、どうしたらいいのかね。」




