第22話 side????
2話投稿です。
――――屈辱だ。
何故この私がそんな未来に進まなくてはならない。
――――屈辱だ!
何故、たかが聖剣使い如きに始祖の血を引く私が殺されなくてはならない!?
何故下等吸血鬼のまま死ななくてはならない!?
――――屈辱だ、屈辱だ!
…何故だ。運命とやらは、そんなにも私が嫌いなのか?
死にたくない、何故?何故だ!?何故私が死ななくてはならない!?
屈辱だ屈辱だ屈辱だ屈辱だ屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱屈辱――――。
(…?乗っ取られた、のか?)
…なんて、事だ。
私は、自分の死ぬ未来を見せられても、いくらそれに抗う事はできなくても肉体の主導権だけはあったはずなのに。それしか、なかったのに。
それさえ、奪うのか。
クソが。憎たらしい…?
コイツは、なんだ?
なんなんだ?訳のわからない記憶が流れ込んでくる。
私のできなかった事を、それが当たり前の様に成し遂げていく。
抗うこともできなかったというのに。なんなんだよ、コイツは。
◇◆◇
偶に、自分で動けたり、意思を伝えられるようだ。
だが、それがなんだ。見たところコイツに私以上の才能はない。だが、全く同じ才能はある。
…コイツ、血液操作の使い方がわからないのか?
まあ、仕方ないか。私についてある程度知っているようだが記憶は私が一方的に共有しているだけだ。
それに、なんだ?コイツが喋り方を私に真似ようとしたら勝手に私が喋る。
………ややこしいな。コイツは演技の才能があるとでも思っているらしいがそれならとっくに演技Lv1のスキルでも手に入れている筈だというのに…はぁ。
◇◆◇
最近ヤツはワイバーンにばかり目をかけている。
他の眷属の扱いが1%くらい雑になっているぞ…。
ワイバーンが地竜に進化した。
押しが強いなこの地竜…。
結局模擬戦に持ち込まれたようだ。
バカめ。もう少し抵抗しろ。
…やられた。
この阿呆地竜は手加減を間違えたようだ。
…仕方ない。私が、釘を刺しておくか。




