第21話 3年間の記録③
ムート拾って3年目。
俺はムートの進化の瞬間を見届けていた。
「…ガアアオオオオオオ!」
…茶色っぽい黒の輝く鱗。
以前とは比べ物にならないくらいの大きさになった体長。
そして、以前はなかった角。
「…地竜じゃん。」
「ガルゥ♪」
−−−−− ムート −−−−−
種族:地竜
Lv:1/150 状態:健康 空腹度:300(305)
HP:1250(+100)
MP:100
筋力:525(+100)
魔力:350(+25)
敏捷:400(+100)
防御:500(+125)(+100)
知力:350(+25)(+25)
精神力:375(+40)
得意属性:風、無、土、火
弱点属性:光、氷、水
スキル:竜鱗Lv1、土魔術、大地魔術、魔力操作、剛力Lv1、堅牢Lv1、生命Lv1、俊足Lv1、渇望Lv4、部位強化Lv1、身体変化、並列思考、思考加速、咆哮Lv5
耐性:痛覚、麻痺(大)、毒(中)
称号:『地竜』『戦闘狂』『魔力なし』『霧の森(西側)の制圧者』
加護:『霧の森の支配者の加護』:レイアン:《全回復3/3》《止血(大)》
『大地の加護』:《大地操作(中)》
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−−−−−− スキル詳細 −−−−
竜鱗:Lv1あがる毎に防御+25。初期125。
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土魔術:土魔術の威力上昇。
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大地魔術:土魔法の上位、大地魔法の威力上昇。得意属性に土を増やす。
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魔力操作:魔力+25、MP消費軽減。
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剛力:1Lv×100筋力上昇。筋力強化の進化系
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堅牢:1Lv×100防御上昇。筋力強化の派生系
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俊足:1Lv×100敏捷上昇。筋力強化の派生系
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生命:1Lv×100HP上昇。筋力強化の派生系
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部位強化:身体の一部分の筋肉等を強化する。
MP消費LV上昇毎に軽減。
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身体変化:身体を大きくしたり小さくしたりできる。
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並列思考・思考加速:知力+25、脳の処理能力向上。
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−−−−−− 称号詳細 −−−−−
地竜:任意で咆哮に強風効果を付ける。
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戦闘狂:戦闘開始時に精神力+10
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「………このステで俺と模擬戦しろと?」
「ガォ。」
「…………拒否権は「ガオオオオオ!」………チッ」
無理だよ。怖いよ。
格好いいけど、それより怖いよ。
顔面厳ついし。
鱗硬すぎるし。
MP1000以上元があるせいで100あるから普通に魔法も使えるし。
勝てないよ。俺、たった3年で眷属に負けるの?
「ええいこうなったら奥の手だ!進化ッッッ!」
「ガオッ!?」
=== 進化先一覧 ===
・高位吸血鬼
・始祖吸血鬼
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始祖吸血鬼一択だ!!!
だって格好いいじゃん!?
「うおっ?!」
全身から力が漲る。
なんていうか自分に流れる血が活性化するイメージだ。
「…外見に大きな変化はないな。」
うん。…でも、毛先が赤くなったな!
髪の毛がカラフルだぜ。
「ふふん。俺に勝てるかな!」
「ガオオオオオ!」
ムートの咆哮が模擬戦開始の合図になった。
ステータスを見る暇もなく、取り敢えず距離を取った。
「ストロングウィンド!」
「ガオオオオオオオオ!」
これ、ブレス!?
強風がそれより強い圧縮された空気に巻き込まれ、俺を襲った。
「ち、<血盾>!?」
バギィイン!
「こ、壊さr」
「グルォオオオン!!!」
ひ、ひぃいいい!?
怖いです調子乗りましたすんません許して!?
「ちょ、まって!タイム!ターイム!」
「ガルゥ!」
間髪入れずにお試し魔法を撃ってきた。
クレイガンで俺はボッコボコにされた。
「いだっっ!?やめ、ちょ、うぎゃ!?」
一方的だ…ちゃんと強くなった感はあるのに、なんでだ?
…使いこなせてないのか?血液操作の時もそうだが…。
――――バカめ、何故そう使う?
…?
「ガオオオオオオオ!」
「…え?」
咆哮響く瞬間、大地が割れた。
「うっ…――ぁぁあああああああああ!?!?」
縦15m、横3m、深さ3kmの大穴が地竜の咆哮と共に割れた。大地が裂けるように現れ、一柱の吸血鬼を暴食の名のもとに飲み込む。
「ガアアアアアアア!!!」
「飛べ――ない!?お、ちるぅうう!?」
グラビティフィールド。無魔法と風魔法の2属性混合魔法の応用技であり、重力を5倍くらいにする効果がある。
対象を指定した事でMP消費大幅軽減!
「…思い出した!ウィンドウィングーーー!!!」
風の翼が進化した事で禍々しくなった蝙蝠の両翼を支え、強風で無理矢理押し進み魔法の効果を障壁で抑えて裂け目から抜け出す――――前に、大地が修復した。
暴食だのなんだのと言われる理由は落ちた生物を数秒後には無理矢理閉じる事で殺すからだ。
それが食らうように見えたらしい。ネーミングセンスパネェ。
「ガ…ガウッ!?!?」
殺してしまったのか!?と、慌てる戦闘狂。
ムートは結構焦っていた。命の恩人で自分が強くなる道筋を示してくれた主を意図せず殺すことになるかも知れなかったからだ。
「フンッッッ!!!………地竜よ。あまり調子に乗るで…ない、ぞ…。」
底冷えする様な目をしていたレイアンが、次の瞬間には意識を失い眠った。…というか、気絶した。
「ガォ…グルゥ。」
ムートも魔力を使い過ぎたのか寝た。
その後、眷属組が城まで連れ帰ったのは言うまでもない。




