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第12話 運命に逆らう時①


 遂に主人公…ジーク達が城に入ってきた。

 ていうかさ、なんでミィリスいんのよ。

 卑怯だぞ、ハーレムルート入りやがったのかこいつ?


 ハーレムルートは全32名のヒロイン全員が仲間になる代わりにストーリーではボス全員殺す一番大変なルートで、しかも敵全体の平均的強さも底上げ、更にボスに新モーションが追加される最悪難易度のルートだ。

 当然、都合上ミィリスがヒロインに追加される。


 このミィリスとか言う奴、破茶滅茶に強い。

 フィールド全域を凍結させる上に敵に持続ダメージを与える化け物魔法を使えるチートヤローだ。


 しかも超絶美人。


 「………死にたく、ないな。」


 死にたくない、死にたくない。

 絶対に負けられないし負けたら死ぬ。

 かといって交渉すれば?…通常の吸血鬼より知性の高い危険な特異個体扱いで即殺されるわ。


 だって異世9の設定資料集に交渉と嘘をついて結構やばい所まで進めた魔物いるってのがあったもん。


 時系列的には大分前らしいけどお偉いさん方はしっかりと覚えてるからね。

 多分余計に警戒されるだけ。逆効果だ。


 (ていうかこれ覚えてる俺、天才では?)


 うう…胃が痛いよ。

 死にたくねえ〜…。


 だいたいなんで俺がこんな目に…

 アイツ大丈夫かな?てかアイツだけアップデート楽しめるとかうらやま!ぐぬぬ…!


 「うらめしや…」


 血涙はでないけど思わず噛んだ唇からはでてきた。

 美味そう。じゅるり…。


 「止血も簡単にできるのってチートじゃね?しかももう治ってるし。」


 ………………。


 入ってきやがったな。不法侵入者どもが。

 だいたいなんで人の家に土足で武器持って入り込んでくるの?貴方強盗の家にでも生まれたの?


 「…スイッチ、ON。」



 ………。


 「…来たか、侵入者ども。」




 ◇◆◇




 なんか色々と文句言ってたら戦闘始まった。

 いや、普通に考えて霧の森に張ってる奴より高度な結界を城につけてんだよ?

 魔法使ったらバレるよそら。

 コイツラアホじゃねえのか。


 「後悔させてやるわ。フローズンブリザード!」


 う〜ん。相性悪いね、その魔法。

 障壁一枚凍り付いたけども。全く外見えないけども。


 でもね?…障壁があるから俺、凍らないの。

 再生してもすぐ凍りつくからある意味役目は果たしてるんだろーけどさ。


 「…ふむ。」


 言う事ないよね。…ふむ。ってなんだよ(苦笑)

 と、取り敢えずバーニングフレア使って相殺するか。


 「バーニングフレア。…造作もない。」

 「な!?…無傷、ですって…!?」

 「「「あったけえ。」」」


 なに三人とも暖まってるんだよ。

 別に障壁のおかげで寒くないよ。

 てかお前らも寒いのかよ。…そういえば術者以外は普通に効果あんのか。


 一応パーティーメンバーだからダメージはなかったみたいだけどさ。


 「…ふぅ。そろそろマトモにやるぞ。聖剣開放ッッッ!」

 「…チッ」


 ねえなにこれ!?

 怖い!怖いよぉっ!?うわぁ誰か助けて!?

 なんか不吉な予感とか寒気とか死の予感とか本能的に怖いんだけどぉっ!?



 フゥーッ、フゥーッ、はあ〜。

 落ち着いたぜ。…取り敢えず吸血した血使うか。


 最近気付いたんだけど吸血ってステータスのあれ。

 血液操作の血弾とかに使えるんだよね。

 今までは知らなくて不便だったわぁ〜。


 「<血弾>。<血槍>っ!」

 「はぁっ!うっりゃあ!」

 「そのまま時間を稼いで。私の魔法は消費が激しいから。」

 「俺も手伝うっ!」


 ジークとグノスが前にでて俺の技を防ぐ。


 聖剣の効果かな?なんか、剣に触れる前に消滅してる。

 グノスくんは大盾で防いだり短剣で斬ったり…流石神童俺なら無理だね。


 「く、なかなか進めない…!」

 「任せて、フローズン!」


 俺の技が瞬時に凍結して、その隙にめっちゃ近付かれた。


 やべえええよぉおおおお!?


 「ストロングウィンド。」

 「うぉおっ!?…ぬぅ…!」

 「大盾が、マジでありがたい。」

 「…やるわよ。アイシャ。」

 「うん、せーのっ!」


 「「ウォーターキャノン!」」


 ふぇ?


 「…<血盾>!」


 バギャァアアン!


 (あっぶねえええええ!?咄嗟に血で大盾作らなかったら障壁全部割れてたぞ!?)


 大盾は吹き飛ばされるわ必死で修行して作った物魔障壁は3枚割らるわ。


 マジで危なかった。障壁あと4枚しかない。

 でも、数分時間稼げばどうにかなる。


 「なんだ?今の音…」

 「まさか、防ぎ切るなんて…!」

 「?………!これ、多分結界が、ある!」

 「…道理で…」


 不味い。即バレした。

 詰んだかも。嫌だ、死にたくない。


 バッティの歌のおかげで強化されてる筈なのに…まあ、気分は戻ったし、いいか。


 「…! 今!」

 「カァー!」

 「うグッ!?」

 「この鴉、いつの間に…!?」

 「影魔法ね?多分だけど。」

 「…多分。」


 クロウが邪魔な大盾持ちのグノスの背後を影からでてくちばしを肩に突き刺している。

 血が滲みある程度の深さまで刺さっているよう。


 (容赦なさすぎじゃね?怖っ…)


 まあ、俺の為にって付くだけで可愛らしい鴉なんだけどね!自慢の友達だぜ。


 プルーは今、回復役に徹している。

 いやテメー別に怪我してねえだろって?

 うん。そうだよ。プルーは戦闘向きじゃないから大人しくさせてるの!


 視界の先には影に潜っては後ろ、前とでてきてはちょくちょく攻撃してるクロウがいる。


 うわぁw全然攻撃当てられてないよwww

 やーい、ばーかばーかー!


 …因みに言っとくけど俺もそれされたら当てられる自信ないよ。


 「…ミィリスちゃん、いくよ?」

 「わかったわ」

 「「聖光(ホーリーライト)!」」

 「カァッ!?」


 …え?


 俺の障壁が全て打ち砕かれた。

 幸いダメージはそんなでもない。


 が、間近で受けたクロウは違う。

 羽が抜け落ち肌が焼かれてみるからに大怪我だ。

 しかも障壁がないぶん自動発動の全回復も使い切っている。


 代わりに怪我はなくなったらしいが、動けないでいる間にボコボコだ。聖剣で斬られた痛々しい傷に魔法で凍らされている。


 呆然としているとクロウが死ぬギリギリで影に潜り込んだ。プルーの回復は使えない。





 ―――全て理解した瞬間、俺の中のナニカが一本切れた。

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