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第97話 海底遺跡攻略 其の一

性悪神:おお、もう行っちゃうんだ。

紅坂:てめぇどっから来やがった。

性悪神:んん?いや、ちょっと闇魔法で侵食してね。

紅坂:………わかった、1、1、0、と。

性悪神:わー!辞めて辞めて!この世界じゃ転移魔法以外使えないから面倒なのッ!

紅坂:ならテメェは大人しく元の場所に戻りやがれ。

性悪神:もー、仕方ないなぁ。



みたいな会話もあり得るんですよね。

これぞラスボスぱわー!




 「おー!見えた見えた!」


 巨大な海底遺跡が海上からでも覗ける。

 ここが、数々のプレイヤーをあらゆる面から地獄に叩き落とした通称『糞と死骸の掃き溜め』。


 今聞いてもとんでもねえ名前してるがあながち間違っちゃいないのがなんとも言えないトコロ。


 「…大海の羽織着用完了、と。」


 こいつがないと溺れ死ぬからな。

 割と笑えないレベルで。


 「それではそれでは、レッツハンティングッ!」

 「「「「れっつはんてぃんぐ!」」」」


 ……さぁ、(王種)がでるか(伝説個体)がでるか。


 試してみようじゃないの。



 ◇◆◇ 海底遺跡-入口-



 「わ〜お。リアルで見ると凄い豪華な入口だぁ。」

 「「「もがっ!?(なんで喋れてるんですか!?)」」」

 「ん〜?多分、大海の羽織の効果だろ〜ね〜」


 ていうか、なんで俺はカスウサ(クソカス兎の略)みたいな喋り方をしているんだ?

 これも大海の羽織の副作用か?!


 「わからんな〜」


 うわっ、また間延びした。

 嫌だなー、減点ポイントだなー、そこは。


 「――――敵影確認、対象は…ガーディアン・シャーク だな(〜)。直ちに仕留めよ(〜)」

 『『『『イエッサー!魔法部隊、撃てええ!』』』』


 念の為に通信用の魔道具を用意しておいて良かった。

 これがなきゃろくに指示も出せない。

 意思の疎通もはかれない。


 話は変わるがガーディアン・シャークとはその名の通り海底遺跡に出てくるモンスの中で最弱な個体である。

 遺跡の守護者であり、入口を守る存在だ。

 門番が弱くて大丈夫なのだろうか?


 「さぁて、攻略攻略ぅ〜。」


 ちなみにだが、ガーディアン・シャークは魔法部隊のウィンド・カッターで肉片と化した。


 すると、血の匂いを嗅ぎつけたのか一応探知魔法を使ったところ予想通り魔物の気配が一斉に集まってきていた。


 「海の藻屑と消えて失くなれっ!ってな〜」

 「「「――――!」」」

 『『サーベル部隊、飢えた獣どもを錆びにしてやれ!』』

 『『任せなぁっ!』』


 セリフに合わせて重力魔法、ちょっと近寄りすぎちゃったモブ1、2の身体を捻り潰してやる。

 翡翠の剣士団(正式な団員はバルバロトのみ)の養成所で見掛けた覚えのある奴等がスラッシュを使って更に捌く。


 飢えた獣は恐ろしいが知性は殆どないので所詮鬼人の敵ではないのだ。


 「――――終わったか。でも…油断だけはするなよ?俺でさえ死ぬ可能性は80%くらいある部の悪い賭けなんだ。」

 『『『『………え?』』』』

 「どうした」

 『『『『じょ…冗談、ですよね?あの炎龍王スカーレットの姉御を相手に善戦したボスが…?!』』』』

 「残念だったな、冗談じゃない。もし…伝説個体(レジェンダリー)()()が出てきたら…その瞬間、全滅がほぼ確定したといっていい。その場合、全力で逃げるぞ。」

 『『『『な…ぁ…!?』』』』


 唖然とするゴブリン海賊団メンバー。

 そうか、炎龍王スカーレット・リンドヴルムに勝った()()の俺如きが海底遺跡に巣食う主に、王に現状で聖剣のバフもなしに勝てる訳がないだろう。

 コイツラはその事を知らないんだな。


 だいたい、俺はスカーレットの時ですら3ヶ月ほとんど寝ずに攻略法を探し、技の穴、行動パターン、結界の耐久値を調べ上げレイドボスを初討伐した男だ。

 その上で、実際に戦闘経験を活かせるテンションをしていたのだ。


 これだけの状況が整って一か八かの運勝ち。

 素潜りvip@(全角ね)現役漁師さんがいなかったら俺達プレイヤーは一生勝てなかっただろう。


 あの人、ゲームでも現実でも海中での戦闘力がバケモンみたいに高いんだよな。


 スキルも完ッ全に水中戦闘特化だったし。


 いやぁ〜、トーナメントのステージが海中ステージだったとき、タイマンで すもvip(略称)さんに当たったときは敗北を確信したわ。

 ありゃあvs炎龍王の時よりも絶望感が凄かったもん。(苦笑)


 それにすもvipって確か水中戦では無敗だったような。

 そりゃあ勝ち目ないわな。


 (話が…思考が逸れたな)


 現実逃避は辞めだ辞め。

 確かにすもvipさんが居たら心強いが今はそんな状況じゃない。


 そもそも、すもvipさんがこっちに来ているのかすらわからないんだ。


 アイツは…正直運ゲーで一回勝てただけ。

 それ以降は水中戦に苦手意識ついちゃって挑む事もなかったが…モーションはレイアンの記憶覗きを利用して予習復習しっかりやってきた。


 勝ち目ゼロって訳じゃないんだ。

 そう…イレギュラーが起きない限りは。


 「ごくっ…最終確認だ。死にたくねえヤツはとっとと失せろ。なぁに、お咎めなしだ躊躇う必要はねえぜ?」

 『『『『………っ! いえ、我々は、ボスに従うのみです!ボスの目的のため…その為に死ぬのなら本望です!』』』』

 「…ったく、軍人かよお前等は。」

 『『『『海賊です!!!』』』』

 「…ぷっ、はは!わぁってるよ。なにせそこのボスだしな!」


 そうして俺は…


 「いざ、()()の残影の巣食う遺跡へ」


 ――――魔神の欠片の領域へ踏み入れた。

魔神の欠片、とは。


そもそもゲームでのラスボスはこの魔神と呼称される存在であり、封印の効果時間が切れて復活した魔神を再封印、あわよくば完全討伐するのが目的で生み出された存在がジークや他の英雄たちである。


そして、その物語を描いたのが異世9というゲームである。


ちなみに現状すもぐりvipさんは登場予定ありません。

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