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第92話 魔海名物週一災害!

日曜日!日曜日!

ふれ!ふれ!日曜日!


……そして、栄螺が終わりを告げる。




 「すぷ…らっ…しゅ…ぜぇー…はぁー…ぜぇー…はぁー、着いたぁあああ!!!」


 MP残:1120



 ちくしょう!!!

 MP殆ど残ってねえじゃねえか!


 昔だったら満タンだったけど今じゃこんなのクソ雑魚だよぉ!


 「ボス!遅いです!何やってたんですか!」

 「いやぁ…ちょっと、俺の思い出をまもろうと」

 「全く、ふざけてないでさっさと行きますよ!」

 「ふざけてねえよ…」


 全く…勝手に決めつけて。

 本当に全く…。


 俺の転移魔法なかったらお前ここに到着してねえんだぞ?


 「…で、この台風。直撃すると思う?俺は直撃に一票」

 「いや、流石にあの軌道で直撃は有り得なi「いや、魔海域の台風は生物の魔力を探知してそっちに向かっていくから。それまでの軌道関係ないよ」ええ…それどうしようもないやつじゃないですか」

 「そうだよ」

 「「「「「ええ…?」」」」」


 あの大きさで生物の魔力(こちらには約200人弱のホブゴブリンと鬼人と止めに炎龍王、更に魔力のある美味い野菜が生えている)を探知してそっちに接近、更に探査範囲の15kmの中に入っている。


 うーんどうしようもない。


 他の特徴と言えばより大きな魔力に近付いてくるんだったか?

 あと、台風が消滅するまでにかかる時間はゲーム内時間で丸一日、異世9ではリアル時間にして30分。

 ………つまり、丸一日消えない。


 うーん、この。


 最悪だよ、どうしようもないじゃん。

 このまま大人しく作物全損ホブゴブリン死傷者多数で森林まで荒らされろってか?


 あ、ちなみに魔海域の台風はリアルの台風の大きさでいうと最低値で比べると約3倍の大きさ。

 そして今回は最大値である。(白目)



 『レイアン!!!帰ってきたのか!』

 「おお!スカーレット!今はもうどうしようもないから皆で地獄に行こうぜって話になったところだ!」

 『!? 待て、………ええ…?!』

 「具体的に説明するとだな、(カクカクシカジカ)」

 『なるほど…つまりどうしようもないと?』

 「うむ」

 『本当にどうしようもないじゃないか!ふざけるなレイアン!』

 「いやだからふざけてねえって」



 スカーレットにも説明をする。

 ………いやあ、どうしようもねえな。


 「よし!取り敢えずレッツゴートゥヘルする前に台風を拝みに行こうぜ!」

 『いや私たちは死なないがな。……あ』

 「www」

 『貴様一足先に地獄へ送ってやろうか?』

 「結構でーす」


 ワタシwww。

 草生えるわ。


 炎龍王がクソデカトカゲの状態でそんな事言っても萌えないんだよバーカ。


 えぇ?代わりに大草原生やしてあげましょうかぁ?w。


 「しゅっぱーつ」

 『へーいへい』


 呆れたような表情してんじゃねえぞ寝坊助が。



 ◇◆◇



 「おおー、あれが台風か。ぶっちゃけ竜巻と黒雲と落雷以外で判断できねえなぁ〜」


 ………?

 気の所為、か?


 バチバチゴロゴロなってる雲が心なしか方向変えたような。


 「………いや、気の所為じゃねえ!こっち向き始めた!………そして、なんかおかしいな…リオ島というより、これじゃ…」


 スカーレットの方に向かってねえか?

 …試してみよう。


 「なぁスカーレット、ちょっと向こうまで行ってみてくれねえか?」

 『…?何の話だ?別にいいが。』


 ビュンっ!


 台風の騒音を掻き消して凄まじい風音と共にスカーレットが一瞬で俺の指差した場所で飛行している。


 『着いたぞ』

 「そのままジッとしてて。……………あ、こりゃ間違いねえな。」


 うん、作戦決定。

 何よりスカーレットなら大丈夫だろ。


 「よし!我が眷属スカーレット・リンドヴルムに命ずる!台風を引き付け、一日中囮になれ!」

 『は?え、ちょま――――身体が勝手にいいいい!?』


 さらばスカーレット!

 

 「お前の犠牲は無駄にしない!!!」

 『勝手に殺すなああああああ!?』


 へへっ、すまんな。

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