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第91話 海釣り 其の三

もう少しで作者の料理知識の無さが露呈する。

ふっ…嘲笑する準備はできたかい?




 「おっしゃ来たぁ!ふんぬおおお!」


 俺は釣りLv5のスキルを手に入れている。

 なんかスキルを手に入れたら途端に見れるようになったステータス項目、器用に補正が入るらしい?


 まあパッシブスキルなので…


 「―――ここ、よっしゃ!釣れたぜ!!!」

 「…!……!」ビチビチ!!

 「短剣術“三枚おろし”!」

 「………っ!?」びち…


 抵抗が一瞬弱くなった瞬間、両腕に力を入れ釣り竿越しに闇魔法で弱体化させて釣り上げる。

 てか、短剣術に入ってはいるけど完全に料理だよな。


 このスキル。


 「よし、昼飯だぁ!!!」

 「「「イエッサー!!!……じゅるり」」」

 「美味そう。これに米と醤油があればなぁ…」


 ぐぬぬ…。

 まあいい、所詮あってもそこまで食べられんしなァ!


 ……ぐすん、涙が。


 「?なんだこれ、すげえ!なんにも香辛料つけてないのに甘い!刺し身が甘え!」


 ただ生臭え!

 磯の臭いキッツ!!!


 でも素材はいいな。


 将来、美味え物食べたいな。



 人生のやる事リストに書き記しておこう。

 あ、チェシャからのプレゼントだよ?


 あのメモ帳ね。


 「みんな、頑張ろうぜ!」

 「さらなる器用値成長のために!」

 「釣りをもっと楽しむために!」

 「そして…」

 「「「俺達が美味いもんを沢山食える夢の生活のために!!!ごちそうさまでした!」」」


 ご馳走様でしたー!!!

 あー!臭いはダメダメだけど美味かった!


 異世界料理ランキング(僅か10食しか食べてない)

 では1位のイノシシ鍋並に美味かった!


 あれも生臭えけども。


 「よし、あと十匹くらい釣って帰ろうぜ!」

 「「「りょうかーい!」」」


 その後十匹釣るのに3時間かかった。

 早っ!? と思うのも仕方ないだろう。

 何せ俺達にはスキルの加護があるのだから。



 ◇◆◇ 帰宅中…



 「――――ん?」

 「「「………」」」

 「なぁ、カイゼルたちやい」

 「「「なんでしょ…うっ?!」」」

 「あの黒いの、なんだと思う?」


 ボーッとしながら空を眺め、霧の森とは大違いな綺麗な空だと思っていると、途端に暗くなり、黒くなる。

 そして、心なしか風も強い。

 雨もあっという間にポツポツと振り始め、うるさいくらいに勢いを増した。


 「……なん、でしょねぇ…」

 「そっかー…――――俺は台風だと思う。」

 「「「お前等急げ!流されるぞオオオオオ!!!」」」

 「クソ!カイゼル、送るぞ!部下に知らせて来い!座標指定転移(テレポート)!」

 「了解しました――――」


 クソ!この3ヶ月偶々なんにも起きなかったせいですっかり油断してた!

 この台風はやはり…



 魔海域名物、一週間に一回の頻度で起きる災害、だな。

 正直言ってクソ喰らえ。


 「チッ…揺れが強い…!まさか、併発?いや、そんなの…有り得ない…違う、ここはゲームじゃねえ、ありえるんじゃ…?そんな、こと…!?」

 「落ち着いてくださいボス!兎に角このままじゃ不味い。一旦ボスの転移魔法で帰りましょう!」

 「そうですボス!一人ずつならなんとかなります!」

 「っ! わかった!…でも、徹夜して作った船…」

 「「そんなの後でいくらでも作れます!置いていきましょう!」」


 鬼かよお前等ァ!?

 バルバロトの意見に同意したルビア。

 そして二人同時に外道発言をしてきた。


 そこは嘘でもきっと大丈夫です!


 とか言って欲しかったなぁ…!


 「ええい!対象指定バルバロト!発動、座標指定転移(テレポート)!」

 「さらば――――!」


 バルバロトをリオ島の『翡翠の騎士団』訓練場に送った。

 ルビアは…スカーレットのところに送るか。


 「対象指定ルビア!発動、座標指定転移(テレポート)!」

 「お先に――――!」


 白光が収まると、ルビアもバルバロトも姿はない。

 うむ、8割転移成功だな!


 ……?


 ………そうだ、スカーレット!

 アイツ念話使えるから普通は距離圏外の所からでもある程度は念話できるじゃねえか!



 『スカーレット!聞こえるか!』

 『――――む?レイアンか!要件は高波であっているか?』

 『あぁ、そう――――まて今、なんつった?』

 『――――? 要件は高波かと聞いているのだ。』

 『ちっっくしょう!マジでダブル災害来てんのかよ!』

 『――――だぶる…災害!? まさか、重なって災害が起きているのか!?』

 『そうだって言ってる、今!最悪だ…違うそうじゃねえ、重なってんのは台風だ!高波はリオ島の建物、作物に影響与えるレベルか!?』

 『―――いや!幸いリオ島の西側、崖の部分で発生しているため問題はない!』

 『そうか…良かった。』



 不幸中の幸いって奴だな。

 そして、俺は現在水魔法のスプラッシュを噴射して猛加速!

 1徹してまで作った折角の木船をこんなところで捨てて…失ってたまるかよおおおおお!!!


 「スプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュスプラッシュゥウウウウウウ!!!」


 ………というかこんなに撃って水魔法のスキルレベル上がらないのな。

 流石弱点属性だねぇ…!(ハンカチあったら噛んでる)



 それから約一時間後、俺は無事リオ島に辿り着いた。

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