第88話 模擬戦 其の二
補助の回数は6/10。
先ずは先制攻撃と行こうやぁ!
「トリプル・ダークボール!」
「――――見切り」
「嘘っ」
「カウンター」
「血液活性ォッ!」
ぶべらっ!?
こいつ…いきなりぶっかまして来やがったなぁ!
見切りカウンターは300%カウンターである。
ようするに強え!
「なら、クソ雑魚フローズン」
「足場を悪くっ!……いや、これも修練!」
「マルチ・ファイヤボール」
「見切りッ!カウンター、カウンター!」
「対策は知っている。教えたのは俺だからな」
対策。それは俺の体術攻撃をぶつければ打撃判定なので命中と判断され無効化はされないのだ。
簡単な話し判定について理解している人間なら誰でも思いつくだろう。
「チッ!バックジャンプ・スラッシュ!」
「キタキタァ!トライ・ファイヤ・ボール、トリプル・ダークボール!魔弾×15!!!」
「――――ドラゴン・スクラッチ」
「ぬおぉぅ!やっぱり使ってくるよなぁ!」
何気にこの飛ぶ3つの斬撃って高さが2mで一本あたりの太さが50cm、感覚は30cmだから縦に避けるのは人間だとほぼ不可能なんだよな。
まあ俺は吸血鬼の翼生えてるから避けられるけど、卑怯とは言うまいな!
おまいら咆哮使えるしその気になりゃあ飛んだところをスタンで撃ち落とせるだろ!
「ま、そうはしてやらんケド。爆炎」
「ぐあああ!?」
「トライ・エクスプロージョン」
「う゛っ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
「うるせえな、距離詰め過ぎだ。取り敢えず重力魔法」
「ごばぁ゛っっ!?」
「はは!これまた盛大に吹き飛びやがった。まあやったの俺な訳だが。」
犯人は僕ですってな。
そういや重力魔法は最近使ってなかったな。
久々に使うとしますか。
「吸血鬼の重圧」
「へぶうぅっ!?」
「重力圧縮砲!」
「ごっ゛っがあああああ!?」
「離れすぎだろ、重力魔法」
「ぐぇっ、おごごご!?」
「はははっ!おもしれー。ハイ重力魔法」
「うぇあっ?―――ぐべらっ!?」
レイアン開発の吸血鬼の重圧で押さえつける。
んで、立ち上がれない内にグラビティ・ビームを下向きに撃って吹き飛ばす。
射程が短い重力魔法のために引っ張り寄せるついでに地面に押し付けてずりずり引きずる。
なんか楽しくなったので重力魔法で上にあげて間抜けな顔しているバルバロトを今度は下に落とすために重力を2倍に加速させて落下させる。
えへへ、楽しい。
「仕上げ、ダークボール」
「――――見切りィッ!」
「おっすげ「カウンター」ぐはぁっ!!」
「スラッシュ!ダブル・スラッシュ!ドラゴン・スクラッチ!すぅうううう――――海賊中鬼の咆哮!!!」
「っ!?…っ…、…!」
スタン!?
やば、動けねえし喋れない!
クソ、油断した!
これだから見切り使いは嫌なんだ!
撃ったダークボールで見切りして一瞬で近付いてきて300%カウンター!
強斬撃にニ連強斬撃で3回の斬撃を受け大出血。
更にダブルスラッシュの二撃目はぶっ飛ばし効果があり吹き飛ばされてしかもぶっ飛ばしにはスタンが微妙に入るので動けない!
そこに不可避のドラゴン・スクラッチで三枚下ろし…とは闘気を操り緊急でガードした為にならなかったがそれでも決して深くない切り傷を負った。
クソ!しかも恐らくではあるが〘翡翠の剣豪〙の補助つき咆哮のせいで強力スタンだ!
「ニ…ぎrriiぃぃ…つっぶぜぇ゛え゛え゛!」
「終わりだァァァッ!!!」
「だァ゛ぐぼォルuう!」
「―――ぐぶぅっ!」
「がはっ、解け―――ぐばぁっ!?」
闘気を操り『握り潰せ』と命じるがギリギリバルバロトの予備の剣を握り潰せず、止むを得ずにダークボールを放つが命中したは良い物の吹き飛ばし切れずにスタンが解けるとほぼ同時に切り裂かれた。
やるじゃねえかバルバロトォ…!
それでこそアースガルド王国第二近衛騎士団長の名を継いだだけはあるぜ。
「――――」
……ハッ!?
これまさか、“出血”入ってるか!?
出血には継続ダメの他に思考がまとまらなくなる効果があったはず。
ほんの少しだから精々スキルの補助が消えるぐらいだろうがそれなりにヤバイ。
クソ!運はバルバロトの味方をしてやがる!
だから乱数の神は嫌いなんだ!!!
モン○ンの採集クエといいソシャゲのイベガチャで推しの水着SSR引ける確率といい何時もいつも俺の敵に回りやがる!
それどころか正真正銘神ゲーの異世9ですら装備の新調に必要な素材集めではレア素材が引けねえ!
そんなんだからソシャカス共から信仰薄いんだぞバカヤローが!!!
「――――ダークネス・ランス」
「……ぐはぁっ」
……だからといって、向こうも今の怪我で避けられるはずがないんだけどね。
「怪我の回復はルール上ハンデとして俺だけなし。今は気絶してて俺が勝ってるからそろそろ…<吸血再生>っと。」
ふぅー!
生き返るぅー!
ついでにバルバロトからちょびっと吸血しつつ、止血もしてあげる。
「医療班!来い!」
「「「りょ、了解ですっ!」」」
医療班とは、闘技場制作にあたり存在した方がいいだろうと思いステータスを契約魔法の応用で確認した結果治癒魔法に適正のあるゴブリン(全員女)が十人くらいいたのでちょっとした怪我も治させるようにしたらそこそこ伸びたっていうのがコイツラだ。
とか何とか考えてたら担架に乗せられて医務室に運ばれていくバルバロト。
じゃあなー
そこそこ、楽しめたぜ!




