第87話 模擬戦 其の一
ステータス祭りが怖すぎる。
【地獄へ】【ようこそ!】
「はぁあッ!」
「甘い甘い」
――――次は左腕の突き。位置は修行なんだから自分で調べるんだな。
了解了解。
「せやぁっ!」
「分かってんだよ」
「なぁ…っ!?」
現在俺はレイアンの補助を受けながら体術スキルのレベル上げ…つまり修行中である。
相手はカイゼル。かなり強いし魔法とサーベルでの剣術はかなり避けるのも受けるのも難しい。
技術では負けているがレイアンの技術は勝っているのでそちらを頼りにすれば行動パターンを読む上での1つの例になるし補助は10回までと決まっていて今は4/10だ。
なんと試合開始30分である。
やべぇ、剣術のレベルが高すぎる。
「ファイヤ・ボール!」
(補助)
『予想通り火球は囮。膝蹴りを狙っている』
「舐めるなッ!」
「嘘だろッ!?」
身長2m30cのカイゼルだが、その膝を左手で押さえつけ右手でカイゼルの左頬を殴り飛ばす。
「ぐぅっ、アイス・ピラー!」
「せぇぇいやぁっ!」
「チッ、フレア・バーストォァァァ!」
「ぬおぅっ!?」
飛来する氷柱を躱し、回し蹴りで弾き返すと炸裂炎が氷柱を溶かしそれごと俺に襲い来る。
ので、大人しく躱す…とはならない。
俺には闘気があるッッ!
「弾けろぉっ!」
「――――隙ありッ」
「ねぇよそんなもんッ!」
「馬鹿なぁっ!?」
3回に一回の精度だが魔法を弾き返す事に成功。
魔法発動と同時に移動して裏取り(スキルには縮地というのが存在する)するのは俺も良くやるので先読みしていたため振り返りながら回し蹴り。
どうやら予想通りの位置に居たらしく吹っ飛ばされていくカイゼル。
「どうした!そんなもんかよ?!」
「クソ!ファイヤ・ピラー!」
「掻き消せぇっ!」
――――失敗した!ちくしょう!
補助!
『左に跳べ!』
「うおおッ!」
「マジかよ…!?」
カイゼルの驚愕の声が聞こえる。
どうやらかき消すのに失敗した火柱の斜め横後ろから跳躍、奇襲を仕掛けたらしい。
てかレイアンお前後ろに目でもついてんのかよ…。
良く気づいたな。
――――まぁな。勘だ。
勘なのかよ…。
「“強打”ァァァ!」
「カウンター!」
スマッシュはジークのパーティーメンバーであるアリスというキャラクター…戦斧を担いだ狂人女が使う闘気を駆使した技であり、原作ではBボタンの技だった。
使いやすいしクールタイムも早い。
マルチでやるなら操る時は初心者はひたすらこれ使ってくれたらある程度活躍できるしタゲ取りもやってくれるのでありがたい技だったな。
しかも武器固定がないため素手でも使える。
斧も剣も盾まで使える万能技。
うーん最高!
「“縮地”」
「トライ・ファイヤ・ピラー!」
「ぬぅ…!」
体術スキルで使用可能なアーツ“縮地”。
相手の意識を闇魔法モドキで逸し、死角に滑り込んで裏取りしてくれる便利技。
でもある程度の戦士になるとすぐに気付いて全方位ゴリ押し魔法もしくはなぎ払い技などの広範囲アタック仕掛けてくるので逆にそれを利用されたりもする。
だからこそ楽しい(吸血鬼並感)。
無事(?)防がれオマケに危うく火傷仕掛けたが熱無効の耐性のおかげで魔力消費して無傷だ。
現在魔法は縛っているので全然痛くない。
しかしMP全消費すると気絶するのですぐにオフにした。
「ダークバインド!」
「捻じり潰せぇ!」
今度は闘気防御成功!!!
ちなみに言葉に出すと察知されるが代わりに意識しやすいので制御が上手くなる。
ほんの少しだけどね。
「チィッ!ダーク・スピア!」
「圧し潰せ!そして、“剛拳”」
「ぐおぁっ!!!」
“剛拳”は威力300%のパンチを繰り出す体術アーツだ。
剣術に比べてぶっ壊れていると思うだろ?
そうでもないんだ。
剣術アーツには斬撃と言う事で出血がある。
剣術アーツというだけで状態異常の出血をどこの部位でも確率で発生させる。
出血は時間経過継続ダメージなのだが、スキルを使わなくても低確率だが発動するのだ。
しかも射程に判定!
射程はそのままの意味、判定は…殴ったら殴られた側だけじゃなくて殴った側も痛いじゃん?
防御力相手が圧倒的だと被ダメ受けるんだよ。
体術は。
まとめると、
剣術は射程:中、威力:高、判定:斬撃
体術は射程:短、威力:高、判定:打撃
斧術は射程:中の下、威力:大、判定:斬打
盾術は射程:下の下、威力:中、判定:打撃
こんな感じだな。
大は高より上とみなす。
剛拳を受けたカイゼルは苦悶のうめき声をあげながら仰け反り、そしてがら空きの胴体に念の為両肩を鬼人の握力で掴んで、飛び膝蹴りをお見舞いする。
「ごばぁっ!?」
「もう一発ッ!」
「ぐぶぇ゛あ゛ぁ゛っ!?」
胴体に打ち込んだあとはフラフラしてるから顔面に掴みなしで膝を打ち込む。
鼻血が周囲に飛び散り、カイゼルは仰向けに倒れた。
「――気絶したか。………バルバロト?」
「はい、バルバロトです。訓練は終えた後なので、模擬戦をどうかと。」
「いいぜ、やってやる。ルールは?」
「両者魔法有り武器有りのガチマッチ」
「イイねぇ、嫌いじゃない。やってやる」
「有り難いです」
さぁ、二戦目だ。
補助の回数は継続でいいぞ。
つまり6/10。
「いきなりだが始め!!!」
「イエッサー!」
身長2m10cmの特殊個体ホブゴブリン剣術バカVS元始祖吸血鬼の鬼人で1.5人の俺。
中々にインパクトのある対決だぁ。
虹色:第一回性癖暴露大会ィイイイイイ!!!
紅坂:は???(眼力)(圧)
私緑:は???(殺意)(罵倒)
虹色:アッ、スー…はい、開始。俺は
紅坂:させない!!!
虹色:女の人の
私緑:言わさねえ!!!
虹色:u 紅坂&私緑:させてたまるかよ!!!
虹色:クソ!コイツラ意地でも言わせねえつもりだ!
終了




