表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/119

Ⅰ Sideジーク


 俺の名前はジーク。

 アースガルド王国の王都付近にある領地に住んでいる。

 最近王都の東側で魔物が霧の森から出てきているらしい…物騒だ。


 魔王がなにかしたのか?

 考えてもわからないし取り敢えず今日遊ぶ約束してたアイシャの所にでも行くか。



 *


 「ティアナさーん!アイシャいますか!」

 「あら?さっき出掛けたと思うのだけど…入れ違いになったのかしら?」

 「そんなんだ。じゃあ、さよならー!」


 どうやらアイシャと俺は入れ違いになったらしい。

 領主さんの屋敷の方に近い道を使ったのか?

 まあ先ずはそっちを探すか!




 「お!居たぞ、おーいアイ…シャ?」

 「汚らしい平民如きが!俺にぶつかってきやがって!」

 「うぐ…きゃあ!」

 「ぁ…アイシャ!?やめろ!どうしたんだ!」


 アイシャが同年代と思われる男に蹴られていた。

 周囲の人は何故か見て見ぬ振りをしている。


 「おい!やめろって…おまえっ!?領主の所のグノスか!?」

 「やめろ!薄汚い手で触れるなっ!」

 「ジー…ク。」


 領主の息子グノス。

 元々は優秀だったにも拘らず最近になって豹変した。

 平民にも比較的優しかった彼がどうしてこんな事を?


 少なくともここまで口も態度も悪くなかったし温和で話しかけやすい雰囲気だったのに今では粗暴で荒々しい、人を近付け難い雰囲気をしている。


 この一年で何があったんだ?


 「クソ、なんだか知んねえが取り敢えずアイシャを離せえええ!」

 「ぐふぅっ!?……貴様…!もう、許さん。決闘だ!」

 「だめ…ことわって…わたしは、いいから…」


 決闘とは。例え王族であろうと決闘に負ければ勝者の言う事をなんでも聞かされる。

 それを破れば身分関係なく、死罪だ。

 断る事はできるが俺からしたら今はそうしたい。

 というか、そうさせてやるつもりだった。


 ジークにアイシャの言葉は最早耳に入っていない。

 ジークは熱血系主人公なのだ。

 仲間が傷つけられると物凄く怒る。


 「受けて立つ!」


 護衛と思われる者が宥めていたが、止めることは無理だった様子だ。

 審判にさせられている。 


 決闘ルール

 •木製の武器以外使用不可

 •相手を事故であれ殺害した場合はなんらかの罰が下る。

 •魔法は下位の物のみ使用可能

 •身体強化系の使用不可

 •どちらかが降参、又は審判が続行不能とみなした時点で終了。


 「はぁ…ええ、これより、グノス様とジーク…?の、決闘を行う。では、両者木剣を構え…始め!」

 「「うおおおおお!」」


 はじまりの合図と共に俺とグノスが全力で駆け出し、剣がぶつかって鍔迫り合いになる。

 剣撃を持っているグノスに押し負けるが後方にジャンプして振り下ろされる剣を回避した。


 「うらぁ!」

 「な!?ぐぎゃっ!」


 そして、隙ができた所で一気に詰め寄り、間合いに入った瞬間に剣を素早く振り下ろす。

 位置を逸らされて肩に当たったが、取り敢えず一撃入れた。


 現在のグノスは剣撃、剣術、礼儀作法、2連突きの4つのスキルを持っている。


 そしてジークは剣撃と剣術、礼儀作法の存在しか知らない。不意打ちでの2連突きで勝負は決まるがグノスはそこまで頭は回っていないのだ。


 「このっ!おりゃ!よくも、アイシャをっ!」

 「げふっ!ぶぎゃ!ごがっ!?」


 脇腹、左肩、次に頭といった順番で振るわれた木剣の威力にグノスは思わず仰け反った…が、怒りに任せて無意識に使用した2連突きによりジークは大ダメージを受ける。


 「おのれー!平民風情がぁあああ!」

 「ごぉっ…がはっ!?」


 一撃目が運悪く鳩尾に直撃し、二撃目も若干のズレはあったがほぼ同じ場所に当たった事でジークは顔色を悪く息苦しそうにしながらもなんとか立った。


 突如道のど真ん中で始まった決闘を観戦する野次馬領民まで発生しはじめる。


 「かふっ…ぐ、負け、るかぁあー!」

 「なぁっ!?ぅぼぉああああ!?…ぐっ…」 バタッ


 思い切り横薙ぎに振るわれた木剣の衝撃に耐えきれず、グノスは叫び声をあげて気絶した。


 「あ、グノス様っ!じゃなくて、し、勝者ジーク!

 …ちょ、起きてくださいよっ、もう…おーい衛兵!こっちこーい!」


 忙しそうな護衛に同情する。

 ジークは勝った喜びとアイシャが心配な気持ちで溢れ、圧勝した心配に急いで担いで飛んできた衛兵に任せた。


 全身ボロボロ散々罵声まで浴びせられたアイシャの姿は見るに堪えなかった。


 「あ!護衛さんちょっと待って!」

 「え!?あ、そっか、要求…」

 「俺からの要求は、今後、絶対にアイシャをいじめないこととアイシャへの直接の謝罪だ。」

 「わ、分かりました!ではっ!」


 領主邸に走っていく護衛の人を尻目に、ジークは強くなった事を実感した。


 「――――地獄の訓練も、無駄じゃなかった…!」



 −−−−− ジーク −−−−−


 種族:人間 職業:神に選ばれし英雄

 Lv1/∞ 状態:健康 空腹度:MAX

 HP:200 MP:150 筋力:80 魔力:55

 敏捷:60 防御:50 知力:45 精神力:40


 得意属性:光、神聖、火、水、土

 弱点属性:無し

 スキル:剣撃Lv1、剣術Lv1、光魔術、火魔術、水魔術、土魔術

 耐性:毒(小)

 ユニークスキル:成長促進(7歳/10歳)万能鑑定

 称号:『主人公』『英雄』


 −−−−−−−

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] せこすぎだろ。補正はズルすぎマジで。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ