6話 神藤VS島風
閲覧ありがとうございます!
やっと戦闘描写を書くことができました。なるべく熱く演出ができるよう、もっと努力したいと思います!
「神藤くん、島風さん準備よろしくおねがいします。」
ついに呼ばれた。緊張で声が出ない。何も考えられない。
「神藤?大丈夫?」
動機が早い。呼吸も荒くなる。どうやって戦おうか。
「おーい?神藤?神藤ってば!」
どうしよ。どうしよ。どうしよ…
バチンっ!!
背中に衝撃が走った。
「おい!しっかりしろ!!神藤が島風さんに勝てるはず無いんだから、アピールだけに集中しなよ!!」
そうだ。なにを思い上がり、色々考えてしまってたんだろ。
俺ができることなんて限られてるのに。
「ありがとう。おかげで少し落ち着けた。相原も頑張ってね!行ってきます!」
「うん!頑張ってね!」
相原に感謝だ。少し落ち着けた。アピールに専念しよう。なるべく時間を稼ぎ、長く戦い続けよう。
覚悟を決めて、準備室に向かう。
準備室に向かおうと待機室を出る時、島風は室内全員から声をかけられていた。人気者だな。
島風も俺の跡を追うように待機室を出てきた。
「相原さんと仲いいんだ。」
―――え?
びっくりしてしまった。なんか、毎回急に話しかけてくるな。
「ま、まぁ。話しかけてくれるからね。別に相原だけじゃなくて、小暮や伊海も話しかけてくれるけど…」
返事は返ってこなかった。そのまま、それぞれの準備室の前まで来ると、
「私にはそういう人がいないから、少しだけあなた達が羨ましいわ。」
「え?で、でも、さっきみんなから応援されてたのに…」
「あんなのは、違う。…手加減しないから。」
そう言って準備室に入っていった。
何が違うのかわからなかった。男子からも、女子からも人気で応援されてたのに。いや、今は、目の前のことに集中しよう。
準備室に入る。この部屋にはリラックス出来るようにお茶やお菓子などおいてある。他には、考査で使う武器が数種類おいてある。どれも、殺傷能力がないように、ゴム性になっていたり、安全装置が施されている。
俺が選ぶ武器は…
島風は間違いなく、竹刀を選んでくる。接近戦になる事は明白だ。最初は飛び道具にしようと思ったが、詰められたら何もできなくなってしまう。
考えた末、ゴム性弾のモデルガンと竹刀に決めた。モデルガンで牽制しつつ、接近戦は竹刀で対応する。これで行く。
伊海達の考査が終わったらしい。考査会場に案内された。
観客席は結構埋まっていた。そりゃあ自習で勉強するより、こっちの方が気になるもんな。
VIP席には理事長が座っており、隣にはあのボディーガードが立っていた。
今日の理事長は、目を閉じていなかった。目があってしまった。すると、ニコッと笑い、手を振ってきた。
軽く会釈し、定位置についた。島風は、既に位置についていた。こちらを怪訝な表情で見ていた。
VIP席で入場してくる神藤を二人で見つめながら、
「この間の少年ですね。」
「えぇ。ですが彼は、まず普通に生きている間には能力は発動しないですからね。興味はありません。」
そう言いながら、金色の瞳で考査を見届けていた。
また、とある観客席では、神藤の姿を見て驚いている者がいた。
「やっと、やっと見つけたにゃ。」
そう言い、食い入るようにその考査を見届けようとしていた。
「それでは、1年3組中間考査第2試合、開始!!」
始まった。牽制の為、モデルガンを前へ向け、放つ。が、そのゴム弾は島風に届くことなく、目の前であらぬ方向へ飛んでいってしまった。
くそっ!風を体の周りに纏っているのか?
そんなことを思っていると、島風は竹刀の剣先を後ろへ向けた。前に見たことある構えだ。
そうだ!2週間前に…そんなこと思う間もなく、風と共に、俺の目の前へと高速移動してきていた。
「島風流 零式 突風 居合!!」
目にも留まらぬ速さで、左から右へ横一線に竹刀が振り抜かれた。
咄嗟に右手で持っていた竹刀を上げると、奇跡的に受け止められた。
―――バキバキ
しかし、風を纏っている竹刀に、俺の竹刀は受けたところが抉られ、真っ二つになってしまった。
抵抗するものが無くなった島風の竹刀は俺の横腹に叩き込まれた。
「―――っ!!」
そのまま俺は、数メートルふっ飛ばされた。急いで体制を立て直すが、また剣先を後ろにした構えをしている。
間に合わない!後ろへ飛んでもそのまま距離を詰められる。左右へ飛んだとしても、あの横一線からは避けられないだろう。上も避けられたとしても、その後が空中じゃ、後が続かない。
なら、思わぬタイミングで前へ詰めるしかない。
島風が高速移動を始めたと同時に、前へ踏み込む。
島風はそれが意外だったのか、反応が少し遅れた。入れ替わるように体がすれ違う。その瞬間当たれ!と思い竹刀を振ったが、虚しくも空を切り、島風が移動で使った風に巻き込まれ、また数メートルふっ飛ばされた。
「くそっ!いてぇ…」
目の前にさっき真っ二つにされた竹刀の片割れがあった。それを手に持ち顔を上げる。
島風は、何か突く動作をしていた。その次の瞬間、突風が吹き、気づいたら体育館の壁に叩きつけられていた。
「――ぐっ!」
既に目の前に島風がいた。
「島風流 零式 突風 居合!!」
横一線に抜かれた風をまとった竹刀は、俺のみぞおちに叩き込まれた。
俺はそのまま気絶した。
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