3話 1年3組
閲覧ありがとうございます!退屈な話が続いているかと思いますが、気長にお付き合いください!!
「おはようございます。今日から通う進藤です。」
「おー!おはよう!こっちこっち!!」
今日から本格的に学校に通うことになる。しかし、事前にいくつか確認事項や、提出書類等あった為、他の生徒より少し早く学校へきた。
職員室へ入るなり、奥にいる女性に声をかけられる。
「進藤くんだよね?私が担任の泉 恭子です。よろしくね!朝礼始まるときに一緒に教室向かおうか!」
「わかりました。」
泉先生の机の上には、山のように書類が溜まっていた。その山をいくつかあさりながら、書類をひっぱりだし、
「進藤くんはホルダーだよね?じゃあ、こっちの時間割だね!あと、今日から担当の奈良先生と補修授業があるみたいだから忘れずにね!2週間後考査があるんだけど、それは知ってる?」
「あ、昨日理事長からききました。」
「そっか!じゃあオッケーだね!」
矢継ぎ早に色々言われ、少し混乱したが、理事長から補修の話は通してくれてたみたいだ。補修が楽しみである。少しでも、能力の使い方や、その取っ掛かりでもつかめればいい。なんでもいいから、何か一歩がほしい。
その他にも入学時に必要な書類などを提出や、説明を受けていると、まもなく朝礼の時間となっていた
それじゃあ行こっか。と促され、先生の跡をついていく。手ににじむ汗を握りしめた。
「おはよー!みんな静かにしてー!」
そう言って、先生が入ると先程まで賑やかだった教室も静まり返り、皆、先生の方に注目していた。やがて、開かれたままのドアに気づき、なにかあるのではと期待する生徒もいるようだ。
はいってきて。と言われ、教室へと踏み込む。誰?転校生?といった声がチラホラと聞こえる。残念ながら、どうやらこのクラスには、入院していて入学が遅れた俺の存在は認識されていないみたいだ。
「言ったでしょ?入院してる子がいるって!今日から通うことになったから、みんな仲良くしてね!ほら、自己紹介して!!」
「進藤 未蕾です。みんなより遅れての参加ですが、よろしくおねがいします!」
「それじゃあ、神藤くんの席は島風さんの隣ね!」
空いている席へと進み、座る。島風さんと呼ばれていた彼女は、金髪の長いポニーテールが似合っていて、とても可愛かった。こういう子がモテるのだろう。彼女を見る男子たちの目も明らかに違うし。
「今日からよろしくね、島風さん。」
・・・
オーマイガー?!どうやら聞こえなかったらしい。彼女からは話しかけてくるなオーラが出ている気がするが、気のせいでしょう!何かしたかな?俺・・・。
ホームルームが終わると、やはりグループがいくつかできていて、くだらない話を始めていた。この状況で会話の輪に入っていくのは至難の業だ。自分からなんてハードル高くて笑えない。
何もできないまま、時間割を見て時間をつぶしていると、
「よっ!神藤だっけ?俺は小暮 俊!こっちは・・・」
「僕は伊海 悠馬、よろしく。」
「よ、よろしく」
一人で時間をつぶしていた俺に見かねてか、2人が話しかけてくれた。小暮のほうは坊主頭が似合っている。人当たりのいいやつで、コミュ力の塊だ。伊海は少し顔色が悪いとは言わないが、肌の白さが特徴だった。こちらは対象的におとなしそうな奴だった。
「島風さんの隣うらやましいよ。1年で一番可愛いんじゃないかな?」
やはり、相当モテているらしい。今は席を外しているので聞かれる心配はない。
「ちなみに、俺はノーホルダーなんだ!神藤は?」
「俺はホルダーだよ。」
「ねーねー!能力なーにー??」
小暮が何か言おうとしたのを遮るように横から声がかかった。そちらを見ると女子が2人近づいてきていた。こちらもまた活発そうな子と大人しそうな子だった。
「なんだよ。香菜はあっちいってろ!」
「はぁ?俊があっちいけ!!あ!私、相原 香菜!よろしくね♪ねー!神藤君能力教えてよ♪」
「俺の能力はテイマーっていう能力だよ。」
テイマー?と四人は首を傾げている。名前だけだとあまり、ぱっとしないのかもしれない。
「動物とかを使役できる的な?まだ使えたことないけどね。」
「え!?そうなの?・・・ふーーん。それは辛いね。それじゃ席戻るね!」
能力聞いたら興味なくなったのか、ここから去ろうとした相原が、急に振り返ると、
「あ!あと、能力については、誰かにあんまり喋らないほうがいいと思うよ!」
え?聞くだけ聞いといて?何か嵌められたような気持ちになっていると、授業開始の予鈴が鳴った。
小暮たちもまた後で話そうぜ、といって席に戻っていった。
午前中は必修科目の授業みたいだ。午後にはいよいよ特別授業なので早く午後になってほしいなと願った。早めに能力のこと理解しておかないと2週間後の考査に間に合わない。先を思うと少し不安になる。
それでも、俺みたいな出遅れと話してくれるやつもいたし、少しだけ学校生活が楽しみかもしれない。と思った。
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