マクゴナガルさんと ナユグ
作文です。
母は、「くれない」族でクレーマーだった。
「あれをしてくれない」「これをしてくれなかった」という性格である。
年を取るにつれ、クレーマー要素は強まり、「文句ばかり言う」から、
「文句しか言わない」となっていた。
イマドキで言えば、マウンティングする人だ。そしてモラハラ気質だった。
どんなコンプレックスをこじらせればそんな風になるのか。
私自身も。「自分嫌い」をこじらせたコンプレックス持ちだ。
母のおかげで大学進学ができ、手に職を持つことができた。だから
自分にはできることがあることも知っている。
それから
かなり時間をかけて臨床心理を学び、自分を受け入れることができるようになった。
「努力を続けること」「あがき続けること」も、個人の実力のうちである、と。
やればできる、とよく言われた。そうかも、と思う自分もいたが、苦しかった。
「やればできる」かもしれないが、やれなかったのが自分なのである。
やれなかったまで含めて、実力なのである。
持っているエネルギーの総量の半分を、「旅の準備」「やる気を出すこと」に使ってしまう。
だから、遠くまでは行けないのだ。
そういう自分を受け入れて、今がある。
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ボケてしまった自分が、突然言い出す言葉について思いを馳せる。
唐突にはっきり発音し、そして沈黙する、なんてシチュエーションが良い。
「昨日、マクゴナガルさんがね……」なんて言ってみたい。
なめらかに猫から人に戻りながら、ハリーの心配をしていたマクゴナガル先生。
「私も猫になって散歩したの」
あるいは。
「このところ、ナユグも忙しそうなんだよ」 とか。
普通の人には見えない水の中を歩くような感覚はボケたら味わえるのだろうか。
今、なんとなく抑えている感じの執着や恨みみたいなものが、突然意識の表層を支配し、
醜い言葉が出ないことを、祈るばかりである。
それが、最後の「執着」なんだろう。
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マクゴナガル先生・・・・グリフィンドールの寮監
by ハリー・ポッター
ナユグ・・・・・「精霊の守り人」の精霊が住む世界