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出会った美少女は秘密結社の姫巫女様  作者: 五木史人
1章 憲兵隊本部長の娘
6/25

6話 ここは安全地帯です。

「とりあえず手錠外して欲しいです」


由良穂香ゆらほのかは言った。


僕はポケットの中を探してみたが、持ってなった。

そして、車の中を一通り探してみたけど、

鍵は見つからなかった。


「ごめん」


「パシリさんだし、しょうがないですね。携帯的なものは?」


「ごめん」


「だよね」


「家に帰ります?送るけど・・車の鍵は有るみたいだし」


「デートの帰りじゃないんだから、もう」


「ごめん」


「でも、例えば帰ったとしてもですね・・・・」


由良穂香はじっと考えた。そして、


「とりあえずこの場所から離れたいです。

いつ主犯の皆さんが帰ってくるかも解らないですし・・・」


「うん、解った」


「ねえ、パシリさん」


「何?」


「私を本当に裏切らない?」


由良穂香は、僕をじっと見つめた。

僕が頷くと、


「私の為に死ねます?」


「急にそんなこと言われても・・・」


「裏切らないって、そう言う意味ですよ。

今の現状は、遊びではないのです」


僕が躊躇していると、彼女は舌を出し、覚悟を決めた目をした。

私はあなたの為なら死ねるよ・・・と。


「!」危険を察した僕は、


「死ねる」


と咄嗟に言ってしまった。


彼女は舌をしまうと、儚げに微笑んだ。



その後、僕らは周囲を警戒しながら、

公園の駐車場を抜け出し、

国道で尾行が無いことを確認した後、

酷道へと入って行った。


真夜中の酷道は完全な暗闇で、

僕の心は不安で満たした。


もし主犯の皆さんに襲われたら、

きっとその暗闇に葬りさられてしまうだろうし・・・


酷道でワゴンを降りて、そこから山道を歩くことになった。


「えっ、タルタルソースの箱持って行くんですか?」


僕はなぜか、『白夜のタルタルソース』を、

持って行かなければならない衝動に襲われていた。


「うん、なんとなく・・・」


由良穂香は、不思議そうな顔をして


「迷うと大変ですから・・・」


と段ボールを抱える僕の腕を掴んだ。


懐中電灯も無い状態での山道を、

足元を確認しながら歩いた。


時折、彼女は背後を確認した。

闇の中には風の音だけがあった。


20分くらい歩いた先の空き地に、

錆びついた古いスクールバスが止まっていた。


「とりあえず、ここは安全地帯です」


由良穂香は、錆びついたバスのドアを開けた。



つづく(^o^)/



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