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出会った美少女は秘密結社の姫巫女様  作者: 五木史人
1章 憲兵隊本部長の娘
3/25

3話 セーラー服の上着に、陸上部の短パンって姿で、彼女は車内に戻って来た。

逃げちゃお・・・


僕の脳裏にはその言葉しか浮かばなかった。

僕が何者で、何をしているのかは解らない。


つい彼女に言われるまま、写真を撮ったけど、

あの写真は、明らかに僕にとって不利なものだし、

例えば、今、あの写真を奪ったとしても、

彼女にはまだ、何か手があるのかも知れない。


例えば、今、彼女を殺したとしても、

ダイニングメッセージになるような証拠を、

残しているのかも知れない。


清楚系美少女お嬢様オーラは、消え去ったものの、

彼女の目の奥には、僕程度では窺い知れない知性が、

見え隠れしていた。


待って・・・と言う事は、今、僕が逃げても、

それなりの手段を取られたら、どちらにせよ僕は終わりか?


一体、囚われているのはどっちだよ!


とりあえず様子を見よう。



セーラー服の上着に、陸上部の短パンって姿で、

彼女は車内に戻った。


「もう、人質の下のお世話は誘拐犯さんの、

責任でしょう。その位ちゃんとしてください。」


「すいません」


疲れ切った表情の彼女に申し訳ないと思いつつ、


僕は現状を理解しようと努めた。



「ところで君は誰?」


「えっ?知らないで私を誘拐したんですか?

まあパシリさんだしね」


「誘拐」と言う言葉を聞いて、僕は改めてショックを受けた。


やはり僕と犯人グループは誘拐したんだ。


「うん、まあ」


「私、憲兵隊本部長の娘の由良穂香ゆらほのか


「憲兵隊本部長の娘!」


なんかやってもーた。めっちゃやばい状況じゃん。

憲兵隊って言ったら、警察より怖い人たちじゃん!

何やってんだよ、僕と犯行グループは・・・


落ち着いて、そう落ち着く、とりあえず状況を把握しよう。



「で、身代金とか要求したの?」


「私が知るわけないでしょう」


「だよね・・・うん」


「うん」(微笑)


彼女は何か違和感を感じたような目をし、

そして、微笑みを押し殺した。


敵の弱点を見つけた戦士の視線に、

僕は全身でビビった。


彼女は、怯えていた少女から、

戦況を冷静に見守る将に姿を変えた。


「ところでパシリさんは、何でスーツなんか着てるの?

ネクタイなんかして。高校生にしか見えないけど」


なんで着てるんだろう?

なんで誘拐したんだろう?

なんで拳銃なんか持ってんだろう?

なんで記憶がないんだろう?


聞きたい事がいっぱいなのは、こっちの方だ。


心の奥で、自分に対する怒りがふつふつとたぎったが、

今はそれどころではない。ふう・・・


しかし、どうしよう・・・・これから・・・・


彼女を解放して、「記憶にございません」

と言っても、誰も信じてはくれないだろうな。


「お困り?」

「お困り」


僕は反射的に答えてしまった。


「実はですねパシリさん。

現状はあなたが考えている以上に、

複雑なのです」


先程、ミッションを失敗したばかりの少女は、

微笑みを浮かべながら言った。




つづく



毎週月曜日、更新です (^-^)/

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