聖なる夜には爆炎を
やっぱりタイトル出落ち。
タイトル通りのものを生み出せない私を嗤えよ。
いい歳した野郎が泣きわめいてやるから。
起承転結もなってないとか言わないでね!
書いてて気づいてるから!
展開急すぎるとかも言わないで!
察してるから!
あ、さりげなく世界観の設定。(さりげなく?
えっとね、最低でも一人一個は超能力持てる世界。そして今の日本の平行世界。
部長は『創作』材料さえあればなんでも創れる。
ただし出来はレベル依存。レベル上げは熟練度を上げる以外の方法は無理。今はレベル5。
あと主人公のことだけど………ま、気づくよね。
感想あれば送ってくださいね。
酷評でも血反吐吐きながら読みますよ。
「ムカ着火ファイアー!!!」
「ぎゃぁぁぁぁ!」
なんだこれ。
あ、どうもみなさんこんにちは。
僕の名前は山川翼。ちょっと空を飛べるだけのどこにでもいそうなかっこいい高校生です。
……ええ、友達にそれを言うと「かっこいい?翼が?………ふっ」とか笑われるけどかっこいいはず。
えっとですね、今の状況としては、部長の創った
部長命名「ムカ着火ファイアー」で山田くんが火あぶりになってるところですね。
え?前後の状況もほしいと?
まったくお客さんったらほしがりですね。
えっと、山田くんが「部長ぉ、クリスマスってなんか予定ありますぅ?」って巻き舌口調で話しかけた。以上。
………いや本当にそれだけですよ。
「ふん。なんだい。どうせ私には聖夜を共にすごす彼氏もいないよ。嘲笑いにでも来たかい」
「げほごほっ。そ、それならオレとぐはっ!?」
「部長部長。それなら僕とデートしましょうよ」
山田の頭を足で踏みつけながら話しかける。
そんな真っ黒焦げな格好で部長に話しかけるなよ、くそが。
……おっと失礼。つい口調が。
「翼と?それは……デートといえるのかい?」
なん………だと…………!?
部長は僕のふぇろもんにめろめろだと、あの日ヒナちゃんが言ったのはウソだったというのか!?
何も照れた様子はない。皮肉そうに言った様子もないし第一部長はそんな人じゃない。
つまり………素か。
「僕と一緒にいるのは嫌だというんですか?」
さすがに泣くよ?みっともなくわんわん泣きわめくよ?
「いや、だって……いつも一緒にいるから特別感がないというか」
ちっ。きたる日のためにすでに部長と同棲し、同じベッドで寝ていることが仇となったか。一緒にいても手を出してこないから僕に対して危機意識がない、と。……手を出したら意識してくれるだろうか。……部長に嫌われるの嫌だし保留で。
「聖夜に一緒にいることに意味があるんです!」
「そ、そういうものかい?まぁそれでいいのなら」
よっしゃデート権ゲト。山田、残念だったなぁ!
「…………なんであんたがここにいる」
「妹にぱしられたんだ、言わせんな恥ずかしい」
イブの日の午後一時。
地元のスーパーでお買い物中。
山田の野郎とばったりでくわす。
なんでこの時間帯なんだ。
山田なら三時のおやつでぱしられろ。
「奇遇だね。私達は昼食と夕飯の用意でここに来たんだ」
「………部長たち、もしよろしければ夕飯ご一緒しません?美香も喜ぶと思うんで」
いいわけないだろう。これから部長と僕はキャッキャウフフする予定なんだ。お前なんぞに与える時間はない。
「……親御さんがいるだろう。別に私達がいなくても………」
「両親共に公務員でしてね。こんな日でさえ十時まで仕事ですよ」
生きているだけ十分じゃないか。そう思ったけどさすがに黙っておいた。そんな空気じゃないし。
「……はぁ。分かった行かせてもらうよ」
やっぱりか。僕と部長だけの甘い時間が………
妹さんが可愛いなら許してあげよう。そうでないなら燃やす。
「おっすただいま。客連れて来たぞ」
家につくなりすぐに上げてくれた。片付けはいいのだろうか。
………片付いてるのか。意外だ。すぐに散らかしそうなイメージがあるから。
そのことを伝えると「お前に言われたくねぇ」と半目で言われた。ふん。僕は散らかしているんじゃない。片付けていないだけだ。
「え?ええっ!?お客さん!?ちょっ、今私の格好すっごいだらしないから着替えてくる!待っててもらって!」
「あー、わりぃ。もう連れて来ちまった」
「なんでこの部屋だけ散らかっているんだ」
「あ、可愛い娘だ。仕方ない、許してあげよう」
ちぇっ。だらしないとかいうから全裸や下着姿やジャージを想像したのに。トレーナーにズボン。どっちも男物だけどすごく似合ってる。
「山田は妹に自分の服を着させて、そのサイズが合わない様子を見て興奮する変態だったんだね。知ってたよ」
「なんと……山田くん…………そうだったのか…………」
「兄ちゃん……キモッ」
すかさず距離を取る部長と妹さん。
「いやちげぇから。コイツが自分で着てるだけだから。あとコイツも山田だから」
「え?でも血、繋がってないでしょう?」
「なんで知ってんのお前」
「いや全く似てないし」
ついでにお前少なくとも五年前はひとりっ子だったろうに。
「だから小野さんって呼ぶね」
「なんで旧姓まで知ってんの」
だってそこに小野って書かれたタオルがあるから。なんて言わず
「勘」
と答える。
夕飯までは滞りなく進んだ。
七面鳥を小野さんが恥ずかしそうにしながらも一匹完食したときは拍手した。
山田は見た目よりも少食だった。
ノンアルコールのシャンパンを飲んでいると眠気が出てきた。
「う、うーん………」
ガチャガチャ。
「ガチャガチャ?」
気がつくと手足が拘束されていた。
十中八九あの兄妹の仕業だ。
部長はどこだろうと、そんなことを考える。
「目が覚めた?」
小野さんの声だ。さっきまで冷徹さが声に混じってる。
「やっほ。これはどういうこと?」
「見て分からないの?拘束してるの」
知ってるよ。理由だよ理由。
「ふーん。部長は?」
「今ごろ兄ちゃんにメロメロなんじゃない?兄ちゃんのは…スゴイんだから」
そんな下ネタどうでもいいわ。第一部長が許可しない限り部長の身体に触れることのできない指輪をしてるんだ。無理だろ。
………あ、いや、僕を人質にとられたら……。うわぁ、ありそう。
ここは早く助けに行かないと部長の貞操が危うい。
「よっと」
手足に付けられた手錠っぽいものを引きちぎる。
そして驚きで固まっている小野さんを気絶させる。
早くしないと。
「オレの女になれ」
街の裏路地まで来てからそう部長のアゴを持ち上げて言う山田と、持ち上げられた部長の表情を見て理解する。
さっき「兄ちゃんにメロメロ」って言ったのはそういうことか。
えっちぃ技術じゃなくて、感情操作かよ。捕まるぞ。
あとなんで裏路地?わざわざ外でやる意味が分からない。
つか見ててイライラする。
なるべく早く浄化しなければ。
僕は部長特製「ムカ着火ファイアー」を取り出し、
山田のクズに炎を噴射した。
「汚物は消毒じゃぁぁ!」
「ぎゃぁぁぁぁ!」
「や、山田くぅぅん!」
ふう。悪は消えた。部長を元に戻さなくては。
部長を拘束してる手錠に近づいてロックを外す。
む。これ意外と固いな。
「翼!なんてことをするんだ!山田くんがアフロヘアーになっちゃったじゃないか!」
「アフロの似合う肉体ですよ?むしろ山田も喜んでますって」
「うぐ………あ…………が…………」
うっわぁ。身体から煙出てるよコイツ。
おっもしろーい(棒)
「………………白目向いてないかい?」
「いやほら右手見てくださいよ。なんかピースサインしてません?っと、はい。取れましたよ」
「むん?あ、ああ、ありがとう」
さて、と。部長にかけられた感情操作を外さなくては。
「 」
「?部長何か言いました?」
「いや別に?」
あれ?気のせいだったのか?……まぁいいか。
「部長部長。こっち見てください。それ、『痛いの痛いの飛んでいけー』」
「…翼。子供扱いしないでほしいなぁ。それに私、全くケガしてないよ?」
「いやいや。念のためですよ。もし部長に傷でもついたら世界の損失ですから」
「…さすがにそれは大げさだよ。翼がすごく落ち込んだりするくらいじゃない?」
わりかし本当なんだけどな。
「……ヒナちゃんだってシャルちゃんだって悲しみますよ。そんなこと言わないでください」
「…………そうかなぁ」
「そうですよ」
彼女らだって、部長に対する密偵である以前に、一人の部長の友達なのだから。情だってわくはず。
「さ。部長。帰りましょう。僕お腹空いたんで部長の手料理食べたいなぁ」
「まったく翼は。………………手料理?」
「ええ、手料理。いつものやつ」
「………っ。ああ、任せてくれ 」
「ふふ。楽しみにしてますね」
二人で食べたカレーは、少し焦げ臭かった。
まったく、慣れないことするから。
さすがに前の結末はアレかなって書き直した。
今回の一連の出来事は、実は部長によるドッキリということに。
翼の愛を確かめるためだったってことで。
いやもうラブラブだね。相思相愛だよ。
翼気づいてないけど。
山田が間男にならなくて良かった。
あと部長に密偵ついてるのは、単純に危険だから。
材料さえあればなんでも創れる、って、ねぇ?
異世界召喚の魔方陣とか創れるだろうし。
だから何か起きても対応できるように、選りすぐりの人たちが部長の周りに集っている感じ。
翼はその中でナンバー2。
能力は付与。エンチャント。なんでもつけれるよ。
今度翼大活躍のものでも書くか。