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疑問は増えるよ何処までも

「ご馳走様。」


《ご馳走様でした。》


机の上には空の皿に魚が、刺さっていた木の串、少し離れた 焚き火のそばには空の鍋。


ルトールが作った料理は余すことなくマーヤレイシアのお 腹の中である。


「ふぅ。」


さすさすと膨れた腹をさするその動作にルトールは酒場で 飲んだくれるオヤジを思い出す。


(いや…ちがうあれは幼竜だ、幼竜。)


「あぁ…おいしかった。」


その言葉と同時にけふんと鱗と同じ色の小さなブレスが放 たれた。


(げっぷ…、にしてもやっぱり念話じゃなく喋ってるな舌 足らずではあるが。)


「と…《あっ、そうですルトーさっき言ってた綺麗な鱗見 せますね。》


「あぁ。」


(聞く前に遮られたな。わざと…なわけないか。)


鞄も持ってないのに何処に置いてるんだろうと言う疑問を ルトールは抱く。


…がすぐにその答えはわかった。


ふわりと宙に黒く輝く漆黒の魔方陣が構成されくるくる回 りマーヤレイシアにあわせたサイズの豪奢な扉が現れた。


扉を飾るは時と空間を司る双生の神デアミニテンスとジェ スパティウム。 そして二柱が愛した純白の鱗と碧銀の瞳をもった竜とそれ を守る漆黒の鱗に碧金の龍。


二柱は彫刻で竜と龍は魔石を組み合わせたモザイクアート で表現され美しい。


そんな扉をしっぽでバシッと開け中に手を突っ込みごそご そと探りだす。


開ける衝撃で二柱の彫刻が欠けたがまったく気にしていな い。


《あっありました。》


マーヤレイシアの手には主に東の国で作られている漆塗り の美しい木箱がのせられていた。


「彫刻が……。」


《壊れてもいつのまにか、なおってますから問題ありませんよ。》



「……。」

いくら、なおるといっても罰当たりだろうと言うツッコミはさせてもらえないようである。


カシャカシャという音をたてながらマーヤレイシアが箱を閉めたり開けたり、押したり引いたりする。


その動きを何度も繰り返すのを見てルトールは首を傾げそれを見たマーヤレイシアはポンと短い手を打った。


《ルトーはこういう箱、知らないんですね。》


「……?」


《この箱は普通には開けられないんですよ。》


「開けられない?」


《んーと、この動くところを正しく組み合わせないと開けられない細工がしてあるんですよ。》


「東の方の国は変な物を作るな…。」


《んー?東にある国から見ればこっちの物のほうが珍しいんじゃないですか。》


「それもそうか。」


なぜ、国交に積極的ではない東の国々のことを、発言からして森の外に出たことのないであろうマーヤレイシアが知っていたりその物を持っているのかという疑問を、何て賢いんだと感心するルトールに指摘するものはこの場にはいなかった。


かこんと何かが外れる音がした後「あいた!」と嬉しそうに尻尾を振りつつ箱を開ける。


中から出てきたのは箱一杯の赤や青その他様々な色の美しい物たち、自ら輝くそれらは例え素人が見たとしても素晴らしいと分かるそんな物ばかりだった。


そしてある程度、魔物の素材に詳しい者なら見ただけで震え上がるだろう、これを集める為に戦わなければならない魔物やこれを集めた者に対する畏怖で。


ルトールの喉仏が上下してごくりと喉が鳴る、マーヤレイシアが持っているものを集めるには少なくともAランク以上の実力が必要だと分かるからだ。


(やはり、森を消したのはマーヤレイシアで間違いないな。)


《ルトーどうしました?》


「いや、なんでもない、それにしても凄いな。」



「でしょうでしょう、この箱のなかみは集めたやつの中でもお気にいりのやつだけいれてますからね!」


手をあげながら胸をはり嬉しそうに自慢する。

マーヤレイシアの言い方だと他にもあるようだと確認するがその声は震えていた。


「まさか、他にもあるのか?」


「これは、ほんの一部ですよ。」


「……。」


「見ます?」


「いや、いい。」


「そうですか?」


「あぁ。」

暫しの無言、あまりにもマーヤレイシアが出してきた物が非常識過ぎてルトールの頭は処理落ち寸前。

とりあえず話題を変えなきゃダメだなと考えるが話題何てひとつしかなかった。


「話題は変わるのだが……。」


《ん、なんですか?》


(感情が高ぶった時だけ念話を忘れるのか……。)


「喋ってないか?」


《そりゃ、しゃべりますよ!》


「そうじゃなくて。」


「ん?」


「念話じゃない方で喋ってないか?時々と言うか頻繁に……。」


「……。」


「……きゅう。」


わざとらしく最初に会ったときの鳴き声を出すが明らかに喋れるのがバレているのはマーヤレイシアにもわかっていた。


だが、喋った覚えはないのである、その時マーヤレイシアの脳裏に過った言葉は超能力者、魔法とは違う概念の術を使う者のことである。


「ルトーは超能力者だったんですね!」


「いや、普通に喋っていたぞ。」


「うそです、しゃべってませんもん。わたし!」


(喋ってないと思ってたのか……。)


地味に抜けた幼竜である。


「うぅ、まだしゃぎょうととかかむのにー。ってまたかんだー。」


「いや、当初は喋れもしなかったんだから落ち込むことはないと……。」


最初は本当にきゅうっと泣くのが精一杯だったのだ、と言うかルトールは人語を念話でなく声帯でかいする竜など見たことはない。

抜けてはいるが竜の中でも相当優秀なのは間違いないだろう。


「ダメですよ!ちゃんとしゃべれなきゃ!」


「……なら、私が練習相手になった方がいいだろう?」


「ルトーは話すのにがてですよね?」


「……。」


「……。」


「がんばれば……あるいは。」


「本当に?」


「同僚が騒がしいからちょうどいいだろう。」


「……。」


「ほんの少し喋るのも鍛練になる。」


「まぁ、確かに。」


最終的には同僚に丸投げしこの話は幕を閉じた。







マーヤレイシアの個人資産…実はとってもお高いものばかり、マーヤレイシアは綺麗だなで持ってるだけ

双子の神様…マーヤレイシアの父のストー…自主規制 マーヤレイシアがとても好き(いつかでてくる?)

空間魔法…とっても難しい魔法



とっても短いぐだくだしたお話になってしましいまいました。

それもこれもケータイの充電器がお陀仏したせい……。(別にもう一本投稿してないだけで描いてるのもある)

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