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84話 幽厳村正は怖い男よ

ふと、千秋は部屋の隅でホルマリン漬けになっ

ている半魚人を見つけた。


「これは・・・」


「俺達を襲ってきた半魚人じゃないか」


力也が瓶まで近づくと半魚人をしげしげ眺めた。

襲ってきた半魚人よりは小ぶりだ。


「それは本体なの?」


「千秋さん達は御存じなのですか、これを」


驚く伊集院に


「さっきこいつらに襲われたの」


「実は・・・」


雪が先ほどの戦闘の話をかいつまんで伊集院に

話した。

その話に驚いたのは伊集院ではなくメイサだった。


「千秋、いつのまにそんなに強くなったの。こ

 の気味悪い化け物やっつけちゃうなんて」


「何言ってるんだ、千秋は昔から強かったぞ」


横から力也が訂正した。


「幽玄に引けを取らないくらい強いんだぞ」


嬉しそうに言う力也に


「ばーか。幽厳は本気なんか出してないわよ。

 あの男は自分の実力を決して人前ではさらけ

 出さない男よ」


「えらく幽厳の肩をもつじゃないか」


「肩持ってるんじなく、教えてあげてるのよ」


「メイサの言う通り、幽厳は怖い男よ。結局私

 達の前では本気出さなかったじゃないの」


「馬鹿野郎、あいつの今までの戦いが全てだ。

 実力を隠しちゃいない、あいつの限界があの

 程度なんだよ。雰囲気で強さをアピールして

 ただけだ、あの野郎は詐欺男だ」


余程幽厳を嫌っているのだろう。

よく今まで問題なくチームとしてやってこれた

ものだ、千秋は感心した。


力也が幽厳を嫌っていたなど、つい最近知った

ばかりだ。

それまでは、幽厳の腰巾着とばかり思っていた

が、力也も又、千秋が幽厳寄りの人間だと思い、

警戒していたのだ。


「どっちにしても、幽厳は怖い男よ」


千秋は自分自身に言い聞かせるように呟いた。

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