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81話 メイサは頭を掻いた

「じゃあここは伊集院研究所なの」


「そうですよ、メイサさん」


伊集院は笑みを浮かべている。


「ちょっと待ってよ、ここは人間の為の研究所

 よ、なんでグールがいるのよ」


千秋は何が起きているのかよくわからなかった。

ただ伊集院研究所が世界最大の研究所兼データー

ハウスである事は聞いていた。


千秋が言うようにここが伊集院研究所ならば、

人類が研究した全てのデーターをグールに渡して

いたことになる。ひどいと言うより呆れる話だ。


あの陰険で慎重な幽厳村正が気づかないとはどう

考えてもおかしな話だ。


「何を不思議がっておられるんですか?」


「だって、人間のデーターをグールが持ってるな

 んて」


「簡単な事です、私達というより、この研究所に

 いる全てのグールは、人間として今まで通して

 きましたから」


「嘘!、この研究所にいる全員がグールなの?」


「そうですよ。考えても見てください、この研究

 の研究員は全て優秀です。人間にこんな優秀な

 研究者がいますか」


一番言われたくない事を、ズバリと伊集院に言わ

れてしまった。


人類唯一の科学の砦と言われていた、伊集院研究

所が、実はグールが運営していたとは、まさに笑

えない事実だ。


「でもここにはハンターが何人か来ているはずよ。

 ハンターならグールかどうかの判別ができたは

 ずだわ、現に私だってこの研究所に何度も来て

 いるけど、研究者からグールの兆候など感じな

 かったわ」


確かにハンターにはグールと人間との区別ができる。

それが今までわからなかったとは、おかしな話だ。


「この研究所には人体から放出される遠赤外線を中

 和する電磁波が放出されています」


「遠赤外線?」


メイサが空を見た。

思い当たることがあったのだろう。


「ひょっとして、ハンターが感じるグールの感覚は

 ・・・」


「そうです、人間が発する遠赤外線とグールが発す

 る遠赤外線では微妙な違いがあるのです。ハンタ

 ーはその違いを見極める能力があるので、グール

 を嗅ぎ分けることができたのです」


「でも・・・」


メイサは頭を掻いた。

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